Woods1 森とローストビーフの切っても切れない関係
朝、目を開けたその瞬間、ローストビーフサンドイッチが色鮮やかな3D映像で脳裏に浮かんだ。猛烈に食べたくなった。パンとローストビーフは冷蔵庫にストックがある。
そうだ!
森へ行かなきゃ!
と車を走らせた。
早春の森到着
おおおおおお!
土が見えているではないか!
土が!
これだけ全面的に土を見るのはかなり久しぶりなので興奮状態。北国の民ならではの習性だろう。
小川の岸に最後の雪がしがみついていた
積もり積もった雪の溶けていく様子が見てて小気味よい
雪よ、貴様の姿はしばらく見たくない
松ぼっくりのお出迎え
雪の下でじいーっとしていたんだね?
もう雪は北の方へ行っちゃったからもうすぐ春だよ
きっと種鱗からこぼれ落ちた種が芽を出すその時を待っているんだよね?
なにかの暗号みたいだ
象形文字みたいにも見える
これを辿って行くとどこへ行くんだろう?
森番の小屋?
羊男がいたりして?
ここは行きつけの「クレソン森」
妙な表現ではあるのだけれど、都会人だった頃、馴染みのカフェとかショップがあったように、村内のあちこちに、森や林、池や小川、木、花の咲く場所、きのこスポットなどが点在している。
特に看板が立っているわけでもなく、車から眺めているだけなら「単なる景色」にすぎないのだが、10年、20年と通いつめているうちにそこは「行きつけの森」になっていくし「クレソン森」というMy固有名詞も自然発生する。おそらくは宮沢賢治の作品に「狼森と笊森、盗森」が存在するのと似たような理由で。
今年も来たよ
「クレソン森」に挨拶する
ここは小楢と松、桜などで構成される雑木林
植生が豊かで5月には紅花一薬草(ベニハナイチヤクソウ)が咲き乱れる私の大好きな場所だ
誰かが積み上げた倒木や小枝
こんな風に森を管理する人がいるから私たちは歩ける
ありがとう
見知らぬ人よ
クレソンの群生する小川
正確にはWatercress、オランダガラシとも呼ばれているクレソンは、1800年代後半に入って来ていつの間にか各地で自生するようになった外来種。元々はヨーロッパ、中央アジアの原産だ。それがよくぞまあこんな田舎の小川にまでやってきたものだ。移動にざっと1世紀かかっているのだから、まったくもって大したものだと感心しきり。
ここに来たかったんだ!
クレソンはまだ5cmほどと小さい。
森の神様に感謝の祈りを捧げ少しだけいただいて帰る。
こんな風に小さな流れがうねるままに5mほどクレソンが自生している
クレソンの緑が春の訪れを全力で告げている
ほぼ4ヶ月モノトーンな景色を見慣れていた目にクレソンの緑が刺さるようだ
いつまでも眺めて飽きない
この大きな松の木は私よりずっと年上だろう
木肌に杉苔がへばりついているが、その緑も心なしか鮮やかだ
杉苔合唱隊、と命名する
歌っているのは「春に」かな?
唐突にローストビーフ登場♪
そして念願のローストビーフサンドイッチ
これが食べたかったんだ!!
春一番の味はクレソンと決めている。クレソンは森の産物が一番美味しい♪まだ甘いけれど、これからだんだん苦味ものって来る。その時々のクレソンをいただきながら時間を重ねて行く、そんな暮らしが好きだから私はここにいるんだろうなと思う。
うまっ!
ね?
森へ行かなきゃでしょ?
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