学会オンライン開催、ハイブリッド開催の経験まとめ

新型コロナウィルスの影響で学会がオンライン開催やハイブリッド開催に移行することが多くなっている中、運営として携わってきて得た知見をまとめてみました。あくまで経験則ですので、必要な方はご自身の判断で活用ください。

僕が大事だと思ったのはこの5つのフェーズです。

①大会趣旨や方針の明確化
②業者選定
③事前準備
④当日
⑤事後対応

なので、このフェーズに合わせてまとめていきます。

先に伝えてお行くと、何が大事と言うと1番はオンライン対応してもらう業者の選定です。
正直ここがちゃんとできていればほとんど問題ないんじゃないかと思うほどです。
ただ新規参入業者がかなり多くて選定基準をこちらが明確にしていないとベストな業者選びはできないと思います。
なので、以下の点に注意して選定するのがいいと思います。

①大会趣旨や方針の明確化
ここがないと業者の言う通りにするしかなく、結果当日トラブルだらけになるか描いたような学会にならずモヤモヤしたまま終わるというのが目に見えてます。

まず大会長含む役員で、「どんな学会にしたいのか」「学会を誰に参加してほしいのか」「開催方式は対面かハイブリッドかオンラインのどれが1番有意義になりそうか」「オンライン対応にどれぐらい予算を充てることができるのか」この辺りをしっかりまとめておく必要があります。
また理想的には何名かウェブサイトやzoom、YouTube、動画編集などのITリテラシーの高い役員がいるとベターです。
また広報部にはSNSに強い方がいると理想です。特に拡散力が高いTwitterですね。
ITリテラシーに関してはオンラインやハイブリッド形式で行う際に業者と役員間の意見を通訳し合うような立ち位置になったり、少しぐらいの不具合は、その役員が対応できるという安心感が得られてとても重宝します。
広報部のSNS担当に関しては事前、当日ともにとても重要になりますので、「④当日」のところで説明します。

②業者選定
業者選定に関してはオンラインやハイブリッド開催を選ぶならとても重要です。
選定基準は
(1)レスポンスが速いか
(2)こちらの学会イメージを達成できそうか
(3)当日対応可能か
(4)こちらで準備しないといけない素材は何か
 他にも色々あると思いますが、この辺りは大事です。

(1)レスポンスが遅い業者は直前、当日のストレスが半端ないです。事前 のダブルチェックや当日のトラブル対応が後手に回って上手くいくイメージが全く湧きません。
(2)こちらの学会イメージを達成できそうかは、大会趣旨や方針をしっかり伝えた上で、業者の意見ももらって、納得した上でお願いできるかです。
(3)当日対応可能かに関してはこの業者のウェブサイトをこちらが編集できる権限と能力があれば小さい学会であればなくてもいけると思います。
(4)素材に関しては演題の動画やポスターデータ、参加者リストなど何が必要かを事前に確認が必要です。
業者によっては「ウェブサイトのレンタルはするが、動画のアップや編集などは自分でやってください」みたいなところもあるので、どれだけ作業がいるかをしっかり把握する必要があります。こちらのマンパワーや予算も含め相談するのがいいと思います。最終的に予算が膨らむことが多いので、相談レベルでは少し少なめに伝えておいた方がいいと思います。

③事前準備
オフラインやホームページ、演題や講演などの対応が別業者であればそこはどんどん進めておいた方がいいです。

オンライン対応は契約が済めばスケジュール調整に入りますので、期日までに必要な素材をどんどん準備して渡していくという感じになります。直前に全てのウェブサイトやライブ配信、録画配信、ポスターデータのダブルチェックをする必要がありますので、最低3日前には仕上げるようなスケジュールが必要です。土日休みの業者もありますので、平日で2〜3日程度は見ておく必要があります。
録画配信やポスターはウェブ上でのチェックで大丈夫ですが、ライブ配信は理想を言えば前日に会場に行って、使う機材でしっかりチェックして、そのまま置いて帰るのがベストです。

ライブ配信にウェビナーを使うのであれば、事前に参加人数を確認し、全員入っても大丈夫な上限設定にするようにしましょう。
1人でも溢れる可能性があると、それがトラブルの火種、SNSが荒れる火種になります。
※学会参加費が無料であればYouTube LIVEでも良いと思いますが、参加費が有料であればYouTube LIVEで限定配信するとYouTubeの規定に抵触しますので、注意してください。

途中でオンラインに切り替える、ハイブリッドにするといった変更があった場合は演者や座長へ変更連絡等を忘れないよう、そちらの対応も速やかに行うようにすることがとても重要です。

④当日
当日は少し早めに会場入りし、前日までの準備の通りに進めるのが最も重要です。
直前にやっぱりこうのほうが良いかな?みたいな邪念が入っても、よっぽどITリテラシーが高いか確信が持てない限り変更しない方がいいと思います。

あとはここでSNS担当が威力を発揮します。オンラインやハイブリッドでは上手く参加できなかったりするとすぐTwitterなどのSNSが荒れます。笑
ただこれはめちゃくちゃありがたいクレームなので、即座に対応しましょう!そして、この対応がすぐ出来るのはオンラインやハイブリッドのメリットです。対応が速ければ速いだけ逆に良いツイートもがんがん広がって、結果的にオンライン学会をすごく盛り上げてくれます。
会場での不具合は少ない反面対応に対する反応も小さいので盛り上がりに影響しないでさが、オンラインではめちゃくちゃ影響します。
そのためにも事前の広報の段階でFacebookや Instagram、Twitterなどに参加者のフォロワーを出来るだけ作っておき、ハッシュタグなども学会のものを設定しておいた方が良いと思います。

⑤事後対応
事前、当日のトラブルや気づきをできるだけ早くまとめ、次大会や関連学会のために公開していくのがより良い方向へ向く糧になると思いますので、事後対応まできっちりと済ませて役を終えるようにしましょう。

新型コロナウィルスの影響もあり、どんどん新しい形に変化していくのが加速していると思いますが、本来学術や研究は先人の知恵を元にどんどんアップデートしていく作業ですので、運営も同様に考えて変化していくのが良いと思います。これを読んで学会運営にあたる方には我々の知見は包み隠さずお伝えし、協力しますので、是非良いものを作り続けてくださいね。

直接質問等があればFacebookかTwitterから連絡ください。

https://www.facebook.com/hiroaki.yamano

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