写真と言葉
先日ご案内したとおり、現在〈栞日〉2F企画展示室では、写真家、疋田千里さんの写真展「once more」を開催しています(8.29[日]まで)。
会場では、古道具の額に収まった写真作品が展示販売されているほか、既刊の写真集、プリントTシャツなども並んでいて、それら販売物のひとつに、疋田さんが今夏の展示のために新たに製作したポストカードセットがあります(〈栞日〉オンラインストアでも販売しています)
紙は大阪〈大和板紙〉の再生紙「カフェラテ」。デザインは、安曇野の詩人・デザイナー、ウチダゴウさん(封筒に貼られたシールも、同じくウチダゴウさんデザイン)。印刷は松本〈藤原印刷〉です。特製フレーム入りと封筒入りの2パターンあって、こちらのフレームは東京〈篠原紙工〉製。さりげなく、かつ、抜群の存在感です。
このポストカードセットは「A set」「B set」の2組。それぞれ4枚の異なる写真で構成されています。今回、疋田さんからご提案いただき、この計8枚の作品に、僭越ながら、タイトルを添えさせていただきました。
オンラインで打合せをして、1枚1枚の写真を撮った国や場所、年や季節、時間帯や経緯、そのときの状況や被写体の人物とのやり取りなど、疋田さんからお話しいただき、僕なりにその写真の物語を読み解いて、タイトルを冠していく作業は、とても楽しいものでした。
それぞれのタイトルは、ウチダゴウさんにデザインしていただいたデータを、東京〈真映社〉に入稿して、樹脂で製版していただき、〈栞日〉でお預かりしている、松本在住の紙箱作家〈Akane bon bon〉さんのテキン(手動の活版印刷機)を使って、自分たちで1枚ずつ印字しました。圧がかかりすぎたり、逆に足りなかったりで、黒インクが滲み気味や掠れ気味のカードもまじっているかもしれませんが「それも、ご愛嬌」とご容赦いただけたら、幸いです。
このような形で、すなわち、疋田さんの写真に、僕が言葉を添える、という方法で、この夏の写真展「once more」に関われたことを、とても嬉しく、光栄に感じています。疋田さん、ありがとうございます。
◎ A set「ひとみ」(画像上段/左から)
▼「よくきたね」
▼「いってらっしゃい」
▼「またおいで」
▼「どこからきたの」
◎ B set「光陰」(画像下段/左から)
▼「日課 nikka」
▼「佳日 kajitsu」
▼「永遠 towa」
▼「明日 ashita」
疋田千里「once more」
▼ 栞日|2021.8.5[木]- 8.29[日] 7:00-20:00 ※水曜定休
▼ BELL WOOD COFFEE LAB|2021.8.4[水]- 8.29[日] 10:00-18:00 ※月火定休