帰りたくなったよ
私にとってラクイラはもはや実家であり、温かい居場所だ。帰国して1月が経とうとしているが、すでに帰りたい。
なぜラクイラはこんなにも帰りたいと思える場所なのだろうか。住みやすさで考えればもう少し都会の場所のほうが住みやすいだろう。バスが1時間に1本くらいしかない路線もある。電車の駅は遠い。
街中のいたるところは修復中で、立ち入れない教会なども多くある。治安こそ良いものの、安全性では地震がない一部の場所(イタリア北部など)のほうが上だ。
ラクイラに住む私の友達に、高校生がいるが、彼女はこの街には娯楽がなさすぎてローマなどの都会に行きたいと言っていた。私がラクイラで高校生をしていたら明らかに退屈するだろう。
交通の便や娯楽などは、都会に住んでいるからこそ、当たり前と思っているようなものだ。
それなのに、私はなぜかラクイラに住みたい。帰りたいとさえ、故郷のような愛着を抱いている。
なぜなのだろう?
それは人々が優しく、親切で、温かいおもてなしがあるからだろう。
ラクイラに行くといえば一緒にご飯を食べたり観光したり、家を探していたら不動産屋を紹介してくれたり、私が新聞に取材されたら誰よりも喜んでくれ………
そんな温かさが大好きなのだ。