保険の勧誘
ぼくの第二の書斎(?)となっている…
『喫茶室ルノ◯ール』恵比寿東口店で、
いつものように、原稿を書いていたら──
となりの席に、
カップルだとか友だち、もしくは仕事仲間…
といった関係とは、なんとなく
「ニュアンスの違う男女」
…がやってきました。
テーブルに広げている資料を
確認するかぎり…どうやら
「生命保険の勧誘」
…である様子???
「女が勧誘する側で男が勧誘される側」
…だったんですけど、
漏れ聞こえてくる話を盗み聞きしていると──
二人ともが22歳で…
「まだ大学を卒業したばかりの新入社員」
…ってあるっぽい。
百戦錬磨のおばちゃんが、
「飴(あめ)ちゃん」
…とかをエサに、
社会に出たばかりのウブな男子(=被勧誘者)を
「きっちりとカタにハメていく」
…ような、ありがちなケースではなく、
お互いともが見るからに固くてぎこちない…。
なにが「ぎこちない」のかと言えば──
パソコンを打つ手もそぞろに、
耳をダンボ(※←死語?)状態にしている
ぼくが思わずイライラしてしまうくらい、
(※近くの席に興味津々な客や癇に障る声質の客が
来たら、まったく執筆が進まなくなるのが
「喫茶店ノマド族」最大の短所であります!
ただ、今回の場合は一本コラムネタが増えたので、
一長一短といったところでしょうかw?)
とにかく会話が──以下のように、なかなか
本題(=保険の勧誘)にまで進まないのです。
女 「今は、とくに大きなお病気はされてない
…んですよね?」
男 「はい。健康ですね」
女 「スポーツとかされているんですか?」
男 「休みの日は草野球やってます」
女 「わ〜、すごい!
私、野球大好きなんですよー!」
男 「え、そうなんですか?」
(※男の目が心なしか輝きを帯びる。
その横でぼくもうんうんと頷きながら、
心の中で「自分も草野球は
週二回やってますよ〜」とつぶやく)
女 「大好きです〜! だってアタシ、
高校のときは野球部の
マネージャーだったんですよー!!」
男 「そ、そうなんですか?
まさかスコアとかもつけれたりするとか…?」
(※心の中でぼくも彼女に同じ質問を投げかける)
女 「バリバリですよー!
これはもう運命の出会いですね!!」
男 「じゃあ、今度オレのチームの
マネージャーやってくださいよ!」
(※つい、彼と同じセリフを口にしてしまいそうに
なる自分を、ぼくは辛うじて抑制する)
女 「行きます! 行きます〜!!」
男 「じゃあ、今度マジで誘っていいっすか?」
…と…まあ、こんな感じの内容が
延々続くわけであります。
残念ながら、
ぼくのパソコンの充電のほうが
早く切れてしまったので…結局、最終的に男が、
「女が勧める生命保険に
加入したかどうか?」
…を見届けることはできなかったのですが…
「生命保険の勧誘に来た女が
草野球のマネージャーとして勧誘される」
…といった、いわゆる
「ミイラ取りがミイラになる」
…というレアケースは、
なかなかにほのぼのしい光景でありました♡
それにしたって…
「保険勧誘から始まる恋」
…ってえのも、
ちょっとイイ話…だと思いません???
アラカンを迎え、継ぎめなく襲ってくる
「小病気」
…に、切実に悩まされている
今のぼくではもはや、絶対に味わえない
「甘酸っぱい体験」
…ではありませんか!!?