四十路。わるくない。
四十路になって早1年が経つ
今年は厄年真っ只中
前厄の去年から色々あったし
こんなに変わるものかと思った
偶然か必然か知らないけど
周りも自分の気持ちも様変わり
それを、わるくない、と
言い聞かせ実際そう思えてる自分に
苦笑と諦めと愛しさを覚えながら
まず親が70になり、突如病気に見舞われた
介護士をしている手前、世話など何ら
吝かではないけど、少々狼狽えた
そして恥ずかしながら独男である私のお金は
全て家(親)の為のお金になった
とは言うものの少しは自分の為にも使うのだが
最早独身”貴族”だなんて言葉は消え失せた
好きではないテレビのノイズが
耳に入るのだが、活躍している人達が
およそ殆ど年下の人間になっていることに気付いた
”この人、あの人”が”あの子、あいつ”になった
そして市街地に勤めていたが
近場に就職して親の傍にいようと決めた
この歳で……チャレンジャーこの上ない
いつまでもあるわけはない親と実家、地元
全てがそこへ収斂されていく
親が居る間、わたしは2人のために生きる、そう決めた
迷惑をかけるような子どもではなかったが
何の親孝行もしてやれなかったぶん
全力で護ろうと思う
そもそも私は欲がなく
自分のために生きることなどしてこなかった
だから煩わしい病魔にもかかった
わるくない、産んで育ててくれたことが何よりの幸せ
そのリターンを私はこれから返していく
わるくない、貴方がたの為なら
わるくない、人生で初めて目的をもって生きられる
こんな歳でも、嫁さん、諦めてないよ
貴方たちの笑い声で
飯が食えるどら息子より