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大麻の匂い

ぼくは
ひとり暮らしの高齢の母に会いに
ときどき田舎に帰るようにしている。

「帰ってっも食べるもの無さそうだしな」
スーパーに寄っていくことにした。
時計は、19:46だった。
この時間は、客も少なくていい、知り合いに合わなくてすむ。
エビドリアをカゴに取り、菓子コーナーで立ち止まっていると
店内で、30代のカップルが何かを探している様子が見えた。
女性の方が、ぼくの後ろを通り過ぎてレジの人に話しかけている。
空気がレジの方へ動いた後、スモーキーな悪臭が鼻をさし
「気持ちが悪…い」
ぼくの中の父の記憶が一気にレコードされた。

アイツらは悪臭を公然と漂わせながら平然と暮している。
なんだか父の事が気の毒に思えてきた。
あの時なぜ、父だけ逮捕されなくては
ならなかったのだろうか?

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