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卒業に寄せる、3年2組のみんなへ

3年2組のみんなへ

みんながこんなにも素敵な人になって卒業していく、そんな人生で一番の幸せを感じているはずなのに、この幸せの反動が大きくて明日からしばらくポッカリ穴の空いたような生活をしていくことを考えると怖くなって、昨日はとても上手に眠れませんでした。

僕はみんなに出逢ってから本当にたくさんの幸せを貰ってきたから、これまでたくさん人生を投げ出したくなったこともあったけれど、大人になることを選んで良かったなと思います。

だから、みんなに伝えたい事はただひとつ。幸せになってください。

これからみんなが出ていく社会はごめんね、凄く不平等だし、苦しいことだってたくさんある。大人がわがままに作ってきた社会のせいで、大人になる前に人生を諦めてしまう人もたくさんいる。

でもね、それ以上に大人って楽しいんだよって、生きるって素敵なことなんだよって伝えたくて僕はこうして君達と過ごす生き方を選んだわけです。

子どもは、間違えるじゃない。時に人を傷つけてみたり、誤った解釈で勝手に悩んでみたり。間違ってばかりのみんなを相手にするから、上手くいかなくて逃げたくなることも多いし、もうダメだって折れそうになることもある。それでも、僕の幸せは間違ってもまた立ち直るみんなと一緒にいることだったから、毎日が本当に楽しかったんだよ。ありがとうね。

今日は多分僕の人生で一番幸せな日です。もう今日で自分の人生が終わってしまっても良いかなって思うんだけど、先を生きる大人として、ずっと背中を追いかけてくれたみんながいる限り、多分まだまだ追いつかないぐらい先を行くね。いつかみんなが僕の生徒だったことを誇れるぐらいずっと先を行くね。

これからみんなが飛び込んでいく社会は不平等で時に理不尽だけど、自分の戦う場所は自分で選べるんだってことを最後に伝えておきたい。この世の中に価値の無い人はいなくて、いるとしたら戦う場所を間違えてるんだよね、きっと。

自分の幸せの在処はどこか、自分の価値はどこにあるのか?そんなことを考えていたらきっと自分の生きる場所が決まってくる。

そんなことを考えたらたまたま僕のいる場所はここだった。周りの好きに合わせて、誰かの当たり前に合わせて窮屈に生きてしまう、それはあまりおすすめしない生き方かな。

だからみんな、自分の幸せを誰にも奪われないでね。自分が好きなこと、自分がやりたいことを誰かの当たり前や世間の常識に奪われないでね。いいのよ、あなたが美しいと思ったら美しくて、あなたが美味しいと思ったら美味しいの。誰かに寄せる必要も無ければ、無理して合わせる必要もない。みんなが自分と相談する中で幸せを感じるものだけを丁寧に摘んでいけばいいのよ。

「I AM 自分を生きてるか。」

今年僕がこのクラスのスローガンに掲げたこの言葉は、これから先みんなが道に迷う時に自分に聞いて欲しい質問なんだよね。

大丈夫よ、自信持って。みんなは十分に誇るに足るオリジナルだった。

僕はこうして、今日みんなの前で人生の話をしている。その目があんまりに素敵だから、自分の仕事に少し自信が持てそうな気がするよ。どう、今めちゃくちゃイケてない?モテそうじゃない?

1年間ありがとう、また会いましょう。その時もお互い幸せで。

2022年3月18日
3年2組
やまだえっせい







ああ なんて素敵な日だ

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