地域活動「意識低い系のすすめ」
2010年に「ノリと勢い」ではじめたNPO法人コムラボは、今年で設立10年になりました。
https://note.com/comlabo/m/m22e84f27780d
長く続けているせいもあってか、色々なところから地域活動の相談を受けるようになりました。地域系の活動で最近思うのは「意識低い系のすすめ」です。
地域で何かやろうとする時、完璧・完全を目指さず、とりあえず実現可能な最小サイズのアクション(無理をしない、意識高い系にしない)で設計し、「この活動は長く続けられるか?」を考えた方が良いと思います。
意識高い系は、地域の状況や課題といった本質を理解せず、「足利を元気に!」「この街を変える!」といった、主語が大きくキラキラ風の見せかけだけの熱量は高めで、可燃性があり、持続性が低いんじゃないか仮説を持ってます。
意識高い系が使う言葉は安易で、一般人の浅い理解でも伝わってしまう。事業の足腰がしっかりしていない状態で注目を浴び、注目が焦りを招き、事故を起こします。例えるなら、花火大会。素人が大きな花火を一発ドカーンとあげようとして、なんとか打ち上がったとしても、注目を浴びるのは一瞬だけ。「すばらしい活動だね!」と観衆は感想を漏らすけど、安全対策も疎かなので実はどこかに破片が落ちて事故が起こる、みたいな。
活動は、はじめてみないと、やってみないと分からないことが多いです。(再び花火大会に例えると)事前準備、安全対策、各所の人員配置、花火の製作、大会後の後片付けも含め、膨大な手間と費用が発生します。はじめての人が最初から必要なことを全部理解するのは不可能です。とりあえず、ささやかな規模からはじめる。「やめないこと」を土台に小さくはじめて、とにかく試行錯誤を繰り返し、気づきの連続体験で学ぶ。続けることが事業の足腰を鍛える第一歩です。
ナポレオンの言葉に「真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である」というのがありますが、意識高い系はこれらを招き入れる傾向にあります。「地域を元気にしたい(ドヤ)」「素晴らしいですね!」みたいな。活動を理解しない人がジョインすると、自分たちのやりたいことに対してノイズになる。「みんなでやろう」はリスクでしかない。
それよりも「話を聞いてもよく分からないんだよね」と思われるような、ゲリラのような動きをして、少数で地下に潜って、注目を浴びない間に事業をブラッシュアップする。
10年続けちゃった経験から、ぶれない、やめない、がんばらない、「意識低い系」が持続可能な地域活動のポイントなんじゃないかと最近思うのです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?