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「イマドキの倍速世代」について

今、流行りの「タイパ」
(=「タイムパフォーマンス」の略)
ネタとして、

「若者を中心に、動画を早送りして
視聴するヒトが年々増えつつある」

…みたいなことを、
朝の某情報バラエティ番組が報じておりました。

番組中で紹介された、アンケート調査によると、

「動画を倍速で観た経験があるか?」

…という質問に対し、

「ある!」

…と答えた20代男女は、じつに約半数の49.1%! 

そして「倍速で観たいと思う動画」
1位は、なんと!

「ドラマ」

…なんだとか…!?

ぼくも動画を早送りで視聴することは、
たまになくもありません。
録画しておいたニュースだとか、
(コラムのネタとして)観ておいたほうが良さげな
ドラマだとかYouTube作品だとか…が、
おもなジャンルだったりします。

とは言え、2倍速だとさすがに

「なにをしゃべっているのかが理解できない」

…ケースも多いので、
せいぜい早送りの速度は1.25〜1.5倍速くらい? 

ちなみに、ぼくはもう30年以上も前、

「アダルトビデオのレビュー執筆」

…を2年くらいしておりました。

媒体は『さく◯んぼ通信』という
月刊のAV専門誌──作品ごとに300ワード程度
あらすじや寸評を述べ、さらには「勃起度」
A〜Eの5段階評価に振り分ける…。

月に一度、二重にした
(なぜか)フォアローゼスのロゴが
入った紙袋のなかにごっそり入った
30本ほどのアダルトビデオを手渡され、
それらを中一日ですべて鑑賞し、
原稿もアップしなければならない…
なかなかにハードな仕事でありました。

最初は、

「タダでAVが見放題なんて超ラッキー!」

…と軽い気持ちで引き受けたんですけど(笑)、
たった一本を観終わってヌキ終わっただけで、
たちまちその作業は苦行となり、次第に

「性交の部分は早送りにして、
ストーリーや女優のインタビュー部分のみを
ノーマルな速度で鑑賞する」

…という、通常の男子とは
逆の使い方をしていたものです。

半年も経てば

「左手でリモコンを
操作しながら右手で原稿を書く」

…といった離れ技も習得できました。

そういう意味で、ぼくは

「動画を倍速で鑑賞する若者たち」

…の先駆け的な存在だったわけです(笑)。

で、同番組に出演していた某コメンテーターが、
昨今では当たり前となりつつあるそうな

「倍速鑑賞」

…について、こんなコメントをしていました。

「観ないね、倍速とかで。映画にかぎって言えば、
ないです。だって作る側からすると倍速速度で伝わるんだったら倍速の速度で(俳優さんにも)演技させればいいじゃないですか、監督は。
作っている側はこれが一番伝わると思っているスピードでしゃべっているし、間をもうけている」

たしかにごもっともな意見だとは思います。

が、今の若者たちの周囲には
我々世代が若かったころよりも、

「数十倍数百倍もの情報」

…が氾濫しているのもまた事実──
そのような時代の流れに乗じて、
今の若者たちの情報処理速度
おのずとチューンアップされ、
早送りした動画を「常態」と見なせる能力をも
身につけているのではないでしょうか。
切羽詰まった状況下において、
ぼくが早送りしていたアダルトビデオでも
きちんと欲情できていたように…???

話は「動画」から少々それますが、
たとえば我々世代が解読するのに
一苦労なLINEやTwitterでの

「句読点が皆無な誤字脱字だらけの文章」

…も、今の若者たちのあいだでは
難なくやりとりが行われています。

これも情報処理速度の観点からすれば、
一つの進化…なのかもしれません。

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