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運命に対峙する、ということ

よく、ご相談にくる方から「これも運命なのでしょうか」と聞かれます。

なんと答えるかはその方の置かれた状況によってケースバイケースなんですが、一言言えるのは「運命は固定したもので変えられません」というのは違うのかな、という事です。

以前、あるお笑い芸人さんの単独イベントに行ってきました。お笑い好きとしては外せなかったです(笑)。イベントそのものはもちろん楽しかった。2人組なのですが、1人が僧籍を持つ、現役のお坊さんで四国の古刹の副住職でもあります。いわゆる「跡取り」です。いずれは実家を継がないといけない「運命」の中で芸人として頑張っています。お笑いの大会で決勝に残って、テレビ出演したこともあります。(優勝はできなかったのですが)お笑い好きの人の間ではそれなりに名も知れています。そこまで行っても、まだ彼にはいつかは芸人からお坊さんになる、という「運命」が待っています。

そんな彼がイベントの最後に「運命を変えようと思うんです。ほぼ100%お坊さんにならないといけないんだけど、もしかしたら奇跡的に一生、芸人さんを続けられるというパターンもあることを信じて」と語りました。それに応じて相方さんが「好きな芸人さんがいたら、その人が続けるためにも観にいってあげてほしい」と。

ちなみに、ネタを書いているのは相方さん。お坊さんであることを最大限に活かそうと、仏教の勉強をして、葬儀社で働いています。ご実家のお寺も大事ですが、彼らには運命を変えて欲しい、と思っています。

予想外の運命は来てみないと解らないことも多いけれど、最初から解っている運命なら、そこと対峙する気持ちも大事なんじゃないかって思います。幸い、人生には「絶対」はないようです。ないから、楽しいんだと思ってます。

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