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最終報告書 プロフェッショナルの条件とは?

サマリー

あたらしい働き方LAB4期の半年間の本実験の結果としてまとめます。
本研究では、フリーランスとして仕事をする上で押さえておきたい心構えをマスターするべく、ドラッカーのプロフェッショナルの流儀を読み込み、その内容を会得するというものです。

プロフェッショナルとは?に対する解

次に、この半年間の大きな問いとして「プロフェッショナルとは何か?」を追求する営みをしてきました。これに対して得られた解は

クライアントないし自組織の業績を上げ、それを通じて市場に価値をもたらし、自身とかかわった人のキャリアアップをする。成果と価値と貢献ができる人材

と定義ができました。

この活動期間を経て、自身に大きな変化がありました。それは

来春より大学院に進学する(受験先・志望研究室まで決定)という意思決定ができた。

ことだと思っています。

研究にご協力いただいた皆様、ありがとうございます。それぞれの詳細を以下に述べます。

実験概要

改めて簡単におさらいします。

実験者プロフィール

関西在住30歳。大学院修了後、コンサルティング会社にて3年勤務。その後フリーランスになり4年目。現在のお仕事は中小企業のコンサルティングやコミュニティ運営、資料デザイン、キャリア面談など。
大学院からアカデミックの道を志していたが、一旦社会に出て仕事人に。ただ、にわかにアカデミアの道を改めて歩みたいと考えていた。

ゴールと目的

これまでなんとなくフリーランスをやってこれたものの、これから仕事を進めるうえでの基礎基本を改めて学び、身につけること。そのためにHow to本ではなく、古典にあたって理解を深める。

計画時点でのゴールは以下の3点と規定。
1、チェックリスト(厚労省のキャリア健診シート)において何らかの上向きの変化がある。
2、仕事において、何らかの定量的数値の改善に寄与する。
3、自身の収入が上がる。

このような感じでした。

結果 ゴールの達成度

元々規定していたゴールは…すべて未達でした!
1、チェックリスト(厚労省のキャリア健診シート)において何らかの上向きの変化がある。
▶大きな上向き変化は認められませんでした。元々悪くなかったというのもあるかもしれません。元々がイマイチであれば改善していた印象はあります。
2、仕事において、何らかの定量的数値の改善に寄与する。
▶自己認識してる限り、めぼしいものはありませんでした…。絞り出すならば色々ありますが、大きなインパクトになったものはないです。ただ大きな問題も起きてないですし、改悪は起こっていないので最低限よしと評価します。
3、自身の収入が上がる。
▶変わりませんでした。即効性はなさそうです。

ただし、これらは未達でしたが、大きな変化もあり、この実験をやった意味はあったと思っているので、次項でまとめます。

結果 定性的変化編

ここでは実験前後での変化をまとめます。

❶「プロフェッショナルとは?」がわかった

複数回のグループ対話やPMの堂本さんとの壁打ちを通じて、プロフェッショナルとは「クライアントないし自組織の業績を上げ、それを通じて市場に価値をもたらし、自身とかかわった人のキャリアアップをする者」との結論を得ました。

ドラッカーが述べるには、世の中に貢献をするには3つのポイントがあります。これを私なりに結論付けてまとめたものです。

  • 成果=営利企業では経営上の業績、病院では患者の治癒率など。成果と言っても誰にでも明白なものではないが、成果が何であるべきかが混乱している状態では、成果は期待し得ない。が、直接的な成果は常に重要。 

    • ▶定量化できるものと解釈しました。

  • 価値=(シアーズ・ローバックのように)一般家庭にもっとも安く、最も品質の良い財やサービスを見つけ出す場合など。成果と同じく、明白とは限らない。 

    • ▶世の中になにをもたらすか?といった、企業で言うミッションやパーパスと呼ばれるようなものと解釈しました。

  • 貢献=人材を育成するということ。育成とは、ともにはたらくすべての人間の視点と水準を高めることだと述べています。

    • ▶貢献だけは明確に「人材を育成することです」と言い切っているので、人材育成と定義しました。※この分かりやすさがとても良かったです。

また、個人の視点では、価値「観」を優先するべきである。と唄っています。
例として、ドラッカーは投資銀行で働いていて順風満帆だったが、金を扱っていたから世の中に貢献している実感がなかった≒人材を育成している実感がなかった。ドラッカーにとって価値あるものは金ではなく人だった。銀行をやめた。正しい判断だった。と書かれています。
ドラッカーの文脈で言う価値観とは「自分が世の中に何をもたらすか?(もたらしたいか?)」に対しての、自分なりの考えのことであり、つまるところ、ざっくばらんに言うと、「やりたいこと」だと思います。
少し学術的に言えば、Will Can MustのWillを考えていくこと。これがとても重要なのだと思います。
これをやるべきになのだ!とドラッカーに背中を押された感じがありました。
ここから、私の最も大きな変化の話も繋がります。

❷「やりたいことがわかった」

改めて、学びながら仕事を詩、最先端の知見を切り拓くことがしたいのだと思いました。様々な人とともに学び、他者の応援もしながら、組織や社会をつくっていくことを仕事にしていきたい、そのためには教育が良いと信じられるようになりました。

ドラッカーは要所要所で教育の重要性を主張し、たんにお金を稼ぐだけではなく、知識によって新しい価値を創れる人がこれからの時代に重要だと言っています。
また、その知識を誰かに伝えられる人(これを教育と言い換えてよいと思います)こそが貢献できる人だと述べています。

言い換えるならば、自身の特殊技能を、伝達できうる知識に結び付けたうえで、成果を上げられて初めて貢献と言えるようです。
例えば翻訳業界では、翻訳の技能が知識化できていないため、継承がままならないようです。

改めてまとめると、プロフェッショナルの重要なポイントは、自分自身のスキルアップだけでなく、他者へ良い影響をもらたせるかどうか?だと思います

フリーランスとして仕事をしていると(少なくとも私は)自身のスキルアップには常日頃から着目するものの、他者への影響は忘れがちかな?と思います。
もちろん、自身のスキルアップはとても重要ですが、周りに良い影響を与えられるかどうかを考えて仕事を進めたいなと思いました。

そして、ゆくゆくは大学で学生や周りの方とともに学ぶことを通じて、良い影響を与える中核を担いたいと思っています。

❸「仕事上での変化」で劇的なものは多くはなかったが、いくつかあった

一方で、仕事において、読破によって何か明確に変わったような出来事はなく、変化は感じられませんでした。
他者から何か変わったと言われるような客観的事実もありませんでした。
普段からある程度クライアントワークにおいて成果を意識しているからわかりにくいのかもしれません。

自己認識で言うならば、「他者へ良い影響をもたらす」ことを意識して、感謝を伝えるなどの声掛けを工夫したり、自分より若いフリーランスメンバーに対して面談をしたりといったことを変えています。
一メンバーだから自分の業務範囲のことだけやっていればいいという考えではなく、少しでも良いものを作り上げたいという意思がインストールされたものと思います。

また、完全な仕事というわけではありませんが、あたらしい働き方LAB内で定例会の運営や、夏のイベントの一コマを担当させていただくなど、少しでも貢献できそうな場に行ったのは貴重な経験かなと思います。

その内容はこちらにまとめています。

https://note.com/yama_p_yama/n/nf8ae302cecc7

結果 定量的変化

この活動期間、測定可能な指標としてキャリア健診マニュアルを用いた診断を行ってきました。
半年を通じて様々なことがありましたが、振返ってみると総じて良い期間だったと言えそうです。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/nouryoku/kyarikon/manyuaru/kyariakenshin_manyuaru.pdf

各項目5段階評価。5が最高、1が最低。

ドラッカーを読んでいたことが直接的にどれほど影響があるかどうかはやや不明瞭ですが、啓発的な文面を日々浴びていたので、良い影響は確実にもたらしてくれたものと思います。

また、最初の結果もまずまずだったので、全項目が上向きにはなりませんでした。

今後の課題は2点明確になりました。(表中薄い色または白色の部分)
❶運動習慣をつけること
❷一人でじっくり自分のことを考える時間を持つこと
簡単なチェックなので皆様もぜひやってみてください。

今後に向けて

新しい働き方について

この活動期間中は新しい働き方か?というとそこまでではないとかなと思っています。フリーランスが働きながらビジネス哲学書を読んだ者…という自己評価です。

どちらかというと、今後試行錯誤が求められる状況になると思っており、来春より(受験に合格すれば(笑))大学院生をしながら働きますので、珍しいことは間違いありません。

文部科学省データ https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/000255573.pdf
社会人入学者数は約17,000人

かつ、フリーランスとなると相当珍しい(新しい?)かもしれません。

アクション

これから2月までは受験勉強をします。
4月からは社会人フリーランス大学院生として、実社会と学術界をつなげるような新しい働き方をしたいと思います。
会社を一時的に休むわけではなく、フリーランスとして仕事をしながら大学院で学ぶ…ということで、第5期の方があたらしさが出るかも…です!

終わりに 

当初の計画通りに進んだわけではありませんが、この企画に参加して、ドラッカーの本をきっかけに様々な発信をし、出会いがあり、意思決定があり、本当に良かったと思います。

謝辞

4期で出会った皆様に感謝申し上げます。
特に、毎回切れ味抜群のフィードバックをくださったPMの堂本さん、哲学プロジェクトのメンバーの皆様、総合PMのハマさん、事務局のななねぇさん、定例でご一緒したヤコさん・サンチェスさん、夏祭り司会をご一緒してその他色々喋った杉ちゃんさん、夏祭り準備をご一緒したこみやさん、新しい視点をいただけた切貼民話師ゆーだいさん、お仕事としてサムネを作ってくださったきむらさん、ツール部長で様々なワークを企画してくださったモリゾーさん、期間中唯一対面でお会いでき、お茶をしたらすぐにスリランカに飛び立った平石さん、ありがとうございました!

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