【2024年読書:慟哭の海峡】
シュウです!
重たい内容の本でしたが、感動しました。
以前読んだやなせたかしさんの「わたしが正義について語るなら」を読んだきっかけで知った本です。
▼タイトル:慟哭の海峡
▼著者:門田 隆将
▼あらすじ:2013年10月、94歳のやなせたかしと92歳の中嶋秀次という二人の老人が亡くなった。彼らは互いに知らない存在だったが、共通して太平洋戦争中に多くの日本兵が犠牲になった「バシー海峡」に深い思いを抱いていた。やなせは、弟をバシー海峡で失い、その悲しみを抱えながら子供たちに希望を与える「アンパンマン」を生み出した。一方、中嶋は12日間漂流して生還し、戦後は戦友の鎮魂のために寺院を建立した。彼らの生きた時代とアンパンマンに込められた想いに迫る物語である。
▼刺さったフレーズ
隣り合わせの「生」と「死」の狭間で揺れ、最後まで自己犠牲を貫いた若者たち。
泣いた。本当に泣いた。これほどまで人間は涙が溢れ出るものなのか?
弟は何をしたかったのか。代わりに俺がやってやんなくちゃいけない。
▼まとめ
アンパンマンを書いたやなせたかしさん。彼の描くヒーローはいわゆるスーパーヒーロー達とは違っていて、もっと泥くさい。傷を負いながら、困っている人を助けるのが本当の正義。それは、自身の戦争体験と、弟の戦死から来ると言われている。
やなせたかしさんの弟、柳瀬千尋さんが亡くなったバシー海峡は台湾とフィリピンの間にあり、多くの日本の海軍の船が沈められたという。柳瀬千尋さんはアメリカ軍の機雷に破壊されて、戦死の報告と家族の元に帰ってきたのは、名前の書かれた木札のみだったという。
そんな中、12日間猛暑の海上で命からがら生き延びた中嶋は、90歳を超えて病室で亡くなる直前まで、バシー海峡で散っていった仲間たちを供養するために、多くの私財を出して作った台湾の最南端の地を守り続けた。
我々が生まれる約30数年前の大戦を生き抜き、そこから現代の日本を築いた先人の生き様から学ぶことは多くある。
我々は現在の日本が今の日本であることに感謝し、次世代には少しでも我々が生まれてきたより良い日本をつくって渡す使命があると改めて教えられた。
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