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#15 そろそろ次回作の話をしよう〜夢の次回作〜
このnoteはついに今週12月25日全国公開の映画『AWAKE』の監督・脚本をした山田篤宏が映画観に来てもらえるならなんでもバラす覚悟で書いています
「冴えない衣装展」続報です!
kino cinéma 立川髙島屋S.C.館さん!
本日から #吉沢亮 さん主演映画『AWAKE』の劇中衣装を展示した「英一の冴えない衣装展」を実施‼️
— kino cinéma 立川髙島屋S.C.館(キノシネマ立川) 【公式】 (@kinocinema2) December 16, 2020
吉沢亮さん演じる英一がプロ棋士の夢を諦めた後に大学デビューした際に着ていた衣装です☺️
サイン入りポスターも引き続き掲出してますので、合わせてご覧ください👀#映画awake#冴えない衣装展 pic.twitter.com/KJyHsAAb7J
愛知、豊川コロナシネマワールドさん!
豊川コロナシネマワールドです。
— 豊川コロナシネマワールド【公式】 (@toyokoro4DX) December 19, 2020
12月25日公開 #映画AWAKE で#吉沢亮 さん演じる主人公 英一の
『 #冴えない衣装展』を当劇場で開催中です。
劇中で使用された衣装の他にも#山田篤宏 監督より頂いたお手紙や
サイン入りポスター、場面写真も展示してますので
皆様ぜひお越しください。 pic.twitter.com/AMtreH4369
仙台、チネ・ラヴィータさん!最後までなんの略称だったかわからなかったQASパーカー、お前そこにいたのか…。
『AWAKE アウェイク』公開記念
— フォーラム仙台/チネラヴィータ (@sforumlavita) December 20, 2020
吉沢亮さん劇中衣装展示
「英一の冴えない衣装展」開催中!
@チネラヴィータ
12/25(金)の「AWAKE」公開を記念して、
吉沢亮さんが劇中で着用された衣装をチネラヴィータに展示中です❣️https://t.co/8851e7SnQz pic.twitter.com/A8aeRwQkt2
そして前回写真まではご紹介できなかった大阪、なんばパークスシネマさん!
🧥「英一の
— 映画『AWAKE』公式(12月25日公開) (@awake_eiga2020) December 17, 2020
“冴えない”衣装展」👖
全国に出没中の英一のワードローブ、なんばパークスシネマ(大阪)にも登場❗
カントクが気にしていた英一のパーカーはこれ…?#映画awake#awake見つけた#12月25日公開#冴えない衣装展 pic.twitter.com/aTjVSfCWcF
これこれ!この逸品!大体捕捉できた冴えない衣装展はこれで全部かなーと思います。お近くの方は是非一度見てみてください。あ、以前ご紹介した新宿武蔵野館さんの展示にも、冴えない衣装は含まれてますのでお見逃しなく。
では、今回は予告通り「次回作」に関して、というかより正確には「次回作というもの」に関して書きます。
次回作、その甘美な響き
こんなこと言っていきなり怒られるかもしれないですけど、公開前の現在、次回作は決まってません。全くの白紙。て言うと暇で遊び暮らしてるだろうと思われちゃうかもしれないですけど、そんなことないです。仕事はしてます。なんならそこそこ忙しいです。でも、次回作に関しては全くの白紙です。
まあでも実際『AWAKE』が公開するまでは何か動くこともないだろうと思って気長に構えています。もちろん、企画を考えることはある意味では一年中やってますし、『AWAKE』が公開して多くの人に観てもらいたいという気持ちと同じくらい、それによってまた映画を撮ることができないかなあという気持ちもあります。
とはいえそんじゃあお前なんでわざわざ次回作の話しようとしたんだよ、ってなるかと思うんですが、これもう超打算的ですけど、「アピール」になるから…。実際これまで多数の取材を受けさせてもらった中でも、「次回作」の話を聞かれることは多く、その度にアワアワしてたのですが、プロデューサーからはそこでちゃんと答えておいたほうがいい、という指摘ももらっていました。ですので、今回せっかくですのでそこんとこを思い切って一度書いてみようかな、と。
一挙公開、こんな映画が作りたい
その昔、三谷幸喜さんのエッセイのあとがきで、まだ台本にしていないアイデアの羅列を「ここで言ってしまえばむしろパクられないだろう」という発想でご自身がバラす、というパンクな文章を読んだことがあります。てなわけで、それに倣って、僕も今こんな映画作りたいと思ってまっせ、というのを恥ずかしながら下記に晒していきます。興味がある億万長者の方はいつでもご連絡ください。
数は少ないんですが原作モノでも面白そうだなーというものもあるにはあるんですが、その辺りはまさしく権利関係かなとも思いますので、ここにバラすのは基本オリジナル企画として温めていたものに留めておきます。では、参ります!
『台北百人斬』
いきなり物騒なタイトルから入りましたけど、安心してください、コメディですよ。その昔といっても10年くらい前、「正妹百人斬」という台湾のブログが台湾でバズりました。内容はモテない男の子2人組が、一人が徴兵(台湾では当時一年間の徴兵制があった)に行くことをきっかけにダサい自分を変えたいと思い立ち、そのために街中でありとあらゆる美女に声をかけて、一緒に写真を撮ってもらい、それを1日一枚ブログにアップするという活動を始める、というもの。結果そのブログはバズりまして二人は人気者になるんですが…という話。
当時このブログのニュースを取り上げた日本のネット記事を読みまして、これは面白いと一念発起。その頃知り合った台湾在住のコーディネーターの協力の元で原作者にたどり着き、原作のブログを使わせてもらう約束まではキチンとした、と(上で原作モノなしよ、と言っといていきなりアリですが、こういう経緯ですので見逃してください)。その後色々手は尽くしたんですが、結局うまく動かずほっぽっといてあります。
この企画のいいところは、自分採点で『AWAKE』と同じくらい自信ある脚本が書けてるってとこです。ただ、そもそも完全に台湾の話でなんで日本人が監督やるの?ってところをクリアーしないといけなかったり、あとは今の話としてはルッキズムの問題など孕みかねないので、もう少々練り直さないといけないところもあんのかな、と思ったりします。
『アダルト・ガール/女優行不行』
またぞろ中国語っぽい副題がついてますが、上記の企画で台湾に割と頻繁に訪れていた頃に思いついた企画です。病気による一年間の休業を終えたAV女優が、いざ復帰したところ自分は完全に過去の人となっている現実に直面、何もかも嫌になって誰も自分のことを知らないところに行きたいという思いから台湾の田舎へと逃避行。しかしネット時代、彼女は実は町中の男性にとっては"大スター"だった、というこれまたコメディ。
当時アイドル関係の仕事をいくつかやらせてもらっていた中で、「彼女たちが年を取って今の若さが失われて行ったらどうするの?」と考えていたのと、蒼井そらさんの中国での大ブレイクのニュースなんかを組み合わせて思いつきました。この企画は5〜6年前の台北金馬奨という台湾で最大の映画祭の企画マーケット(応募して選ばれた企画を映画祭側がプッシュしてくれて、いろいろなプロデューサーたちにプレゼンの場を設けてくれる)に選出されてまして、ネタのキャッチーさからその場ではメチャクチャ注目されたんですが、具体化には至らず。
脚本は何度も書き直してるんですが、一応できてはいるものの、7割くらいの出来かなあ、と。前半は自分で読んでもすごい面白いんですけど、後半現地男性とのラブコメっぽくなってきたあたりから、言語が違うのでうまいことやるのが難しいんですよね。
※台湾金馬に出すときにイメージが必要だったので、作ってもらったやつ。「行不行」はそのコーディネーターのノブくん発案なんですが、下ネタとダブルミーニングらしくやたら褒められました。
『ホワイトキャッスル』(仮)
医療モノ、というか病院モノ。題名はちょっと安易ですが、病院モノということで「白い巨塔」にかけてるのと、あとは『Harold & Kumar Go to White Castle』というアメリカの超バカ映画が好きなのでそこから。
着想は、結構前のHBOドラマで『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』という大ヒットシリーズがありまして、これはアメリカのマフィア社会をめちゃめちゃリアルに描写した作品なんですが、それが大好きでそれに似たことを病院を舞台にやったら面白いんじゃないかな、と思ったこと。あとは、従姉妹が一時期看護師をしてたんですが、看護師用語で「ステルベン」というのが「死ぬ」という意味らしく(ドイツ語由来らしい)、例えば「あの患者さんもうすぐステりそう」みたいに業界の隠語として活用してされているということを知り、「そんな台詞ある医療ドラマ観たことなくね?」って思って面白そうだなと思った、なんかで考え始めました。内容的には一応癌の疑いで入院する中年男性(しかし癌ではない)が緩く主人公なんですが、基本的には毎回エピソードの主役が変わる群像劇を狙っています。
一ミリもアテなんかないのにシリーズ物として考えてまして、もうそれこそ10年くらい前に書いた50ページくらいの脚本が今んとこ2本。こないだ読んでも、若干の時代背景のアップデートは必要あれど、まあまあ面白かったんで一応ベンチ残留。そのうち一本はかなり前のフジテレビのヤングシナリオ大賞に出した際に一次は通過してますが、それくらいです。確かにシリアスなので地上波向きじゃないよなーと。
「脳科学ラブコメ」もの
この辺りからどちらかというと大枠で思いついてる、レベルの企画になります。脳科学者の偏屈な男性が、自身の教え子(ただし社会人学生)の女性に恋に落ちるけど、あまりに脳科学を知り過ぎているがために、恋愛感情をただの脳内物質の作用だと思い込み躊躇しまくる、という話。ラブコメっぽいくくりですが、『エターナル・サンシャイン』のような恋愛映画をイメージしてます。
心脳問題というのがありまして、ざっくり言うと「脳の電気信号の結果として感情があるのなら、心に感じることも電気信号に過ぎないのか?脳内の伝達物質の結果なのか?では心とはどこに?」みたいな話と理解してるんですが、それを恋愛物語に無理やり嵌め込んだら面白そうだなーと思って考えついた気がします。
本稿を書くにあたり昔のパソコンをほじくっていたら割とちゃんとしたロングプロット(ただしなぜか舞台は外国になっている)が出てきたのでベンチ復帰。
「AI」モノ
『AWAKE』はモチーフとしてAIを扱いましたけど、AIそのものに関してはそんなにストーリー中で語ってるわけじゃないんですよね。で、『AWAKE』の取材の際にニコニコ超会議にご招待頂きまして、そこでVtuberのライブに熱狂するオーディエンスの様子に感動して考えた、人間とAIの恋愛モノ。超精巧な恋愛シミュレーションゲームにハマり、二次元CG(もしくは三次元?)のAIにゲームだと割り切りつつも恋に落ちた男性が、実はそのAIは「ブレイクスルー」を果たして意思を持っているのでは?という疑問を持つ、というような話です。
プロットは一回書いて脚本も書きかけたのですが、どうやっても『her/世界で一つの彼女』みたいになるよなコレ、という疑念が拭えず、それ以上進めてません。低予算でできそうなので、それこそ何かしらのブレイクスルーがあればもうちょい進めるかも、と。
『雲の上のひと』
父の遺産で膨大な量のマイルを相続した元広告代理店の男が、人間関係に疲れて一年中飛行機と空港近くのホテルで過ごす中で、人生にとって大切なものに気づく話…後半が投げやり。空港が好きで飛行機が好きで一時期マイルをめちゃ貯める活動をしてたときに、「マイルが相続できる」ということを知って思いついた話です。タイトル下手にしてはうまいの思いついた気もする。
『マイレージ、マイライフ』の亜流感があるのと、そもそも日本で空港とかの施設ばかりで映画作るとか無理そうなんで、上記アイデア以外は細かく考えてないのが本音です。でも面白そうだなー、映画ダメでも小説とかにできないかなーとか思う。
「女子高生スパイ」モノ
今書いてるやつでして、構成は一旦できて脚本にしだしてますが、途中で「面白いかコレ?」ってなって止まってます。ホント、加齢のせいかこのあたりの瞬発力減ったよなーと。
ゆるーく元ネタがあるので中身は書けないんですが、じゃあ何?って考えると「女子高生のスパイ物」っていう偏差値5くらいの表現しか出てこない、というのが歯痒い。この先書き切るかは…未定です。
以上、割腹のつもりで書きました今んとこのベンチ入り企画のうち、見せれるやつでした。こう眺めるとやっぱコメディとかドラマっぽいのが多いんで、そういうのが好きなんだろうなーとは思います。
『AWAKE』は10年越しの次回作
ところで、第二回とかでも書きましたが、僕は『ハッピーエンド』という長編映画を山形国際ムービーフェスティバルのスカラシップ作品の権利を受けて、10年くらい前に作っています。10年「くらい」、というのは制作は2008年、上映が2009年〜2010年頃だったのでこう言ってるのですが、これも以前書きましたがちば映画祭という映画祭でこの『ハッピーエンド』を上映してもらっています。その上映日が2010年12月25日なんですね。
ちば映画祭、に関して語り始めると長くなってしまうので色々端折りますが、当時ほとんど文化祭みたいなノリで映画祭をやっていた(けれども謎の映画愛があった)この映画祭の関係者と僕はめっちゃ仲良くなりまして、以降その方々から「次回作を作れ、次回作を作れ」と言われ続けます。ようやく10年、ついに胸を張って「次回作できました」と言えるのは感慨もひとしおです。ちば映画祭のみなさん、ありがとう。大変お待たせしました。
とはいえ、よく聞くのが商業映画デビューまでは簡単ではないがいける人はいける、でも二作目以降を撮れる人はものすごく少ない、みたいな話。絶対そんな統計ないんですけど、経験則でまことしやかに語られてるだけに嫌なリアリティがあります。これは撮影終了後の打ち上げでも少し言ったんですが、『AWAKE』は自分にとっての念願の商業映画デビュー作ですので、「これが最初で最後でも悔いは残さない」覚悟で撮ったとはいうものの、いざ終わってみるとここもうちょっとこうできたなーと思ったり、今度はこういうことを試してみたいな、と思うことは山ほど出てくるわけで…。
この先果たして撮れるのかどうかはまだわかりませんが、たとえ撮れたとしても、僕はずっと次回作の夢を見続けるのではないか、という気がします。
公開が近づいているせいか、湿っぽくなって参りました。次回更新は遂に公開日前日になります!ここで改めて今一度、『AWAKE』の題材である2015年の電王戦FINALに関して、僕の視点からお話しできればと思っています。