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【薬学部】就職活動について

こんにちは。やまぶきです。
今回もnoteをご覧いただきありがとうございます。

就活を目前に控えて意識し始めたけれど、何から手をつけたらよいのか分からないと考えている学生も多いのではないでしょうか。

就活は5年生の3月から本格化されますが、それと並行して卒業研究や国試対策を進めなくてはならず、両立させるにはしっかりとした事前計画が必要です。

今回は、薬学部の就職活動についてまとめたいと思います。


1.スケジュール

「薬学部は就職に困らない」と言われていたのは過去の話です。薬剤師業界は大きく変化しているなかで、就職活動を行う薬学生のみなさんは、就活を思うように進めるために、これまで以上にしっかりとした準備をしていかなくてはなりません。

薬学部の就活は例年5年生の3月1日に解禁され、説明会やエントリーなどが開始し、夏にかけて面接などの選考が行われます。それまでに自己分析や業界・企業研究などを行い、自分の進路を決めておく必要があります。3月になってから慌てて準備することのないよう、しっかりとした計画を立てておきましょう。

また、就活のためだけではなく、社会に出る準備として一般常識やマナーを身につけることも必要になってきます。敬語などは普段から使っていないと、面接のときに「うっかり」が出てしまうものなので、苦手意識を感じる方はとくに早めに取り組んでおきましょう。

2.準備

就活そのものは3月からですが、就活を円滑に進めるために事前に十分な準備をしておきましょう。 ここでは本格的な就活に入る前に、済ませておいたほうがよいことや、そのスケジュールに関して紹介します。

(1)自己分析

自己分析は就職活動において最も重要と言われています。では、なぜ自己分析が重要なのか、なぜ行った方がいいのか、どのように行えばいいか分からないという方も多いのではないでしょうか。

自己分析とは、現在の自分の特徴、長所や短所、価値観を客観的に理解することで自分にとっての「強み」を見つけることです。

その目的は次の通りです。

  • 自分の適性を理解することで自分が向いている業種や企業、それに向けて足りない部分を把握することができる

  • 志望動機や自己PRに役立てることができる

  • 就活における「軸」を作り、入職後のミスマッチを防ぐことができる

また、自分を知ることは就職だけでなく、今後あらゆるところで関わってきます。なるべく早めのうちに自分の軸を持つことで、この先の人生がより納得感のあるものになるでしょう。

自己分析には様々な方法がありますが、ここでは効果的な方法を一つ紹介します。

〇自己分析の流れ

ステップ1 自分史やモチベーショングラフを作成する
ステップ2 ステップ1で見付けたエピソードを掘り下げる
ステップ3 ステップ2で記載した内容から、自分の長所と短所を書き出す
ステップ4 ステップ2で記載した内容から、「過去の自分」と「今の自分」から自分の将来像を書き出す
ステップ5 ステップ3、4で記載した内容から、これまでの流れから企業選びの「軸」を書き出す

(2)業界研究・企業研究

自己分析と並行して進めておきたいのが業界研究と企業研究です。

まずは自分の興味がある業界について調べていき、徐々に具体的な企業に絞って調べていきます。業界研究において、同じ薬剤師でも業種が違えば、内容も視点も変わるため、すべての業界をきちんと知ることが重要です。

自己分析を進めながら、自分が何にやりがいを感じるのか、どうしてこの業種や企業を選んだのかなど、就活の軸となるポイントを意識しながら進めると志望動機も明確になるでしょう。

なお、薬学部の進路については、詳しくは以下の記事をご参照ください。

なお、薬剤師、薬学部卒業によりできる業務、取得できる資格については、詳しくは以下の記事をご参照ください。

(3)情報収集

就職活動を進めていくなかで、欠かせないのは徹底した情報収集です。 特に薬局、病院、企業など、様々な働き方がある薬剤師にとって、正確な情報を適切なタイミングで得ることはとても大切です。正しい情報を集めることで就職活動を円滑に進めることができ、気持ちにも余裕が生まれます。

情報収集することにより、次のような利点があります。

  • イベント情報の収集

  • 求めている人材像がわかる

  • 就職後のミスマッチを防ぐことができる

情報収集は、次のような方法で行います。

  • インターネット(薬局、病院、企業のホームページ、就職情報サイト、口コミサイト)

  • 大学キャリアセンター

  • インターンシップ

  • OB・OG訪問

  • 企業説明会

具体的に情報収集すべき情報は、次のようなものがあります。

  • 選ぶべき業界、業種の情報

  • 検討中の企業の具体的な情報

  • 就活を進めるためのテクニカルな情報

  • 就活イベントや選考に関する情報

ただし、情報収集する際にインターネットを利用する方も多いと思いますが、インターネットには膨大な量の情報が掲載されています。これらの情報を得るのは手軽で便利ですが、読んで満足してしまい情報収集した気分になってしまうのがデメリットの一つでもあります。自分がどのような職種につきたいのか、何について調べたいのかを明確にせずに情報収集しようとすると、自分にとって本当に大切な情報を見逃してしまうことになりかねません。これはインターネットに限ったことではなく、ほかの情報源を使うときも同じです。

情報収集で大切なことは、目的を明確にして膨大な情報の中から自分にとって必要なものを意識的にピックアップすることです。 自分が将来どのような環境で医療に貢献したいのか、なりたい自分をイメージして今後の就職活動の目標にしていきましょう。

(4)インターンシップ

夏から秋にかけて、企業ではインターンシップを行います。インターンシップとは、限られた期間で学生に就業体験の機会を提供する制度のことです。

実際に薬局や病院などで就業体験をすることで、自分が将来どのような仕事に関わっていきたいか、どのような働き方をしたいかなど、自分の価値観が明確になり、また、職場の雰囲気を感じることができるので、入職後のミスマッチを防ぐことにつながります。

また、1社だけではなく、業種別に複数のインターンシップを利用することで、働き方の違いや、どのようなスキルが必要なのかを理解することができるので、興味のある病院、薬局、企業などをピックアップし、複数のインターンシップへ参加してみるとよいでしょう。

(5)OB・OG訪問

OB・OG訪問とは、同じ大学を卒業した社会人の先輩を訪ねて、そこでの業務内容や働く環境、さらに職場の雰囲気や詳しい採用事情などについての情報を得るために行います。ある程度自分の志望する業種や興味のある薬局、病院、企業などが絞れてきたらOB・OG訪問を行って現場の声を聞いてみましょう。

「自分が考えていた雰囲気とは違った」「先輩の本音の意見が聴けた」など志望職種を選んでいく上で先輩の意見はとても参考になります。訪問するOB・OGを探すには、大学のキャリアセンター(就職課、学生課)を利用するのがおすすめです。その他にも、同じ研究室やサークル活動の先輩を訪ねてみるのも得策でしょう。

(6)合同説明会

合同説明会ではたくさんの企業が一度に集結するので、複数の企業の情報を効率よく得ることができます。質問や相談なども直接できるチャンスなので、気になる企業があれば積極的に参加しましょう。合同説明会は比較的気軽に質問できる雰囲気があるため、上手に活用するのがポイントです。

また、企業が個別に説明会を開いていることもあるので、忘れずにチェックしてください。企業のサイトを見ただけではわからない直近の売り上げやマーケティング戦略、店舗の拡大などの詳しい話が聞けるのが魅力です。

(7)履歴書やエントリーシートの準備

履歴書は、氏名、住所、経歴、保有資格など個人の情報を確認するための公的な書類です。志望動機や、特技などを記載する欄もありますので使い回しはせず、それぞれに合わせた内容を準備するようにしましょう。

それに対して、エントリーシートとは、採用側の書類選考や面接などの選考において使用される書類で、おもに採用側が学生に聞きたい質問を中心に構成されています。「自己PR」「採用されたらどんな仕事をしたいか」「教訓としていること」など採用企業によってそれぞれ質問の内容が異なります。

3月から企業のエントリーや説明会が開始されるので、事前に履歴書やエントリーシートを書いておき、家族や友人、大学の就職課などに添削を依頼しておくと、慌てずに就活が進めることができます。

また、近年は新型コロナウイルス感染症の影響を考慮して、オンライン企業説明会や、オンラインインターンシップを実施している企業も多くあります。リアルタイムで質疑応答できることや、参加する心理的ハードルも低くなるなどの観点から今後も実施する企業は増えていくでしょう。

3.就活解禁後

(1)エントリー・選考

5年生の3月1日になるとエントリーが開始されます。

エントリーとは、就活でのエントリーとは、企業に対して「説明会に参加したいです」「選考を受けたいです」と意思表示をすることです。エントリーすることで、企業側から説明会の日程が送られてきたり、エントリーシートの提出期限が提示されたりします。いわば、気になる企業に対する興味や応募意向を示す手段です。

ただし、選考への応募ではないため、エントリーしたからといって必ずしも選考を受ける必要はありません。また、選考を受ける場合には、別途応募が必要です。

エントリーや選考を受ける際には、複数の企業を比較したうえで選択していくことが重要です。特に、説明会などで企業の特色をチェックし、どの企業が自分に合っているのかをしっかりと確認しましょう。 このとき、「自己分析」や「業界・企業研究」などを活用し、自身が就職で大切にしたいと考えている点や、自分の理想に近い企業であるかをチェックしながら進めていくことをおすすめします。

(2)就活がうまくいかないとき

インターンシップ、自己分析、業界・企業研究。どれもしっかりと準備したはずなのに、「なぜか就活がうまくいかない...」「なかなか内定が決まらない...」「まわりの友人が内定をもらって焦っている」といったお悩みをお持ちの方も少なくありません。 就活がうまくいかないと感じる時は多く、とくにそれが第一志望の企業であれば精神的にも落ち込んでしまいますよね。

しかし、企業との相性もあり不採用になる場合も多く、悲観的な気持ちにならずに前向きにとらえましょう。 また、エントリーシートや履歴書、面接でのコミュニケーション、マナーなど原因はいくつか考えられるので、以下を参考にもう一度振り返ってみることも大切です。

  • 就職の軸が決まっていない

  • ビジネスマナーが守られていない

  • エントリーシートや履歴書に問題がある

  • 面接でのコミュニケーション

  • 選考後の反省が次に活かせていない

振り返りを行って、とくに落ち度がない場合は志望先の企業カルチャーとマッチしていないことも考えられます。何度も不採用が続くようでしたら志望職種を変え自己分析からやり直してみるのも一つの方法です。

「不採用通知」が届くと、自分を否定されたような気持ちになり、落ち込んでしまいますよね。そんなときは一度就活から離れて気分転換してください。リラックスできる環境に身を置いてしっかりと休みましょう。 体勢を立て直し再スタートすることで、肩の力が抜けてうまくいくことも多くあります。

4.内定後

内定が決まり「これで就活から解放される!」と考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。しかし、まだまだ安心は禁物です。採用通知が届いてからも、しなくてはいけないことがたくさんあります。

ここでは、内定後の流れや必要書類、入社までの過ごし方について解説していきましょう。

(1)内定承諾

内定の通知があった企業や病院のなかから自分の就職先を決定し、「内定承諾書」に記入・捺印をして返送します。 「内定承諾書」は一般的に内定通知書に同封されている場合が多く、指定された期日までに返送しなくてはなりません。入社を決めている場合は速やかに返送し、まだ迷いがあって悩んでいる場合は、企業の採用担当者に相談し、期日の延長が可能かを確認しておくとよいでしょう。

また、内定通知書と一緒に提出する証明書の指示書が同封されている場合があります。いずれも案内の指示に従い準備を進めていきましょう。

(2)内定辞退

内定通知が届いてから、承諾までには一定の期間が設けられています。内定を辞退する場合は、メールだけではなく電話連絡にて伝えるのが基本的なマナーです。

また、内定承諾書を提出した後でも辞退することはできますが、先方に迷惑を掛けてしまいますので、病院と併願するなど、特別な理由がある場合は採用担当者と相談して進めていきましょう。

〇内定を辞退する際の注意点

  • 誠意をもってきちんとお詫びする

  • 辞退することが決まっているときは、できるだけ早く連絡する

  • 辞退の理由は詳しく語らなくてよい(聞かれたときは答える準備はしておく)

  • 他社の就職が決まっている場合、社名は出さない

(3)内定式

内定式とは企業が内定通知を渡すことを目的に開催する式典のことを指します。 一般的には10月1日に開催されることが多いのですが、会社によっては内定式を10月以前に行うなど、開催時期が異なる場合もあります。

内定式は、会社を知ってもらうという目的があり、式典終了後には懇親会を行う企業が多いようです。翌年入社する同期が揃う機会でもあるので、特別な事情がない限りは参加するようにしましょう。

内定者一人一人が自己紹介をする場合もあるので、急な場面でも慌てないように、あらかじめ簡単なスピーチを準備しておくとよいでしょう。

(4)交流会・懇親会

内定者とのコミュニケーションを図るため、交流会や懇親会を実施している企業も多いようです。交流会に参加すると、会社やそこで働く先輩方の雰囲気を感じることができ、将来同期になる人と繋がることもできます。内定を承諾していない場合でも参加できるケースが多いので、入社を迷っている方はぜひ参加して企業の雰囲気を肌で感じてみてください。

(5)卒試、国試の勉強

内定式も終わり、一般の学生であれば一息つきたいところですが、薬学生にとっては卒試や国試という大きな壁が立ちはだかっています。就職してからのことも気がかりですが、まずは試験対策に取り組みましょう。就職先は決まっているのですから、あとは集中するだけ。3月には自信をもって採用先に報告できるよう勉強に励んでくださいね。

(6)国試に落ちてしまった場合

万が一不合格になってしまった場合、まずは採用先の担当者に連絡しましょう。言いにくいからといって時間をおいてしまうと、採用先の負担になってしまいます。企業や職種によってはそのまま採用になる場合がありますので、できるだけ早めに連絡を入れて担当者の指示を待ちましょう。

〇薬剤師資格が必要な職種の場合
倍率の高い調剤薬局やドラッグストアでは、内定取り消しになる場合がほとんどです。しかし、採用先の企業によっては契約社員として働き、翌年の国試に向けて勉強をサポートしてもらえるケースがあるようです。国試に合格できないからといって道が閉ざされる訳ではありません。まずは採用先に相談してみましょう。

〇薬剤師資格が必要ない職種の場合
国試に合格できなかった場合でも職種によっては就職に影響がないケースもあります。 例えば、製薬会社のMR職や化粧品メーカーなど、薬剤師の資格が必要ない場合はそのまま就職できるケースが多いようです。なかには社会人として働きながら翌年の国家試験を受験している方もいます。

なお、国試に不合格になった場合については、詳しくは以下の記事をご参照ください。

5.国試後就活

国試対策や卒業研究などに専念するために、国試が終わってから就活を行う方もいるのではないでしょうか。4月入社に間に合うのか、勤務地や年収などが納得できる就職先を見つけられるのかなど、不安や焦る気持ちを抱えているかもしれません。

国試後就活について、メリット・デメリット、求人の傾向や見つけ方、就活のポイントや進め方などを解説します。不安や焦る気持ちを少しでも解消して、納得できる就職先を見つけるためにぜひ参考にしてください。

(1)内定を獲得できる?

多くの学生は5年生の終わりから6年生の秋ごろまでに就活を行いますが、国試が終わってから就活を開始する方も毎年います。国試対策や卒業研究に専念していた、留学や家庭の事情で就活を十分に行えなかったなど様々な理由が挙げられます。とくに国試浪人生は国試の合格を確信できたタイミングで就活を開始したいという方もいるかもしれません。

しかし、国試後の就活でも、自分の希望が100%叶うわけではないとしても、ほとんどの方が就職先を見つけることができています。内定のチャンスは十分にあると言えますので、焦りすぎずに就活を進めていきましょう。

(2)メリット・デメリット

<メリット>

  • 国試の勉強に集中できる

  • 短期間で就活を終わらせることができる

  • 内定後に辞退となり企業に迷惑をかける可能性が低い

<デメリット>

  • 求人が限られている(特に病院や企業の求人はほとんどない)

  • 希望する業種・職種に就職できない可能性がある

  • 4月1日の入社には間に合わない可能性がある

  • 自己分析や業界研究・企業研究を行う時間が十分にない

  • 企業の情報を十分に比較できない

  • 本当に国試後で間に合うのか不安になる

  • 多くの学生が就職先を決めている上で国試から解放されているため焦る

(3)内定が狙える薬剤師の求人は?

国試前に就活を行うよりも求人は限られますが、調剤薬局やドラッグストアは内定が狙える可能性があります。中小から大手の調剤薬局やドラッグストアの多くは、毎年複数名の新卒枠を確保しています。卒試や国試の不合格などの理由で内定が取り消しになる方がいるため、国試後に追加募集が出る傾向にあります。

(4)国試後就活のポイント

  • できるだけ早く開始する

  • 併願する

  • 勤務地を限定しすぎない

  • 面接の準備をする

  • 転職コンサルタントに相談する

(5)国試後就活の進め方

国試後就活では、4月入社を目指す場合、十分に時間がとれないかもしれません。効率的に進められるように、事前に流れを確認しておきましょう。

  • (人材紹介会社に登録)

  • (転職コンサルタントと面談)

  • 求人を探す

  • 応募

  • 履歴書、エントリーシートの提出

  • 選考

  • 内定

  • 入社

6.まとめ

薬学部の皆さんも、他の学部と同様にしっかりとした準備が大切です。とくに実務実習や試験対策などと並行して準備を進める必要があるので、スケジュールと就活対策を早い段階で練っておかなくてはなりません。 まずは、企業の就職活動が解禁となる5年生の3月までに、自己分析や業界・企業研究を終わらせることを1つの目標にして、準備を進めてみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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