【看護師シリーズ】本当に視えたんですよ③
いくらでも続きそうな視えたんですシリーズ(∩´∀`)∩
今日は、不思議な体験の話です
題して「お礼参り」です
お礼参りなどと言われると、呪われそうな気もするかもしれませんが
そういうわけではありません
ある夜勤の日、私の病棟に内線がかかってきました
「はい」と出ると
「あ、○○さんがこっちにきたから、もしかしたら危ないかも。見に行ってくれる?」と言って切れました
○○さんというのは私の病棟に入院している患者さんです
ん? 違う病棟に行っちゃったの? 危ないって?
「見に来て」じゃなく「見に行って」とは?
とはてなマークをつけていると、一緒に夜勤している看護師が戻ってきました
内線電話の内容を伝えると
「まじ!」
といって、患者さんの部屋に走っていきます
なんと、その○○さんは急変(危篤状態)していました
すぐに医師を呼び、処置をしましたが
そのままお亡くなりになりました
この病院は、長期入院される患者さんが多い病院で
患者さんも、看護師さんも長くいらっしゃいます
看護師さんは病棟を移動することも多いですから
今いる病棟以外にも知っている患者さんは年々多くなります
勘の良い方はお気づきかもしれませんが
そうです。亡くなる前に、お世話になった看護師さんのところにお礼を言いに来るのです
看護師は、霊?となって現れた患者さんがいる病棟に連絡をして、危機を伝えるわけです
もちろん亡くなる患者さん全てがそのようなことをするわけではありませんが
この病院ではあまり珍しいことではなく、お礼参りは行われ、そのたびに内線連絡が入るのです
お礼をしてもらえるなんて、よっぽどすごい看護師さんだなあ と思いました
そんなある日、私も似たような経験をすることになりました
その日、病院の夜勤は中堅以上の看護師が少ない勤務状況でした
私の病棟も2人夜勤でしたが、看護師は私だけでもう一人は助手さんでした
重傷者(危篤状態になる危険のある患者さん)は2名いました
他の病棟も、中堅以上の看護師が少なく、何かあったとき(災害など)リーダーとなって先陣をきるのは私でした
夜勤で朝焼けが始まるころ、重傷者の1人の心電図の波形が徐々に乱れてきました
これはまずい
と思いました。今から朝のおむつ交換、検温、朝食、薬の確認、点滴の開始、夜勤の一番ばたつくピークを迎えます
私が心電図とにらめっこをしているのを見て、助手さんも気づきます
「私、おむつ交換ひとりで行けますよ」などてきぱきと動いてくれます
今日の当直医はあの先生か。とすると依頼は直前じゃないとな
さまざまなことに思いを巡らせながら
心電図の音に耳を澄ませ、業務を片づけていきます
その時に、なにか鈴のたくさんついた杖を床に打ち付けながら歩いてくるような音が聞こえてきました
それもとんでもない数のような感覚
あ、これは きた
幽霊が来る感覚
大名行列みたいなざわざわ感が鈴の音を鳴らしながら近づいてきます
まさか死神? 死神にしてはずいぶん騒がしい
だめだめだめ・・・
患者さんの笑顔が思い出されます
そのとき、その患者さんがふっと浮かんできました
「○○さん、大丈夫よ、死なないから…」
最近は声を出すこともなくなってしまった患者さんの声がしました
もう近くまでなっていた鈴の音が、その瞬間消えました
え? と思い、すぐに患者さんのところへいきます
いつもと同じように、目をつぶって深い呼吸をしている患者さんがいます
私は患者さんの名前を呼びますが、いつものように反応はしません
ぎゅっとその手をにぎりました
熱や血圧を測り、尿の量などを観察し、状態の変化がないことを確認します
いつまでも この患者さんの前にいるわけにもいかず
なにかあったときにきちんと対応できるように
他の業務、他の患者さんのもとへ駆けずり回りました
結果、私の夜勤では状態は変わらないまま
私が日勤帯に仕事を引き継ぎ、更衣室で着替えていると
バタバタと霊安室に向かって移動する音が聞こえてきました(同じ階にあります)
私はあわてて飛び出ると、やはり同じ病棟の看護師が霊安室を開けに来ていたのでした
亡くなったのはあの患者さんです
まるで私の勤務が終わるのを待っていたかのように、私が病棟から離れると心電図が乱れ、急変し、亡くなったそうです
そんなことがありました