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大河ドラマ『どうする家康』第27回「安土城の決闘」の感想

「本能寺の変」のマストは、
①「本能寺の変」の動機
②明智光秀の「敵は本能寺にあり」
③織田信長の「是非に及ばず」と「敦盛」の舞
でしょう。
『どうする家康』ではどう描かれるか楽しみです。


オープニングアニメは「3匹の真鯉」でした。
 大きい真鯉はお父さん♪
 小さい緋鯉は子供達♪
「なぜ、真鯉から緋鯉が生まれるのか?」という突っ込みは置いといて、オープニングアニメの真鯉は同じ大きさの真鯉でしたから、「家康、瀬名、信康」ではなく、「信長、秀吉、家康」なのでしょうか?(3匹であることに意味はなく、単に「淀の鯉」なのでしょうか。)

続けて、織田信長の悪夢───。
織田信長は、滝から現れた鎧武者に討たれました。
織田信長は死に際に、
「お前は誰だ!?」
と言わんばかりに、面頬をはずそうとして目が覚めました。

──誰だったんだろう?

「滝」から「鯉の滝登り」(「出世」というより「下克上」)で、家臣の滝川一益かと思いましたが、夢ですから死者の可能性もあるわけで、鎧武者の正体は徳川家康の嫡男の松平信康であり、あの滝は彼の菩提寺の清瀧寺の「葵の滝」かな?
 予告編の最後に、金陀美具足の兜を被っている人の顔が変わっていくアニメがありますが、なんな風に今まで殺した人の顔が次々と出てきたら怖いな。


(信長は)その権力と地位をいっそう誇示すべく、三河の国主(注:徳川家康)と、甲斐邦の主将(注:穴山梅雪)たちのために饗宴を催すことに決め、その盛大な招宴の接待役を彼(注:明智光秀)に下命した。
 これらの催し事の準備について、信長はある密室において明智と語っていたが、元来、逆上しやすく、自らの命令に対して反対意見を言われることに堪えられない性質であったので、人々が語るところによれば、彼の好みに合わぬ要件で、明智が言葉を返すと、信長は立ち上がり、怒りをこめ、一度か二度、明智を足蹴にしたということである。だが、それは密かになされたことであり、二人だけの間での出来事だったので、後々まで民衆の噂に残ることは無かった。

ルイス・フロイス『日本史』

 『どうする家康』では、「催し事の準備について、信長はある密室において明智と語っていた」内容は、「明智光秀からの毒殺の提案」であり、その後の事は描かれなかったが、どうも織田信長は明智光秀を叱責したようですね。

「密かになされたことであり、二人だけの間での出来事」を、「後々まで民衆の噂に残ることは無かった」出来事を、なぜルイス・フロイスが知っているのだろう? 『どうする家康』では、森乱が聞いていたので、「森乱がルイス・フロイスに教えたのでは?」と思いがちですが、この時、ルイス・フロイスは九州におり、森乱は「本能寺の変」で討ち死にしているので、その場にいたのは森乱ではなく弥助でしょう。(あるいは弥助が森乱から聞いた話か?)
「人々が語るところによれば」というのも、「織田信長の周囲の人々によれば(織田信長は怒ると蹴る)」という一般論なのか、「我々宣教師たちだけが知っている情報では(織田信長は怒って明智光秀を蹴った)」なのか。ルイス・フロイス『日本史』はポルトガル語で書かれており、ポルトガル語の出来ない僕にはチンプンカンプンです。

 いずれにせよ、今回の『どうする家康』の特筆すべき点は、「腐った魚」の逸話を「徳川家康は、邪魔な明智光秀を追い出そうし、織田信長が失敗した人間を許さないことを利用して、明智光秀が出した『淀の鯉』に、毒が入っているのか、腐っているのか『匂う』とした」という新解釈ですね。
 徳川家康の計略通り、織田信長は怒り、明智光秀は「上様のご指示通り(毒を入れていません)」と余分なことを口走ってしまい、さらに織田信長は怒りました。

 『どうする家康』の「淀の鯉」は、「臭みの無いことで高級食材とされる淀川の鯉の刺身」かと思いましたが「洗い」でしょうね。

 記録には「膾」(15日本膳)、「こいの汁」(15日二膳)とあります。鯉の膾、京都風の「すまし汁」でしょう。味噌を入れれば、長野名物「鯉こく」になりますが。

 また「鯉」ではなく、「鮒寿司」(15日本膳)だとする話もありますが、「膾」「こいの汁」にしろ、「鮒寿司」にしろ、初日(15日)に出されていますので、明智光秀の接待役解任は15日でないと変です。

https://dl.ndl.go.jp/pid/936481/1/138

◆天正十年安土御献立

一の膳
・蛸
・鯛の焼物
・菜汁
・膾(鯉の膾)
・香の物(漬物)
・鮒寿司(琵琶湖産のニゴロブナを使った滋賀県の名物)
・御めし(ご飯)
二の膳
・うるか(アユの内臓や卵を塩漬けにしたもの)
・宇治丸(京都の宇治川で獲れたウナギの丸焼き)
・ホヤ冷汁(東北地方産のホヤを氷で冷やした汁)
・ふとに(干したナマコにナガイモを入れて巻いて煮た物)
・貝アワビ
・はむ(はも)
・鯉の汁
三の膳
・焼き鳥(キジ)
・つる汁(ツルの肉と山芋が入った汁)
・カサメ(ガザミ=ワタリガニ)
・ニシ(ニシ貝)
・鱸汁
・・・以下略

次回のサブタイトルはズバリ「本能寺の変」です。楽しみです。






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