コンクリート・ユートピア ネタバレ感想
ども、山田です。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
さて、新年早々話題作が公開されていますね。
「エクスペンダブルズ ニューブラッド」「アクアマン」「ゴールデンカムイ」「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」など、目白押しです。
そんな新年1発目の作品はこちらにしました。
【作品概要】
コンクリート・ユートピア
監督 オム・テファ
脚本
出演 イ・ビョンホン(ヨンタク 902の住人)
パク・ソジュン(ミンソン 602の住人)
パク・ボヨン(ミョンファ 602の住人)
キム・ソニャン(グメ 207の住人で婦人会長)
パク・ジフ(ヘニョン 903の住人)
上映時間 130分
あらすじ
世界各地で起こった地盤隆起による大災害で一瞬にして壊滅したソウル。
唯一崩落を逃れたファングンアパートには、居住者以外の生存者たちが押し寄せていた。救助隊が現れる気配は一向になく、街中であらゆる犯罪が横行し、マンション内でも不法侵入や殺傷、放火が起こりはじめる。危機感を抱いた住人たちは、生きるために主導者を決め、住人以外を遮断しマンション内を統制することに。臨時代表となったのは、902号室のヨンタク。職業不明で頼りなかったその男は、危険を顧みず放火された一室の消火にあたった姿勢を買われたのだった。
安全で平和な“ユートピア”になるにつれ、権勢を振るうヨンタクの狂気が浮かび上がる。そんなヨンタクに防衛隊長として指名されたのは、602号室のミンソン(パク・ソジュン)だ。妻のミョンファ(パク・ボヨン)はヨンタクに心服するミンソンに不安を覚え、閉鎖的で異様な環境に安堵しながら暮らす住民たちを傍目でみながら生活をしていた。
生存危機が続くなか、ヨンタクの支配力が強まったとき、予期せぬ争いが生じる。そこで目にしたのは、その男の本当の姿だった………。
※公式HPより引用
【感想】日本でも起こりえる災害パニックスリラー
地盤隆起というなかなか馴染みがない災害で、1棟のマンション以外すべてが倒壊したというぶっ飛んだ設定なものの、そこに住んでいて無事だった住人と、すべてを失った人々の醜い争いが繰り広げられるわけですが、これって今まさに日本でも起こるかもしれない現象なんですよね。災害によってライフラインが断たれ、行政は機能せず、住民たち独自の判断で生活を余儀なくされる。
ただし、そこは共同生活を余儀なくされるマンションであり、住民の住民による住民の為のコミュニティを作って身を守っていきます。
で、住民投票で選ばれたのが偶然にも直前で火災を食い止める勇気ある行動を称賛された902の住人だったわけです。
その時の行動で不本意にもリーダーが決まってしまう。よくある話ですよね~。リーダーも選ばれたからにはもちろん頑張るわけです。結果もそこそこ出ます。最初のうちは。
あくまで民主主義、全員が同じ方向を向いているわけではないのでほころびが出てくるとあっという間に瓦解するのです。
【感想】きれいごとでは済まされない異常地帯
ミョンファは看護師という職業もあり人の死に繋がる行為を望みません。外の住人をかくまうことに協力するし夫のミンソンが襲われて反撃しても殺してはいけないと身体を張って止めに入ります。
そんなミョンファが劇中、ある住人の秘密を暴きます。それはマンションのルールを根底から覆すもので、それによってミョンファはマンションの平穏を望んだんでしょうが結果としてマンションの崩壊を招き、協力者は復讐されミンソンは重傷を負ってしまうのです。
平穏な世界では当たり前な意識も緊張状態ではなんら意味を持たないし更なる悲劇に繋がることをいやというほどにわからせてきます。
【総評】この作品があえて伏せたこと
災害パニック映画でよくあるエピソードながら、今作で描かれなかった話がありまして、それは女性が襲われないという点です。
ありがちな話ですと、配給を求めて自ら売り込んだり、浮浪者を泊める代わりに求めたり、もしくは遠征中に外部の女性を襲ったり…
割とよくある話だと思うんですけどね。この作品、食と住の欲望はすさまじいんですけど性欲だけ欠けてるんですよね。
そのせいでリアリティに欠けるといいますか、ちょっと残念でした。
総じて、75点の作品でした。
イ・ビョンホンの狂気は鬼気迫るものがありました。
マンションを守りたい気持ちは本当だったんだと思います。
まだ1作しか観ていないのですが、現時点ぶっちぎりで今年ナンバー1の作品です。笑
ではまた。