愚者のホームレス実態調査 六

 しかし流石に無収入状態なので、あんまり金は使いたくない。
 そもそも、愚者がホームレス経験をしてみた所で、それでどんな面白い事が書けるというのか。そんなもの、いつものお得意の空回り行動に過ぎない。勝算があるならやってもいいが、現状、勝算なんて無い。
 本当は、各ボランティア団体がしている炊き出しを、どんどん食いに行きたいところだけど、しかし、そのためには毎回都内までの往復の交通費——二千円くらいの出費が必要になる。無収入の今は、出費を極力避けたい状況だ。もっと金があればやれるが、今は金が無いので、そこまでやるのは難しい。
 と、情けない事に、言い訳ばかりをしている。なんとも根性無しである。
 そもそもホームレスのように外で寝るとか、流石に怖い。そんな事すると、不良とか酔っ払いとかから、なんかされるのではないか。頭のおかしい犯罪者から、殺されてしまうのではないか。色々と怖いので、外で寝るのは難しい。
 しかし、色々と経験すれば、色々とアイデアが生まれるのではないか。今回は、国会図書館を経験した事で、今まで出なかったようなアイデアが、色々と生まれるかもしれない。
 二十時二十分。立川駅で、青梅行きに乗り換えた。
 今ならスーパーの惣菜は半額だろう。しかしもう時間が遅すぎるので、既に美味いものは全部売り切れているだろう。

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