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【ゲートルーラー】長編:ゲートルーラー、インフレの歴史【1~2弾編】

どうも、山田です。
今回から長編記事を書いていこうと思います。何回かに分けていこうと思いますが相変わらず気分が向いた時に書くので、更新が遅くなっても「まっ、いいか」で済ませて頂ければ今後ものびのびと記事を書くことが出来るのでよろしくお願いします。
それでは、早速行きましょう。

1弾環境

メタゲーム

ゲートルーラーというゲームにおいて実は1番カードのパワーバランス、環境のバランスがちゃんとしていたのがこの1弾だったと思います。
1弾では主に強カードが最初にゲームを支配し、その対策が取られる環境の回り方をしていた、と記憶しています。
その強いカード代表こそが

「巨骸装甲 ガシャドクロ」
ATK7の貫通
ODで2枚のソウルガードを獲得

ATK7貫通と2枚のソウルガードを持つ単純なパワカ「ガシャ」でした。
ガシャは1枚のカードで取るのは難しく、引けば勝ち!引かれたら負け!くらいの勢いがあったと思います。守備にガシャを置いたら実質EXターンを取ったようなもので、ルーラーとユニット2体が頑張ってガシャを殴って取ろうとする姿が各地で目撃されたと思います。このカードは間違いなく、今でも通用するパワカです。

バニーラ
ばにーら

そしてLv1でありながらHP4かつSTK2で殴りこむ「100式戦車」や「ターレット・タートル」のミリタリー組をアタッカーに据えた「赤青ミリタリー」が強かったです。当時は大型でSTK3以上のアタッカーを出すよりSTK2のアタッカーを並べて殴る戦略が主流な戦術でした。その方がコスパが良かったからですね。
また、STK2のアタッカーの中で異才を放っていたのが

Lv0にしてHP3,STK2は未だにこいつだけ

この「ゆきんこ」です。怪異属性しか持っていない分がHPステータスに振られているためスタッツだけで言うと今でもあり得ないほどのコストパフォーマンスをしています。

謎戦士によってHPが下がった男

同じ赤に居た「迅雷」は同じくSTKは2でしたがHPも2であるため下級に取られたり当時最強の汎用カードであった「ブラスターキャノン」(後述)に取られたりしてしまいました。

主に上記のようなLvが低くSTKが高いカードによって打点を稼ぎ、

CNT:これをプレイする
敵ユニット1体以上を選び6点割り振り
(当時最強のCNT)
CNT:これをプレイする
敵ユニット1体に4点
宇宙アーサーが居ればそのユニットを破壊
(上記100式戦車やターレットを取れるカード)
CNT:これをプレイする
敵ユニット1体に3点
(Lv1で扱いやすく、ゆきんこまで除去可能)

相手の守備は優秀な除去札で除去する「赤桃アプレンティス」は当時最強のデッキでした。この赤桃アプレンティスは他にも

CNT:これをプレイする
選択型能力
・相手に1点
・敵ユニット1体に2点
(何より"腐らない"ことが強いカード、とりあえず顔面叩き込めばいいからね)

打点にも除去にもなりながらLv1で優秀な「ブラスターキャノン」や

CNT:これのODを使う
Lv2以下の敵ユニット1体のコントロールを得る
(当時は協力な受け札にして攻撃札)
CNT:ODを使う
ODでLv1以下の敵ユニットのコントロールを奪える
そうした時に相手にこのユニットを渡す
(こういった2枚は環境的に奪えるユニットが多かった)

当時のユニットのLvラインが低いことによって「侵略大帝」や「リクルーター」のようなカードのCNTも活きやすい環境にありとても強力でした。

では、次はトップシェアだったこの赤桃アプレンティスにあったとあるバグムーブを解説しておこうと思います。

バグムーブ「即時パッカー」

ゲートルーラーでは最初の環境からこんなバグムーブが存在していました。

通常:[場の自分のカード1枚を破壊する]
これをダメージから通常召喚し、自分は1ダメ受ける

即時パッカーはこの「太陽系バックパッカー」を用いたコンボで、条件は単純に、ダメージにパッカー、セットゾーンに即時タイミングで使用可能なイベント(先ほど出したZAPやエックスカリバー等)だけです。
・パッカーのコストでセットされたイベントを選ぶ

・セットされたイベントが破壊される

・パッカーが出てくる

・当時は”破壊にゲートを組むことが出来た”ので、破壊されたイベントを即時で撃つことが出来る。

という流れです。このムーブが単純にしてとても強く、更にパッカーが出た後には1ダメージを受けるため、そこでまたCNT持ちのイベントが捲れようものなら2枚から相手の盤面を荒らしまくり、更に無から4/4/1のユニットが生えてくるワケです。更にパッカーの効果にはターン1制限が付いてないため、ある分だけこの動きが出来ます(召喚権も存在しないため)。そもそもパッカーのコストにパッカーを選ぶことも出来るため、ダメージのパッカーの枚数分ダメージの抽選だけを行うことも出来ました。

ODで自分、相手の場のカード1枚ずつを破壊
これに戦闘ダメージが与えられると敵ユニット1体に同じダメージ

ちなみに何回も抽選したりするパッカーには劣りますが、このカミガカリでも自分のセットカードをコストに選び、そのカードを即時で使うことが出来ました。こちらもこちらで当時のゲートルーラーには数少ない確定除去札であったので、大型の破壊、セット割り、ガシャのソウル剥がし等かなり活躍しました。勿論というかなんというか、後にルールの方で「破壊にゲートを積むことが出来なくなった」ため、このムーブは無くなりました。
これらのムーブを持つ赤桃アプレンティスに押されながらも、赤桃ミリタリー軸のナイトも活躍したり黄桃創生召喚や青桃OWLなども居たり(今回は省略)と1弾はなんやかんや纏まったバランスで環境は進んでいたワケです。


まあ、それも4月に終わりを迎えるんですがね。


2弾環境

インフレの始まり

2弾発売後、ゾンビストラクがデッキレベル52でアプで使うとジャッジキルとか、竜王ストラクは黄金剣が1枚しか収録されず公式が苦し紛れの言い訳をしたとか色々ありましたが、ゲーム環境でも大きな変化がありました。

攻撃時、1ドライブ

そう、知ってる人も多いであろう「ダルマゲドン」ですね。
このカードの登場が、ゲートルーラーのインフレの始まりであり、終わりの始まりでもありました…。

そう、「赤桃ダルマアプ」の登場ですね。

だいたい当時の参考リスト
左下のナゾ猫は「空飛ぶスパゲッティ・モンスター」です

まあデッキリスト出しても分かるモンじゃないので、このデッキの恐ろしさと何がインフレしてるのかを解説していこうかと思います。
ここからが本番だ。

ダルマゲドン

さっきみた

このカード、能力は一つ、攻撃時に1ドライブするだけなのですが、良くない要素が多分に含まれてるから黒歴史に名を連ねるほどになりました。
まず、ドライブする、と簡単に言いますが、アプレンティスはドライブしたカードは勿論ノーコストで使用可能になるため、ナイトの1ドローとはワケが違います。
そもそも、アプレンティスというル―ラーは1ターンに2枚のカードのみで戦うことを強要されるからこそノーコストかつ召喚権不要だったワケなのですが、このカードが簡単にドライブを行うようになってその根底は覆ってしまいました。そして、このカードの最大の問題は「HPが5」あることにあります。大まかな理由としては、

・ルーラーのATKはバーサーカー以外4以下なので1発で取れない
・ダルマもATK4なのでミラーの時に取れない(つまり先行有利)
・除去イベントに関してもダルマを取れるものは主にレジェンド以外にはLv3以上しかない

と、ダルマのHPが4か5かではここまで大きな違いが生まれてしまうのです。ナイトはダルマの除去に3コストを支払わされ、ダルマは攻撃時に確実に1アド稼いでいるため、ナイト系のルーラーはこのダルマ1枚で越えることの出来ない差を見せつけられていました。

そこにトドメを刺したのが次のカード群です。

破間、呼ぶ子、そして”ダニー”

ODでデッキトップがセット出来るカードならセット(任意)
破間と同じ
破間とおな…あれ?

いわゆる「あぶ呼ぶダニー」と言われていた3枚です。能力はどれも同じでODでデッキトップがセット出来るならセットします。
単純だし運ゲーじゃんと思う人もいるかもしれませんが(そもそもアプが運ゲーだが)、先ほど出した参考リストには”23枚”のセット可能なカードが入っています。人によってはもっと入ってた人もいるかもしれませんし、このカードらでセット可能なカードを捲るのはそんなに難しいことではありませんでした。

ところで先ほど、ダルマの項でHP5が如何に取りづらいかを話しましたね。

?????????????

なんで?
…とまあ、ダニーだけ何故かHPが5ありました。
そしてHP以外が0なので心置きなく守備に置けます。
ダルマが殴ってアドを取り、ルーラーでも1発で取れないダニーで守る、当時の最強盤面でした。

でもなんやかんやHP5ならユニット2体とかユニット+イベントで取れるでしょ。と思う方もいると思います。が、それでどうにかなるなら終わりの始まりとか大それたことは言いません。
そして、そもそもこのあぶ呼ぶダニーから何をセットしたのかを解説してませんのでそれの解説に移ろうかなと思います。

イベントカード

主に採用された3種の神器がこれでした。

CNT:これを墓地に置く
”即時”
ルーラーかユニット1体が次に受けるダメージを0にする
(つまり除去にゲートを積めるので腐りにくい)
ルーラーが受ける戦闘ダメージを0にする
(コスト0にして最強の受け札、べアリアとの格差社会)
CNT:相手ルーラーか敵ユニット1体をレスト
ルーラーが受けるダメージを2軽減する
(竜王ストラクはケイブ以外価値無しとか言われてた)

当時「天魔エーテルケイブ」と言われていた3枚です。
どれも「ルーラーへの戦闘ダメージを軽減する効果」を持っています。
僕がその中で一番強力だと感じたのは「天魔伏滅」でした。
というのも、このカードは即時タイミングで使用可能なため、相手の除去にゲートを組んで撃つことで除去をスカしながらダメージ耐性を付与することが出来ます。そしてルーラーだけではなくユニットへのダメージも防げるため、ダルマやダニーを1発で取れるユニットの攻撃をこのカードで防ぐことが出来ます。状況に応じて使えるのがとても強力であり、1コスト上でCNT枠を消費しない「方違え」まで採用してダルマダニーを守るのがとても強力でした。

天魔と同じように見えるが、こちらは即時で撃てない

また、守ってばかりではなく攻めの面でも強力なカードを採用しており

CNT:これをプレイする
守備ゾーンか警戒持ちの敵ユニット1体を破壊する

守備を確実にこじ開ける「ダイジン斬」や、

CNT:墓地とダメージを1枚ずつ入れ替え
ダメージのカード1枚をコストを支払わずプレイする

ダメージに落ちたダルマをそのままプレイ可能な「シュレ猫」等の攻めに関しても万全でした。

そして何より、ここまで紹介してきたイベントは全て、ダルマやあぶ呼ぶダニーで引っ張ってこれるため1ターンに稼ぐアドの量が尋常ではなく、ちまちまエナジーを払ってカードを出すナイト系ルーラーにはなすすべもありませんでした。
赤桃ダルマアプは先行1ターン目の最上振れムーブとして

ダルマ+あぶ呼ぶダニーのどれかをドライブ(+2)

あぶ呼ぶダニーのODでセット(+1)

ダルマ攻撃1ドライブ(+1)

ドライブがあぶ呼ぶダニーならODでもう1回セット(+1)

これで先行にして5枚のカードを触ることが出来ます。
ナイトは当時手札2枚スタートで後攻なら2ドローで4枚スタートだと考えると、アプは2枚しか使えないから許されていたのに、いつの間にかナイトよりも初動で使用できるカードの枚数が多くなっているワケですね。

こんな環境でナイト系が勝てるワケもなく、環境は赤桃ダルマアプの1強となっていきます。

その他採用カード

そして赤桃アプの中でも環境というのは変化していくもので、

1弾ではHP2でSTK1と弱かったが2弾ではATK5が”人権”となった

ダニーやダルマを1発で取れてかつLv0でコスパが良い「ジョー」、

ガシャは2弾でも最強

ATKに比重が置かれイベントによる除去が少なくなったことで相対的に、ただ強いカードから最強格のカードになった「ガシャ」、

選択型能力
・セット1枚破壊
・エナジー1枚レスト
(ちなみにエナジーレストのせいでナイトは死体蹴りされた)

ルール上選択型能力は「効果解決時にどちらの能力を使用するか選択する」ため、天魔をゲートに乗せられても別のセットカードを破壊できるためミラーに強い「オオマガツヒ」等、
赤桃ダルマアプであることは最早前提条件、ダルマにあらずんば人にあらずの環境でメタが回っていきました。

3弾先行プロモカード

5月下旬、とあるキャンペーンが始まりました。
「1000円以上購入でPRカードをゲット!キャンペーン!」です。
ここで登場したプロモカード2枚はどちらも環境に食い込む性能をしていました。性能を見ていきましょう。

自分が攻撃された時に使える
その戦闘ダメージを0にする

1枚目がこの「シールドウォール」です。
能力としては汎用防御札なんですが、黄色には元々

CNT:これを墓地に置く
が付いただけ

無料体験デッキの「べアリア」がありました。しかし、CNT枠を消費するため他のカードを採用した方が良いと言われて抜けることがほとんどでした。
しかし、シールドウォールはCNTが無くなっただけでそのままべアリアと同じテキストだったので気兼ねなく防御札として採用することが出来ます。
黄の入るデッキを構築するのならほぼ入れるくらいのパワーはあったかと思います。

CNT:これをフィールドゾーンに置く
お互い回復以外の方法でダメージゾーンのカードを他のゾーンに移せない
通常[ターン1]:[これを墓地に置く]
自分の墓地からLv0以下のユニット1体を選び特殊召喚

2枚目がこちら、本命のカード「灯篭」です。
このカードの登場により1か月以上動かなかった赤桃ダルマ…いや、正確に言うと「赤桃猫ダルマ」環境は動きました。
というのも、この灯篭の1つ目の効果である「ダメージのカード移動させる効果」は猫ダルマの「猫」の部分を完全にメタっていました。

「シュレ猫」と呼ばれた最強カード

それが先ほどチラっと見せました、この「シュレ猫」ですね。
このカードはイベントであるのであぶ呼ぶダニーでセット出来ることは勿論なのですが、効果が非常に強力でダメージに落ちたダルマをプレイしつつ実質1回復することが出来ました。
また、2枚目以降のこのカードのCNT等でこのシュレ猫をダメージに移動させ、シュレ猫からシュレ猫を唱える動きをすることで実質的に回復量を増やす動きも存在しました。(通称:シュレ猫連鎖)

と、話がそれたので戻しますが、灯篭の1つ目の効果はシュレ猫のCNT、通常時効果の両方をメタっていました。ただそれだけならこの灯篭流しはただのメタカードとして猫ダルマをけん制するカードの立ち位置だったでしょう。
しかし、このカードの強さは2つ目の効果にもあります。
それが「墓地のLv0以下1体蘇生」です。
先ほど解説しましたが、赤桃ダルマには居ましたね?最強のLv0が。

「ダニーのHPは5!」

そう、ダニーですね。苦労して突破したこいつがまた守備に生えてきます。
そして天魔で守られます。
また、このダニーを一撃で破壊出来るジョーもLv0だったワケで。

マジで当時のこいつ人権

この効果が単純ながらめちゃくちゃ強力な上についでにシュレ猫をメタれ、お互いにかかる効果だから灯篭入れるならシュレ猫を入れてもベストパフォーマンスで使えない可能性が高い、そういった理由でシュレ猫は灯篭流しに枠を交換していきました。

大体当時の参考リスト
Lv枠に余裕が出来てそこに個性が現れるようになった。
このリストでは「スパモン」を取れる「グランメッサー」だが
後に先ほど解説した「オオマガツヒ」も採用されるようになった。

これが赤桃ダルマの大きな変化、「猫ダルマ」から「灯篭ダルマ」に移り変わったのです。

…とまあ環境変化の話のように語ってきましたが、ここで一つ思い出して欲しいことがあります。この「シールドウォール」と「灯篭流し」、どうやったら手に入りましたか?

はい邪悪

そう、「1000円以上購入」で手に入りました。しかもURL飛んだらすぐに分かるんですが、これ1000円につき1枚です。2種類同時にとか貰えません。
つまるところこのシールドウォールと灯篭の価値は実質1000円です。そしてもちろん両方とも4枚持っておくくらい必須カードだったので需要も高かったワケですね。赤桃灯篭ダルマには追加で4000円分ゲートルーラーの購入が必要になると。流石、当時の大会参加費3000円のカードゲームですよ。
人が増えるワケねーだろ。

余談ですが当時池っち店長はこのリストの黄赤ナイトでダルママガツに勝ち越していたらしいです。凄いね。僕このリストで勝てる気しないよ。
そして、当然のように灯篭シールドウォール両方4積みです。開発者特権使ってんじゃねーよ。光物LEG2枚だけ!と思った人にはとんでもない落とし穴だったと…。

といったところで第2弾環境は3か月ほど続き、次なる環境は3弾…ではなく、とあるルーラーがPDFで配布された”2.5”弾環境が幕を開けるのでした。

coming soon…

最後に

如何でしたか。環境を軽く掘り返していきましたが、1~2 Bulletでは
「う~ん、ダルマのHPは5!」以外めちゃくちゃ大きなカードパワーインフレはありませんでした。匙加減を間違えると、すぐに崩壊するのがカードゲームなんだなと学べるいい機会になりましたね。
しかしここからが本番、というか1,2弾をまとめたのは最早前座みたいなもので、ここからゲートルーラーは大きくインフレしていくことになります。次回「【ゲートルーラー】長編:ゲートルーラー、インフレの歴史【2.5弾編】」でお会いしましょう。それでは最後に、

ゲートルーラー、GO!

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