「マスタリングとミキシング」セルフMixしたい人が読む記事(9)
Mixは原曲などのリファレンスを利用し聴きやすい音を目指します。しかし、リファレンスはあくまでリファレンスであることを忘れてはいけません。
例えば歌い手の良いところがあり、原曲はその良さをなくす必要があった場合、歌い手の良さを残した方がリファレンスには近づきませんが聴きやすい音になりやすいなどです。
マスタリングと何が違うのか
Mixとマスタリングは表裏一体でどこからどこまでがMixでマスタリングなのかという明確な境界線はありません。一般的にマスタリングエンジニアが行うマスタリングは「あらゆる環境において同じ聴こえ方をするように調整する」ということです。「同じ音源を再生すればどれも同じ音なのではないか」というと違います。
大きな会場は2つのスピーカーと1つのウーファー
マスタリングの作業が一番イメージしやすいのは音源が再生される場所が大きいか小さいかです。家庭用スピーカーは左右にスピーカー、その上に小さなウーファーが1個搭載されています。ウーファーは低音を再生するものです。ウーファーからはモノラル音源が再生され、スピーカーからはステレオ音源が再生されることで広がりと芯のある豊かな音が生まれるわけです。
大きな会場ではスピーカーは2個、ウーファーが1個です。これはライブに行ったことがある人なら想像しやすいですがとてつもなく大きいスピーカーです。そしてウーファーはモノラル音源なので2つ必要ありません。
スピーカーやウーファーの前に立つと音が聞こえなくても髪が揺れ、体の芯にズシンとくる音を感じることができます。
もし家庭用で再生される音をこのような大きな会場で流すとどうなるか。それはしょぼい音がします。低音が感じられない場合です。逆に低音しか聞こえないとゴーゴーうるさいだけです。
マスタリングはこうした環境の違いにとらわれる事なく、聴き手に音を届ける作業と言えます。
Mixはマスタリングに至るために必要
Mixはリファレンスを頼りに聴きやすい音を目指します。マスタリングはその音をどんな環境でもより良い状態で届けることです。Mixのクオリティはマスタリングに影響し、マスタリングで解決しない問題が発生した時はMixに問題があります。
実作業ではMixとマスタリングを何度も行う必要があります。
マスタリングの解釈は他にもあり「マスターにインサートするプラグインを使えばマスタリング」としたり「音圧を上げること」であったり人によってまちまちです。この手の話をするときは「そのマスタリングの解釈は〜であってる?」という枕詞を忘れないようにしましょう。
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