天空の城にあこがれて
僕の頭の上には、いつも天空の城が小さく見えている。
人生駆け出しの小学生時代。母親に「波乱万丈な人生を送りたい」と語った私。母親は心配そうに「波乱万丈の意味、知ってるの?」と聞いていた。それから30数年が経ち、お望み通りの波乱万丈な人生を送っている。
空き巣に2回も入られた10代。平成の時代に栄養失調になった20代。左遷された30代。大きな事件が起きるたびにルーキー時代の私をうらんだ。いつでも今より明日はきっと良くなると思い生きてきた。
結婚をあきらめかけた35歳で結婚。子供を諦めかけた39歳で不妊治療の末に子供を授かり、出世を諦めた40歳で部長代行職を拝命。波乱万丈のうねりの中で家族ができ、部下ができ、少しずつ人生が上向いてきたが、波乱万丈の呪いはいつ発動するかわからない。
40歳になった僕の頭の上にも、まだ天空の城が小さく見えている。
そこに行けば不安のない人生を送れるのではないかと願っている。いつかそこにたどり着きたいと思い、僕は人生をあがいている。近づくたびに、遠くなる天空の城にたどりつくまで、私は天空の城にあこがれて上を向いて生きていく。
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