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湖と森、サウナと極寒、幸福を求めてフィンランド紀行1
フィンランドに行きたいと初めて思ったのはいつだったか。コミカレで建築の勉強をして北欧デザインのシンプルかつ洗練された雰囲気に惹かれたからか。ある時友達に勧められた北欧の幸福の価値観と文化の本を読んで目覚めを経験したからか。或いはサウナ文化に侵されたミーハー心が自我を乗っ取ってフィンランドに回帰しようとしているのか。サーモンがうまいからなのか。ムーミンがかわいいからなのか。ていうかムーミンってなんなんだ、あいつらなんの生き物なんだ…?うーんわかんねえ…
人生のどっかでいつか絶対にフィンランドに行ってやると思い立った。静かな湖の近くで森を散歩しながら朝を迎えたい。そんな生活に憧れて、英語すらまだまだなのにフィンランド語を勉強し始めて、フィンランド文化を深めるようになった。
28の誕生日。30手前、一旦自分の慣れた環境から1人離れて自分のことや将来のことを考えながら、異国ならではの経験をスマートにこなすクールな大人の旅をしようとヘルシンキへ。生まれ育った日本から出て、アメリカ以外の国に足を踏み入れるのは初めてなんだよな。
航路はデンバー→シカゴ→ロンドン→ヘルシンキ。17時間。旅は始まりから雲行きが怪しかった。前日にチェックインを済ませようと思ったけど何度やってもエラー。とりあえず空港まで行ってカウンターで聞いたらシカゴ発の便が遅延してロンドンーヘルシンキ便のコネクションが20分しかなくなっていた。イミグレとかあるよな…どうなんのよ一体。
カウンターではブリティッシュ航空のことはわからんから自分で電話で聞いてって言われて、ダイヤルを回すとインド系のやつが応答してくれて「遅延なんてないけど何が問題やねん」とか言い始めた。イラつきながらメールのことを伝えるとヘラヘラしながら、「遅延したならそのままロンドンまで行ってカウンターで聞いたらチケットくれるんじゃね?」みたいなことを言われた。確かにそれはそうかもな。気づけばまだTSAすら超えてないのにゲートが閉まるまで15分切ってたから急いで電話を切ってダッシュでゲートに向かった。
息を切らしながらゲートに着くとクソデカアラブ人がヘラヘラしながら「オメーが最後だな!ハッハッハ!」って話しかけてきた。ラッキー間に合ったぜ!
陽気でいいやつそうだから「どこ行くん?」って聞くと、CU(僕と同じ大学)をこの前卒業して、サウジアラビアに帰るとこだった。帰国なのに僕の前とかギリギリにいるんじゃないよ全く。するとさらに後ろからイケてるアメリカ人が「あ、オレもこの前CU卒業して今からシカゴに帰るんだよね」って会話に参加してきた。なんなんだCUの生徒。ギリギリで生き過ぎでしょ。そんな先輩2人とは「良い旅を」と別れて、無事に席に着いた。
シカゴのO’Hare空港では何故か同じ大学の友達の台湾人と遭遇した。友達とシカゴに遊びにきて、友達の到着をまってるとのこと。そいつとも「良い旅を」と別れた。
ロンドンに着くと、ゲートを抜けたところで遅延で飛行機を逃した人用のチケットをくれた。予定より4時間遅れ。初日はなんもできないなこれは。
イミグレも日本のパスポートがあるから顔認証のみ。日本人であることに感謝。充電がなかったからコンセントを刺そうとしたら、形が違って充電出来なかった。EU圏のきしょい形のやつコンセントなんて無いよ。しょうがないからタイプCのプラグを探してHeatheow空港を歩き回っていると、寿司屋でターバン巻いた奴らが働いていたから全然腹も減ってなかったけどオモロって思って入ってしまった。持ち帰りを選択してゲート前で寿司を食べてると、何故か大量に鼻血が出てきて席の周りが血だらけになってしまった。周りの人が紙をくれたり助けてくれてめっちゃ優しかった。あとみんなめっちゃブリティッシュアクセントでハリーポッターの世界みたい!って思った。
飛行機ではお腹いっぱいですぐに寝てしまった。
起きると窓の外にはスキャンディナビア半島が見えていた。まだ着いても無いけどトラブル続きなトラベル。ついに見えてきたぜフィンランド!どんな旅になるのか楽しみだな!
To be continued…