【看護師シリーズ】ほんとうに、出るんですか?
看護師をしている人は、一度は聞かれるのではないでしょうか。
夏ですし、そうなると、そう、あの話ですよね
私はとても怖がりで、でも小さい時から霊にまつわる番組や漫画など好んでいました。
でも、実際に見たことはありませんでしたね。
人並みに、もしくは人よりも少しこわがりくらいです。
なので、看護師になって夜勤は普通に怖いだろうと思いました。
暗い病院なんてそれだけで怖いじゃないですか
まあ、ところが実際はぜんぜんでした。
なぜなら、怖がっている余裕なんてないからです。
新人看護師に幽霊をかまっている余裕などないのです
暗いとか明るいとか、幽霊とか人間とか
そういうの、もうどうでもいいんですよね。
必死必死www
でも、ありましたよ。話は。
私が勤めていた国立病院のとある病棟
個室の部屋に、高齢男性が夜な夜な現れるとのこと
あまりにも頻繁なので、できるだけ使用しない部屋でした
それでも、もちろん患者さんはくるので
少し仕事にも余裕がでてきたとき、
朝、体温チェックに行くとその部屋の患者さんが
「昨日、おじいちゃんがきてさ、杖忘れてったよ」「あれ? ないな。取りに来たのかな」「たぶん部屋を間違えたんだろうね、夜中に入ってきて、部屋をうろうろして。部屋、間違えてますよ、っていったら出ていったけど、杖をあそこの洗面台に忘れていったんだよ」
と言います。
これ、毎回いわれるんです。
患者さんが変わっても、変わっても、変わっても
看護師さんによっては、その部屋から出てくる高齢男性の姿が見える人もいるとかいないとか
かならず、出入り口近くの洗面所に杖をかけて、忘れていくそうです
私は見たことがありませんでした。
新人時代のことなので、それほど深く聞いていなかったし、聞いたかもしれないけど覚えなくてはならないことが多くて忘れたのかもしれません。
でも、患者さんがずっと同じことを言うので、幽霊というのはいるのだな、と思いました。
個室なので患者さんは若い人もいれば高齢の方もいたし、女性も男性も。みんな、同じことを言っていました。幽霊の行動、背丈も、容貌も、みんな同じでした。
そのような患者さんが長期入院していることもなかったですから、実際に患者さんが杖を忘れていたということはないでしょう
それこそ年中無休でしたからね
でも、ただそれだけで何か悪いことが起こるわけでもないし
そうそう、結構はっきり見えるのか、幽霊だという人はいませんでしたよ
みなさん、おじいちゃんを心配していました
働いているときでなければ、腰を抜かして泣き叫んで怖がったかもしれませんが、不思議と仕事中はなんとも思いませんでしたね。
ただ、ちょっと存在は確かなんだな、という確信にぞっとはしていました
これは、新人の頃の話ですが
実は、私はその後、視えた経験があるのです
それは、また別の話