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イヤイヤ期ってなに?

私は児童福祉分野で働く、発達相談11年目の臨床心理士・公認心理師です。

このnoteでは、
"全ての人に快適育児を"
をモットーに、子育てや発達に関する情報を発信しています。

今回は、育児における最初の壁ともいわれる、イヤイヤ期とは何か、また起こる理由について解説します。

そして次回は、イヤイヤ期への対応について、親としての経験も含め、心理的な観点から書きたいと思います。

是非、最後までご覧ください



イヤイヤ期ってなに?


服を着替えさせようとすると「いや!」
外出しようとしても「いや!」というように、あらゆることに首を横に振り、拒否する時期があります。

このとき、子どもは怒ったり泣いたり、喚いたりなど、感情を爆発させることが少なくありません。

こうした反応が多い時期は「イヤイヤ期」と呼ばれるものです。従来は第一次反抗期といわれてきました。

大体、1歳半頃からみられるようになります。

反抗的になったと思うかもしれませんが、
これは、自己主張ができるようになった証でもあり、成長なのです。

イヤイヤ反応のバリエーション


子どもの「いや!」の気持ちを伝える方法には、いくつかのバリエーションがあります。

例えば、「いや!」と声に出すこと以外にも、

・物を投げる
・大泣きする
・叫ぶ
・寝そべって駄々をこねる
・座り込んで動かない
・地団駄を踏む

など、全身を使って自分の気持ちを訴えようとします。


ではなぜ、あらゆることに「いや!」と反応するのでしょうか。

イヤイヤの理由


これには、1歳半頃から2歳頃になるとわかることや、自分でできることが増えるのが影響しています。

「いや!」は、"自分のすることを自分で決めたい"とか、"わたしを尊重して!"というアピールなのです。

しかし、この時期はまだまだ語彙が少なく、自分の気持ちをうまく言葉にすることが難しいため、「いや!」という表現になったり、全身を使ってのアピールになっているのです。

このように、自分の気持ちを表現しようと葛藤し、気持ちを受け止めてもらうことや、ときに自分の思い通りにならないこともあるということを経験するのは発達上、不可欠なことです。

そして、この「いや!」は、子どもが自分の気持ちをうまく言葉で伝えるようになるにつれて、自然に減っていきます。

ちなみに、イヤイヤ期の捉え方としてなるほどと思った論文があったので、引用します。

発達心理学が専門の遠藤利彦氏(東京大学)は、「イヤイヤ期はイヤを繰り返して好きを見つける自分探しの時期」と述べている。
子どもが「イヤ」と言うのは、「これは違う」という気持ちがあるからだという。「これは違う」「これがやりたいのではない」という気持ちはあるが、何が本当にやりたいのかは子ども自身もまだわからない。
自分以外の人が提案してくることは、たとえそれが親であったとしても、自分がやりたいこととは違うと感じるようになり、「イヤ」と意思表示をするようになる。しかし、これが好きという好みはまだ確立していない。そうやって「イヤ」 を繰り返すうちに自分が好きなもの、自分がやりたいことが少しずつわかり始める。
「イヤイヤ期」は、このように「自分を探す時期」なのだという。そして、自分の好きなことやりたい ことがわかり始めそれを言葉で伝えることができるようになる4歳ごろになると、「イヤイヤ期」は終わりを告げるのである。

「イヤイヤ期」を考える
  「イヤイヤ期」の親子の実態と子育て支援の在り方を探る  



では、このイヤイヤ期という"自分を探す時期"に対して、どのように接したら良いのか…

これについては次回、具体的な方法をお示ししますので、チェックしてみてください。


最後までご覧いただきありがとうございます。

皆さんから、子育てにおいて、こんな場面での対応に困った、こんなときどうしたらよいかなど、日々の疑問を教えていただけると幸いです。

記事の内容の参考にさせていただきます。
よろしくお願いします。

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