おじさんの薄毛対策
いくら「男は中身!」などと声を大に主張したところで、“見た目”が男女の出会いにおける第一印象を大きく左右するのは動かしようのない現実であることは、致し方ありません。
そんななか、ほぼ100%の男性が加齢するごとに増してくる“外見”の悩みの一つに
「薄毛」
…があります。
ぼくもアラカンに差し掛かり…いよいよ薄毛をごまかしきれなくなってきた今日このごろ──とはいえ、本格的なAGA治療や精巧なカツラの着用に大金を突っ込むほどには、まだその薄毛っぷりが切実では
ない、しかも
「せめて、あと5年は女子にだってモテたい」
…なる煩悩も捨てきれない…。今日は、こうしたアンニュイなリアルとイマジナリーの間を綱渡り真っ最中なぼくが、似たような境遇にいる…決して少なからずの中高年男性に向け、「髪型」についてのお話をしてみましょう。
男も50歳あたりを過ぎると「できる髪型」がいろんな意味で相当に限定されてくるのは、ぼくも身をもって痛感しております。
とくに「髪のコシ」がなくなってくるので
長髪は厳禁!
ドライヤーをあてても(※標準語では「ドライヤーをかける」。「~あてる」は関西弁)髪が言うことを聞いてくれない(苦笑)。すぐテッペンがぺっちゃんこになっちゃうし、(髪の分け目を支点とした)薄毛の部分もより目立つし…。そういう(ぼくみたいな)
貴男が目指すべきなのはズバリ!
「超短髪」
…です。「超短髪」は、とある団体が行った「女性視点でのハゲ・薄毛の男性に対する意識調査」で、じつに6割近くの支持を得ていた理想のヘアスタイル
…なのだそう。
たとえば、頭頂部にホンのチョッピリ伸ばせる髪が
残っている男性なら、
「顔の縦幅(頭頂部から唇の中央までの距離)が顔の横幅(耳を除いた、もっともせり出している左右の距離)の1.2倍以上になる髪型」
──つまり、
「頭頂部の髪を立て、横を短く刈ることによってこの縦横比をコントロールする」
…わけです。
40代後半から50代あたりの(比較的)髪が残っている男性の多くのヘアスタイルが
「出川哲郎化」
…してくる傾向に、皆さまはすでにお気づきかもしれません。この「出川カット」を簡潔に説明すると、
「頭部の側面と背面を大胆に刈り上げ、頭頂部のみ髪を立たせることができる程度の短さに残しておく
ヘアスタイル」
…のことで、大きく解釈すれば
「ソフトモヒカン」
…にカテゴライズされ、出川さん以外の50代以上の著名人だと、ゴルゴ松本…あと、亜流としては山田五郎さんあたりが挙げられます。ぼくの現在の髪型もおおよそは似たような感じです。
いわば「かろうじて残っている頭頂部の髪で、薄い部分を極力不自然にならないよう誤魔化すスタイル」で、伸ばした側頭部の髪を頭頂部にまで強引に持ってくる「昭和のハゲ隠し」の定番であった
「バーコードおじさん」
…と、発想自体は変わりせん。
ちなみに、この「出川カット」──じつはチョイスしているわけではなく、ぶっちゃけぼく(ら)くらいの年齢になったら、この髪型しかできないんですよ。
側面部の髪を伸ばしっぱなしにすると白髪が悪目立ちしてしまい、下手すりゃ10歳以上老けて見えちゃう。「ロマンスグレー」なんてカッコイイ感じにはまずならない。陰毛チックなチョロチョロした白髪がだらしなく、制御不能なかたちで生え散らかるだけですから、マメなカットは必須──ただ、このヘアスタイル…キープするのはなかなかに手間ヒマとお金がかかってしまうのです。
自身の経験則から申すと…「出川カット」を(完璧に)キープするためのカットサイクルは、できれば
「3週間に1度」
…程度でしょうか。なぜなら、髪の伸びるスピードが「頭頂部より側頭部のほうが早い」のは薄毛男性にありがちな傾向で、長い期間放っておけば傘が広がったシイタケみたいに側頭部のみが厚くなってしまい、
オシャレな縦横比が崩れてしまうからです。
とは言え…「3週間に一度」は、時間的にも経済的にもかなりキツいノルマであります。
一番リーズナブルなのはバリカンやカミソリを購入し、自宅でスキンヘッド、もしくは3分刈りレベルの坊主頭にすることでしょう。ぼくも若いころは
「ハゲたら丸刈りにすればいいや!」
…なんて風に、鷹揚にかまえていました。だけど、いざ薄毛が切実になってきたここ数年は…少しでも髪が残っている以上、それをばっさり切っちゃうのが
「もったいない!」
…という未練が頭をよぎってしまう…。バーコードおじさんの気持ちもだんだんと理解できるようになってきたわけです(笑)。
だったら、やはり残された選択は
「外でカットしてもらう」
…しかありません。一つの頭上で髪を立てたり刈り込んだりしながら、極端な長短バランスをナチュラルに整える作業っていうのは、
「プロならでは」
…の技であり、じつは「長髪よりも短髪のほうがマメなケアを要する」のも覚悟せざるを得ない──したがって、重要になってくるのは
「理容室や美容院の選び方」
…なのです。
まず、一つめのポイントは「交通の便の良さ」。
頻繁に通っても億劫にならないこと──できれば自宅か職場の近所、ないしは職場から自宅への帰り道に行きつけの店を探しましょう。ぼくは「お洒落スポット」って理由だけで、表参道のサロンに通っているのですが、半端に交通の便が悪いため、つい面倒でカットサイクルが2ヵ月に一度くらいになっちゃっているため、今後は自宅の近所にあるサロンにもチャレンジしてみようかと考えております。
二つめのポイントは「店の規模感」。
新しいお店にチャレンジするなら、大型店になればなるほど、担当する理容師・美容師の技術レベルにバラつきができるので、なるべく早めにお気に入りの“担当”に出会えるよう、できれば小型・中型店を選んだほうがベターです。有名大型店でカットしている誰しもがテクニシャンだとは限りませんから。
3つめのポイントは「理(美)容師の技術・人柄」。
さらに、カットしてくれる理容師・美容師を見て
「カッコイイ」と思えないなら、その人を指名するのはやめたほうが無難。また、女性を主要なターゲットにしている美容院は、「刈り込む作業」に馴れていない可能性も高いので要注意。ヘアスタイルだけじゃなく「ヒゲ」や「眉毛」についても具体的な提案をしてくれる理容師・美容師だと、よりベストです。
そして最後、4つめのポイントが「価格帯」。
「(できれば)3週間に一度」のノルマゆえ、当然のこと少しでもやさしい価格帯のお店を選びたい!
近年は理容・美容業界も1000円カット店に対抗するためか、各店とも客あたりの平均単価を下げることがテーマとなっているため、店舗ウェブサイトや美容系ポータルサイトなどを小マメに調べ、粘り強く探すことが長い目で見て大切になってきます。1000円カット店は一般的に「客回転数が収益性の分かれ目になり、作業が雑」とされていますが、稀に技術レベルが高い理容師・美容師もいるので、一概に「ダメ」とも
言えません。
あと、もう一つ! 美容院のアシスタント、あるいはスタイリスト(=お店から髪を切ることを許されている美容師)になりたての女子をカノジョにしてしまう…という荒技も!?
「練習台代わり」
…として3週間に一度どころか、毎週のペースでカットしてもらえますよ〜!
唯一難点なのは、あくまで「練習」ゆえ失敗の可能性も高く、ときに相手の提案による実験的でアグレッシブな髪型も受け入れなければなりません。
まあ、それはそれで
「若いトレンド感覚を維持する」
…というプラスポイントとして、
多少は作用するのかもしれませんが…?