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ダスクモーン:戦慄の館 リミテッド環境予想

(ほぼ全文無料で読めます)

はじめに

こんにちは!
いつもポジティブ、山辺カフカです!

YouTubeでリミテッド専門の配信をしていた女子大生の元VTuberです💕(引退済)
よろしくお願いいたします。

自己紹介はさておき、
筆者は毎度新セットのリリース前に環境予想の下馬評記事を、
リリース後にはその反省会記事を、
それぞれ執筆しております。

ということで、新セット、ダスクモーン:恐怖の館(以下、DSK)の環境予想をしていきたいと思います。

ちなみに…前回のブルームバロウ(以下、BLB)では諸事情で記事執筆を止めておりましたが、アーリーアクセスイベントへのご招待を再度頂けたため、執筆も再開しております。
なお、未だ過去招待されていた一部の配信者の方が招待されていない状況は継続しており、運営への改善を引き続きお願いしているところです。

また、全然のモダンホライゾン3(以下、MH3)は事前予想も比較的当たっており、公式大会としてもアリーナオープンで$500のマネーフィニッシュをすることができました🌞(下記記事参照)





環境理解

各2色の組み合わせごとの運営の想定するリミテッドアーキタイプは以下のオリバさんのポストを参照ください。

本セットの固有メカニズムや各色のアーキタイプ、および環境理解については、わが師匠、てんてい。さんがすでに下記動画に纏められているので、是非ご視聴ください。

その上で、本記事では私なりの予想を17Lands.comで見られるデータの形で行いたいです。



環境予想

前提

17Lands.comのFormat Speedというデータの予想をします。
このデータは先攻・後攻の勝率差と、その環境で試合が終わるまでの平均ターン数を示すものです。

ちなみに、現在のスタンダードのエキスパンションの最新データは以下の通りです。
銀シンボルがプレミアドラフト、赤シンボルがシールドのデータです。

今となってはDMUの方が異端児

次の項より環境予想の考察を述べていきますが、少しでも考察を定量化するため、前回まで同様に各要素の環境加速・減速への影響を数値として見積もってみました。
これにより何が予想と異なったかの分析もしやすくなると考えております。

なお、見積もりの際に基準となる平均キルターンは、ここ2年間でリリースされたエキスパンション(団結のドミナリア以降)の平均値から、およそ9.0ターンとしました。




結論

筆者としては、DSKのプレミアドラフト環境を、平均決着ターン数:約8.7ターンとなる、やや高速環境と予想します。
(後述する通り、高速環境=アグロの強い環境、という意味ではありません。あくまで決着ターンの観点での予想です。)

そして、先手vs後手の勝率については、この決着ターンであれば一般的なレベルの先手有利度で、先手勝率52.5%程度と予想しています。

次項より、DSK環境の各要素による環境速度への影響を述べていきます。



①フィニッシャー性能が高い (-0.3T)

デッキタイプを区分する手法として、ゲームレンジから「アグロ」「ミッドレンジ」「コントロール」の3種に大別する手法がしばしば取られます。
これらのアーキタイプの定義/境界は人によってばらつきますが、一般的にこの3つのデッキタイプは以下の三すくみの関係を持ち、それにより環境のバランスが保たれやすい、と言われています。

上記を前提に、今回のDSK環境において筆者が触れたいのがフィニッシャーたりうるカードの性能の高さです。
軽量な同等性能のクリーチャーを数多く展開するアグロデッキに対して、遅めのミッドレンジ~コントロールデッキではフィニッシャーと呼ばれる、「一枚で勝利をもたらし得るカード」が採用されやすいです。
通常このフィニッシャーの性能はレアリティが高いほど高く、リミテッドにおいては再現性の低さが一つの制約・課題となっておりました。

しかしながら、DSK環境はアンコモンからこのフィニッシャーとして申し分ない性能を有するカードを数多く有しています。
以下にその一例を示します。

当然これらより強力と言えそうなレア・神話レアのフィニッシャーも存在し、それらの排出率もプレイブースター化により向上しています。
これにより、序盤を捌く手段を多く取れたがフィニッシャーがピックできなかった、という失敗が起こりにくくなっていると考えます。

さらに、フィニッシャー不在リスクの軽減にはコモンの各種土地サイクリング持ち生物も一役買うでしょう。
これらのカードは唱える際の重さからも通常複数枚積まれにくいため、機械兵団の進軍(以下、MOM)やイクサラン:失われし洞窟(以下、LCI)環境での経験上、ピック手順が高くなる可能性は低いと考えます。
 ※なお、指輪物語:中つ国の伝承(以下、LTR)の1マナサイクリング生物は強力すぎたため経験則からは除外します。
これらサイクリング生物の性能も過去と比べて向上してきており、一定の存在感を示すと見込んでいます。

そしてこれら大型生物を大々的にサポートするのが、DSK環境のもう一つの特徴と見ているリアニメイト手段の多さです。
サイクリング生物に至っては自ら墓地に置く手段を備えていることもあり、これにより通常キャストより早期にフィニッシャーの着地を狙う戦略が、通常の環境よりも再現性高く取れると期待しております。

この戦略が存在感を示す場合、割を食うのは軽めのミッドレンジ戦略でしょう。
3~5マナ圏の中堅クリーチャーは本来の性能を発揮する前にフィニッシャーに止められてしまうゲームが増加するように予想しております。

これによる環境速度への寄与・影響を予想するのは難しいものの、過去の環境での知見が役立ちます。
特に、エルドレインの森(以下、WOE)環境において筆者が見誤った、下記記事③項の類型であるように思います。

萎え落ちを含めた決着ターンの見積はモダンホライゾン3(以下、MH3)環境での試算も参照し、以下の通り見積もります。

・他環境で7ターン目までにフィニッシャーが着地できる確率: 20%
・DSK環境でリアニメイト戦略も駆使して7ターン目までにフィニッシャーが着地できる確率: 60%
・上記により早期に事実上のゲーム決着が生じる確率:70%
・それにより短縮される決着ターン: -1ターン

⇒ (60%-20%) × 70% × -1 ≒ -0.3ターンの環境加速影響と予想します。



②2マナ以下のアグロクリーチャーが優秀 (-0.1T)

前項にて軽めのミッドレンジ戦略が割を食う、と述べましたが、アグロ戦略についてはどうでしょう。
筆者の予想としては、2マナ以下のアグロクリーチャーの質はコモンを中心に高く、十分アグロ戦略は取れるものと思っております。

後述するカード個別評価において、コモンのBランク以上に4枚のコモンクリーチャーを上げているのもこの表れです。
このうち《肉潜り虫》については受けの性能も考慮しての評価ですが、残る3枚は単純に後半までアタッカーを担える回避能力持ちの2マナ域として、最大限の評価を与えております。

これらのクリーチャーをテンポよく咎める手段が比較的少ないことも環境での追い風です。
コモンの範囲で1マナで対処できる手段は以下の2枚程度であり、対処できたとしても後続の脅威を展開できるケースが主となるでしょう。

一方で、筆者としてはDSK環境のTier1にアグロデッキが位置するとまでは予想しておりません。
これは、過去の環境と比べてアグロデッキにおけるシナジー形成が相対的に少なく、所謂ブン回りの強度がそこまでないのでは、と見込むためです。

赤白に与えられている「パワー2以下」については関連カードが少なく、赤緑に与えられている「昂揚」については序盤のブン回りよりも中盤以降の粘りに寄与するメカニズムと考えます。
最もブン回りが期待できそうなのが青白の「エンチャント」と緑白の「生存」ですが、生存については後述する通りアーキタイプとしての難点も存在します。

・全体に占めるアグロデッキの使用割合: 30%
・アグロデッキがブン回りを形成する確率: 30%
・上記ゲームの平均決着ターンに対する短縮ターン: -1.0ターン

⇒30% × 30% x  -1.0 ≒ -0.1ターンの環境加速影響と予想します。



③生存ケアによる膠着 (+0.1T)

生存はDSKにて新たに登場した能力語です。
クリーチャーの持つ能力であり、第2メイン・フェイズ開始時にタップ状態であることでその能力を発揮する、緑白に与えられたアーキタイプです。

まずこの生存に対して、筆者としては現状、1,2マナの生存持ちは強いが3マナ以上の生存持ちは弱い、とざっくり評価しております。
その理由としてはシンプルで、生存条件は攻撃することで達成するのが最も効率的だと考えられ、そのためには早く攻撃することが求められるためです。

生存アーキタイプの存在を考慮してか、今回攻撃以外でのタップ手段(搭乗やタッパー等)はアンコモン以下に限られた枚数しか設定されておりません。
システムとまで呼べるのは下記の2枚程度しかないのも、再現性よく生存アーキタイプを組みにくい要因になるでしょう。

したがって、多くのケースで攻撃による生存を試みることになります。
この生存アーキタイプに対面している相手としては、3マナ以上のクリーチャーほど生存条件達成による成果も大きく、安易に攻撃を行えなくなります。
それ故、生存デッキの絡むマッチアップにおいては、生存デッキ側がコンバットトリックを有しているかどうかに関わらず動きにくい盤面が頻発する、と考えます。
そしてこの膠着盤面の結果何が起こるかと言えば、シナジーを発揮できていない生存デッキ側を尻目に、相手のフィニッシャー着地の準備が進むのではないでしょうか。

結果的に生存デッキは①項で述べた軽めのミッドレンジに相当するため勝率は高くなりにくいでしょう。
とはいえ平均決着ターンへの影響は生じると考え、以下の通り影響を定量化して本項を締めます。

・一方のプレイヤーが生存に関連するアーキタイプを使用している確率: 10%
・上記デッキにおいて、盤面が膠着しコンバットでのライフレースがなくなる確率:30%
・上記により延長されるキルターン: +2.0ターン

⇒(1-(90%)^2) × 30% × 2 ≒ +0.1ターンの環境減速影響と予想します。



Tips:部屋

DSKの新メカニズムである部屋についてもTipsとして触れます。
部屋アーキタイプは今回青赤(と一応青黒)に割り振られております。

①項で重めのミッドレンジと並べて触れたコントロールデッキは、本環境における立ち位置は比較的良さそうです。
しかしながら、筆者が不安視しているのが部屋アーキタイプの中核となるべきマルチカラーアンコモンの性能です。

本来序盤~中盤に相手の脅威を捌いてフィニッシャーに繋げたいコントロール戦略において、いずれのマルチカラーアンコモンも脅威の排除やフィニッシャー形成にそこまで貢献しない点を低く評価しています。
一応、《髑髏鳴らしの嫌がらせ》の序盤でのブロック性能や、《霧がかった応接間》の最終盤でのスタッツはそれに該当するかもしれませんが、単体性能としてそこまで高いものに映りません。
ドラフトにおいては、単体性能が低いために当然の如く流れてしまうマルチカラーアンコモンが青赤・青黒への参入のサインになりにくいのも、このアーキタイプにとっては向かい風です。

とはいえ、各種打ち消し呪文の性能は今回は高いと見込んでおり、強力と目される重めのミッドレンジ戦略に対するアンチテーゼとして働くことは期待できます。
青系のコントロールを組む際は、デザインとして与えられたアーキタイプに拘り過ぎないピック・構築が求められるかもしれません。



Tips:マナベース

本環境は、新たに登場した《放棄されたキャンプ地》に代表される土地10種が、各パックの土地枠から排出されます。
加えて、コモン枠から《広漠なる変幻地》と先述の土地サイクリング持ち生物5種も排出されます。
以上より、平均的な環境よりもマナベースには恵まれた環境と言えるでしょう。

タッチカラーに関しては、①項で述べたフィニッシャーをタッチすることも考えられますが、クリーチャーはいずれもダブルシンボルとハードルが高い点には触れておきます。
寧ろ釣り竿側である《繭からの出現》のみのために白タッチされるケースはよく見かけるかもしれません。
その他のカードも含め以外とダブルシンボルの設定が多く、見た目以上にタッチには寛容ではない環境かもしれません。
マナ総量だけに捉われず、終盤ほど役割の多い《呪われたウインドブレーカー》や《ひと皮剥けば》のようなカードを上手く取り入れていくピックが求められそうです。



カード個別評価

上記環境予想に即して、カード個別での評価を一覧に纏めました。
前々回MH3記事から継続して、各Tierでの想定GIH WRのレベルを記載しております。
後日執筆予定の反省記事は、こちらの基準に則り2段階以上Tier1を外したものが対象になります。

コモン(+土地枠)

アンコモン

レア・神話レア・SPG



インスタント一覧

インスタント・瞬速持ちに加え、手札から捨てることをコストにするようなインスタントタイミングの起動型能力持ちを、マナ総量別、左から色順(WUBRG/マルチ/無色)・レアリティ順(コモン/アンコモン/レア/神話/SPG)にまとめております。



おわりに

以上、簡単ではありますが、筆者によるDSK環境の予想になります。
後日、リリース後の統計結果を踏まえた反省記事も執筆できればと思っております。

いつも通り私のDiscordサーバ(無法地帯)も紹介させていただきます。
リミテに関する質問や議論、中には指導してくれる方もいらっしゃるサーバですので、よろしければお気軽にご入室ください!

それでは!またどこかでお会いしましょう!
バイバイ、さよなら、再見


(以下は投げ銭用です。一応私なりの色別Tier評価も載せております。)


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