ふつうの日記 2021.09.25『大人の余裕!!!』
・余裕
大人っぽくなりたい。正確に言えば、落ち着きを身につけたい。私は言動がいまいち幼く、同年代の人と話すたびに「大人っぽくてすごいなぁ」とこれまた小学生みたいな感想を抱いている。昨日まさにその状態に陥ったので、私は今日から少しずつ大人っぽくなっていこうと決めた。
いつもの自分を省みてみると、なんだか常にパタパタと慌てている。これはどうしたらいいんだろうか、これで間違っていないだろうか、言っていることを理解してもらえるだろうか、変に思われないだろうか……と何をするにも緊張していて、少しも落ち着きがないのだ。何か発言を求められたときも、緊張のあまり頭が回らず子供のようなことしか言えないということが多々ある。「焦り」が私の幼さの大きな要因であることは間違いないだろう。
大人っぽいな、と感じさせる人にはやはり、余裕がある。余裕を身につけるためには、パタパタするのをやめなくてはならない。何か不安に感じることがあっても、「大丈夫」と自分を落ち着かせることがその第一歩だろう。私はまず、冷静に物事を対処することから始めようと決めた。
決めてから、ふと自分の部屋を見回す。例によって散らかっている。自分を落ち着かせるためには自分に自信を持たねばならないが、この散らかった部屋は私の自信のなさの一因でもある。よし、では今日は片付けをしよう。余裕をもった大人の片付けだ。
一番汚いのは机の上だった。ノートや紙がバラバラと積み重なり、もはや物置としても機能していない。私はひとつ深呼吸をして、ノートと紙をひとつひとつ確認しながら片付けていった。
ふむ、なかなか落ち着いている。いつもよりも呼吸が深いし、心臓だって静かな気がするぞ。よしよし、この調子で一歩ずつ大人に近づいていけば……と思ったとき、紙の山から分厚い封筒が雪崩れ落ちてきた。
「ゲ!!!」
反射的に口から飛び出したのは、昭和のマンガみたいな絶叫だった。私は前のめりになって封筒を手に取り、ガサガサと中身を取り出す。提出しなければならない書類。昨日までが締め切りの。今はまだ何も書き込まれていない、書類。
「ギャ!!!」
私はまたしても叫び、どたどたとボールペンを探し回った。記入した字はフニャフニャと震えており、心臓がドクドクいい始めている。私は大慌てで書類を封筒に収め、つんのめるように家を飛び出し、ポストに投函して帰ってきた頃にはなんだかドッと疲れていた。
必要なものは余裕。それは間違いないだろう。しかしそれだけでは足りなかったらしい。勤勉さ、自己管理力、面倒なことを先延ばしにしない精神力……。私の優雅な大人ライフは、まだまだ訪れなさそうだ。
・怪談
怪談を話してみたい。百物語とかやってみたい。聞き手ゼロの状態で一人で百物語をやったとして、最後のロウソクを消したとき、幽霊はどうするんだろう。「え……なんか……いいんスか……?正気スか……?」みたいな顔で出てきたら面白いな。
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