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台湾に行きたい。

コロナで外出自粛が始まった時、ワタシは妹に「コロナが収束したら、台南に行こう」と言っていた。7月、もしくは8月くらいには終わると思っていたからだ。全然、終わってないけど。

そもそも無職の癖に旅行とか、何事かって感じだが、旅費だけは別に毎月貯めていたので問題ない。台湾に行くくらいならどうにかなる。多分。

台湾に初めて行ったのは、9年前の事だった。正直、それまでは台湾に興味も関心もなかった。というか、台湾があるという事すら忘れていたくらいだ。なんだったら、知らなかったのかも知れない。(?)そんなワタシが台湾を知るきっかけになったのは、当時追っかけていた某韓国人アイドルグループだった。そのグループが台湾でライブをする。ということを聞きつけ、即座に、台湾に行こう!と考えた。

これ、そんなに難しいことじゃなさそうなのだが、ワタシというのは元来、異常なまでの引っ込み思案で、行動を起こすより先に色々考えてしまう質のため、勢いで何かする様な人間じゃない。ライブのチケットを取る方法も知らないし、旅行って言えば旅行会社に頼むくらいしか出来ない、そんなワタシが、よし!台湾行こう!となったのは、ヘレンケラーが「ウォーター」と言ったくらいには奇跡だ。

アクティブに動き回るワタシに家族は感動すらしていた。

知人の力も借りつつ、ライブチケットを手に入れ、航空券も宿も自力で確保したワタシは、台湾へと飛んだ。久しぶりの海外旅行ということもあったし、初めてのアジアという事もあり、台湾は物凄く新鮮で面白く、楽しかった。

因みに韓国人アイドルグループだけに、韓国へも二度ほど行ったが、一時間半と近いということや、食べ物が日本で食べてもそう変わらないこと、ついでに、ちょっと嫌な思いをした事もあり、全くハマらなかった。この二回も、ライブがあったから行った。という程度の話しだった。あ、カンジャンケジャンだけは、また食べたい。日本で食べると高いが、現地だと二千円ほどで定食を食べられた。

韓国とは違い、台湾へは毎年行くようになったワタシは、行く前にやたらとGoogleマップで散策しまくるので、地図がなくてもなんとなく大体のとこに行けるまでになっている。

台湾はひと昔前の昭和っぽい日本を感じる事ができ、どこか懐かしい感じがするのだ。

今時、日本では店の軒先からアン・ルイスのグッバイマイラブが聞こえてくる事はないのだが、台湾ではまだ、かろうじてある。朝市で買ったおにぎりを食べながら、それを聴いた時の感慨ったらなかった。そもそもワタシは平成よりの昭和生まれで、アン・ルイスの世代でもないが、あまりの懐かしい光景に、おにぎりが喉に詰まりそうだった。

人に聞いた話しだが、この懐かしいという感覚は、その時代を体験していない人でも感じるものらしい。いや、ホントかウソかは知らないけど。ホントであれば、ワタシがグッバイマイラブの聞こえる朝の町を懐かしいと思ったのは、そういうことなんだろうと思う。

とにかく、昭和の雰囲気を残した町並みや空気感がワタシは好きなのだ。保守的な人間である為、一回行った場所に何回も行くワタシは、台北ばっかりだったのだが、もうそろそろ、台北はいいか。と、三年前、台南に行くことにした。

結論から言うと、台南の方が更に昭和っぽい感じがした。田舎だからだろうか。いや田舎って言っても台北よりはって言うだけで、駅前は結構な人の量だし、ビルも建っている。が、高速が街中を走ってるわけでもないし、ビルもそこまで高くないので、台北より空が広いというイメージだ。

台南で気をつけないといけないのは、タクシーがビビるほど走ってないということだ。台北なら手をあげたらすぐ捕まるタクシーが、台南ではそもそもあまり見かけない為、もう疲れたしタクシー乗ろうぜとかいう事ができない。それに加えて、台北のようにMRTがないので、電車で移動も出来ない。そんな時に便利だったのが、セブンイレブンの機械でタクシーを呼べるシステムだった。タクシー呼んでセブンイレブンを出た途端、タクシーが二台ほど走り去っていくのを見た時はショックだったが、このシステムは便利なので日本でもやればいい。

ともかく、台南はのんびりしていたし、食べ物も美味しくて台北よりも物価が安くていい。特に、サバヒーは美味しいので食べて欲しいと思う。脂が乗りすぎで、脂を飲んでるみたいだったが、とにかく美味しかった。

台南の思い出といえば、天空の城ラピュタみたいな、塩工場を侵食するガジュマルが有名なあれだとか、林百貨店だとか、凄い恋愛の神がいる廊だとか色々あるのだが、実は一番印象深いのは洗濯屋さんだ。コインランドリーだと思っていたので、パンツ(下着の方)やらシャツやらを持って行ったら、店番のおばあちゃんが洗濯機に入れて乾燥して畳みまでしてくれるという、システムだった。おばあちゃんだし、パンツ入れっぱでもいいか。と、パンツを入れっぱでお願いしたのだが、仕上がり時間に取りに行ったら、おじいちゃんに代わっていた。おじいちゃんはパンツに戸惑い、どうするか迷っていた様だった。

おじいちゃんも恥ずかしいだろうが、ワタシはもっと恥ずかしかった。いらん恥をかいた事が、一番印象に残っている。

ところで、日本の洗濯洗剤がいかに優秀かということを、知っているひとはどれくらいいるのだろうか。洗濯屋さんで、洗濯してもらった麻混のシャツがあったのだが、ホテルへ持って帰って驚いた。めちゃくちゃ毛羽立っていたのだ。毛羽立ちすぎて、洗う前より汚れている様に見えたくらいだ。家で洗濯しても、毛羽立つことなんて一回もなかったのに。そう思うと、日本の洗濯は物凄く優秀なのだな。という発見があった。

台南には何時ごろ行けるだろうか?今年は難しいかも知れない。

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台南の市場で見かけた看板犬のチャウチャウ↑

めちゃくちゃ可愛かった。


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