全知ドラフトは運ゲーなのか
はじめに
2024/10/20現在、MTGアリーナにダスクモーン︰戦慄の館(以下、DSK)の全知ドラフトイベントが実装されている。
なぜかランク変動もするらしい。
そして筆者は以前、デカスロンで行われた全知ドラフトの攻略記事を執筆したことがある。
当時はセットの入り混じったキューブドラフトに似たプールであったが、全知ドラフトの基礎については概ね変わっていないと思う。
また、すでに今回のDSKの全知ドラフトについて書かれた記事もあったので紹介する。
これらを踏まえ、本記事ではDSKの全知ドラフトに特化した筆者なりの攻略法・応用編を紹介したいと思う。
(全知ドラフトの基礎については本記事では触れない。)
スマホから勢いで書いており乱文かもしれないがご容赦。
ゴミを減らせ
今回のDSK全知ドラフトはクイックドラフトと同様の形式でピックが行われ、1〜3パック・各14枚のカードをピックしデッキを構築する。
懸命な読者ならここでお気づきかと思うが、リミテッドのデッキ最低枚数は40枚であり、ピックしたカードのうち採用しないカードは通常2枚以下となる。
言い換えれば、ピックしたカードはほぼ使わねばならない。(14枚目が基本土地になる可能性も高い)
そこで、ピックにおいては強いカードを取るのはもちろんであるが、弱いカード(ゴミ)を如何に減らすかも意識する必要がある。
先ほど「通常2枚以下」と記載したが、基本土地よりも価値の少ないカードを多く取ってしまった場合は、全知ルールであるにも関わらず基本土地を優先することがある。
具体例についてはこのあとの例題を参照されたい。
例題①
1パック目・12巡目で以下のカードが流れてきた場合、あなたはどれをピックするであろうか。
筆者は《友好的なテディベア》を取る。
これは、生贄シナジーと組み合わせることでターン内の追加ドローに繋げることができるためである。
ここで対戦相手にもドローさせてしまうことに懸念を感じる人もいるかもしれないが、原則として全知ドラフトではソーサリーもプレイできるアクティブターン側のドローの方が価値は高い。
当然打ち消しを引き込まれることで大損をし得る状況下では一考すべきだが、既に手札のない相手に対して腐っているハンデスの使い道も増やせたりと、他の候補カードと比べて全知ドラフトにおいてゴミ以上のカードになる可能性が高い。
逆に言えば残りの2枚は概ねゴミであり、今後のピック次第では基本土地を優先しうる枠にしかならない。
例題②
続いても例題。
またしても1パック目・12巡目、以下のカードが流れてきた場合どれをピックしようか。
この中では、筆者は《刈り鎖の剃刀族》を優先したい。
先の記事でも全知ドラフトの基礎として、ドロー≧打ち消し>ハンデス>クリーチャーというピック優先度に触れた。
優先度の高いスペルがないならファッティを優先したくなるものだが、《刈り鎖の剃刀族》は稀にドローにもなりうるクリーチャー枠だ。
クリーチャー枠は相討ちを取れるものなら十分であり、《刈り鎖の剃刀族》は多くのコモンクリーチャーと相討ちできる性能でありながら、土地を有効牌に変える能力を持つ。
これは言い換えれば、このカードと組み合わせたときの基本土地はゴミよりも強いカードになるということであり、ゴミカードを基本土地に差し替えることで結果的にデッキのゴミの枚数を減らせる。
もちろん、例題①に挙げたようなゴミカードも《不穏な笑み》のようなクリーチャーを要求するカードがデッキに多ければ価値が少しだけ上がる。
こういった全体観を持って何をピックし何を採用するか決めていきたい。
また、次点としては《邪悪なシャンデリア》を優先したい。
ソーサリータイミングのみの起動でありLO対策としては心許ないのだが、ライブラリーを引ききってからデッキを打ち消し呪文だけにするようなロックを形成できるカードであり、相対的に《よだれ流しの枝潰し》より評価したい。
例題③
またしても1パック目・12巡目、以下のカードが流れてきた場合どれをピックしようか。
(クイドラのALSA的にこのようなカードが残ることは考えにくいがご容赦)
いずれも除去系のカードであるが、筆者は《視界からの消失》を選択する。
これはデッキトップバウンスとはいえ2ドロー以上のドローソースになるパーマネントを再利用することでデッキを掘り進められるためである。
インスタントであることも重要であり、仮に戦場に出すそのドローソース以外のドローソースが手札にない場合も、部屋開放誘発の解決前にデッキトップに置くことでデッキを掘り進められる。
相手のクリーチャーを除去するための除去カードは原則デッキに入れたくないが、この理由から《視界からの消失》は十分プレイアブルである。
打ち消しをケアれ
プレイング編も簡単に。
ドローソースと同等程度に打ち消しが重要な環境なので、何に打ち消しを当てるかは大きく差がつく点である。
例題④
あなたのデッキには《冠水した食堂》のようなドローソースが20枚ほど入っている。(比較的良いピックのできたデッキと考えてもらいたい)
相手は先攻。ノーマリガン。
後攻のあなたは以下の初手をキープした。
ゲーム開始、始めに相手は《冠水した食堂》を唱えてきた。
さてあなたはどのカードで打ち消すか。
ここで真っ先に候補から外したいのが《今のうちに出よう》である。
このカードは全知ドラフトのオリカとも言えるほど汎用性が高く、今回エンチャント呪文を唱えられたとはいえこのフォーマットでは当て先に困らないため温存したい。
こちらのデッキ内に《冠水した食堂》があることに触れているため、今後バウンスモードでそれらをセルフバウンスすることでドローソースに変えられるのが《今のうちに出よう》の最大の強みだからである。
《現実の歪曲》と《虚偽への恐怖》のどちらで打ち消すかはかなり難しい問題であるが、筆者はデッキに《不穏な笑み》があるならば《虚偽への恐怖》で打ち消し、ないならば《現実の歪曲》で打ち消しそうである。
《虚偽への恐怖》の最大の欠点は戦慄予示させてしまうことであり、場合によっては墓地に送られたカードからリアニメイト・サルベージに繋げられる裏目がある。
とはいえ他に2枚の打ち消しを構えてはいるのでよほどでなければ裏目のケアもできており、自分のデッキに《不穏な笑み》のような肯定するカードがあるならそれを優先する。
なお、先攻側でのプレイングとして、打ち消しがあるかどうかの情報をインスタント反応で少し得ることができる。
《現実の歪曲》と《虚偽への恐怖》は打ち消しでありながらインスタント反応で止まるため、敢えてメインフェイズ1をスキップして反応有無を見ることで、特に《光霊噴出》のような《今のうちに出よう》で打ち消されないドローソースを安全に唱えることができる。
なお、デッキに速攻クリーチャーが多い場合は必ずしもこのプレイングは肯定されないことを付記する。
※《今のうちに出よう》もオーナー側の戦場にクリーチャーやエンチャントがある場合はインスタント反応で止まるのも留意されたい。
コンボを決めろ
全知ドラフトは無限のリソースからクリーチャーを展開し、ハンデス・打ち消しで反撃の芽を摘んでから次のターンに殴り勝つのが一番良く見られる光景であろう。
しかしながら、次のターンを待たずに済むなら絶対にその方が良い。
ここでは比較的実現性の高そうな1ターンキルできるカード(の組み合わせ)を紹介する。
速攻
最も簡便な1ターンキルは速攻をつけて殴り勝つことであろう。
速攻持ちクリーチャーを掻き集めるのもありだが、DSKの速攻持ちの最大パワーは5(アンコモンでは4、コモンは1)であり、必要枚数は多くなりやすい。
そんな問題を1枚で解決する《永劫の勇気》は本環境随一のボムと言えよう。
工夫せずともあとからクリーチャーを数体出すだけでリーサルである。
また、以下2種の速攻付与カードで《業火の幻影》を走らせるのは、違和感が自然と誘発されやすいこの環境では現実的である。
最後にサクリファイス等できるのであれば5回以下の違和感誘発で済むし、風船師に至っては自動でサクリファイスされる。
これは狙うべきコンボではないが、万が一《変貌の力線》をピックせざるを得ない状況になるならば頭の片隅に入れておきたいコンボである。
クリーチャータイプは当然グレムリンを選ぼう。
《孤立への恐怖》
《孤立への恐怖》は本環境でもドローソースを使い回せるハイスペッククリーチャーだが、2体以上ピックできていたり《底なしプール》が手に入っていれば無限違和感誘発源になる。
無限違和感誘発で勝つとしたらこの辺を使うことになるであろう。
いずれも比較的遅めのピックが可能なシステムクリーチャーであり、《孤立への恐怖》がピックできたときには意識したい。
《無限への恐怖》
《孤立への恐怖》と比べると単体スペックもコンボ実現性も数段落ちるが、《解剖道具》との組み合わせでこちらも無限違和感誘発が可能である。
一応単体でも《不穏な笑み》や《目標の強奪》とは相性の良いカードであり、マナが許せば他のサクリ台でも代用できるため意識はしておきたい。
《終末の加虐者》
レアなので実現性は高くないが、相手のライブラリーを切削するカードと合わせてLOを狙いやすい。
問題は相手のライブラリーを能動的に切削する現実的な手段が《掻き回す頭蓋蟹》くらいなこと。
一応《虚偽への恐怖》を2枚構えてもほぼ勝ちになったりもする。
ライブラリーリソース次第では詰みも起こりやすく、相手のドローも咎めやすいので単体でも悪くはないカード。
《鏡の間》/《砕けた世界》
誘発倍化は単体でもヤバい効果であるが、《砕けた世界》→《焼殺への恐怖》→《鏡の間》開放と動くだけで24点顔に入る。
おわりに
いかがだったであろうか。
おそらく残りそう長くはないDSK全知ドラフトイベント。
クソゲーと罵りながら遊ぶのも大変楽しいが、今一度そのゲーム性と向き合ってみるのも意外と悪くない遊び方だと思う。
それでは、刺激的な全知生活を。