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あらうんど・ないんてぃー3 爆弾投下事件発生!

あらうんど・ないんてぃー2から続く
と思っていたら、そうはどっこい問屋が卸さなかった。
卸さなかったどころか、爆弾が投下されちゃったのである。



え?
ここ日本だよね?
今、戦時下じゃないよね?

投下場所は、LINEの画面上。
爆弾を投下したのは母で、くらったのは弟1号であった。

弟1号の名誉のために言っておくが、弟1号は兄弟3人の中で誰よりも母思いである。母のために良かれと、嫁子ちゃんや娘たちにも声をかけて母を全力でサポートしているキーパーソンが弟1号なのである。
ああ、それなのにそれなのに。
その弟1号爆弾を落としちゃったんだよね、母ったら。

以下、LINEの画面。

弟1号  こんなのきました。

この爆弾をちょうど母が送信する時に居合わせちゃった私。この日はあまり元気が無くて新聞も取りに行かず、ひたすらLINEの文章を考えていたみたいだった。やや鬱っぽいというか?

90歳のお婆さんが家に閉じこもっていたら鬱々ともするだろうし、ああ、こんな時にがあれば・・・と思うのもわからなくはないが、乗せるわけにもいかないわけで・・・。

で、兄弟3人で対応策を考えた。

1、運転能力を証明してもらう。
2、保険屋さんに報告書を書いてもらう。
3、弟1号が謝罪する。

の3案が浮上する。

1、の運転能力は、運転できないと自覚していただくための手段として。
  運転免許試験場に安全相談窓口があるのでそこへ行ってみる。または教
  習所で高齢者安全運転講習を受けていただく。電話をかけた感じでは、
  試験場の相談窓口がそーとー経験豊富そうな口ぶりで好感が持てた。

2、の報告書は客観的な事実を伝える。
  相手側の保険屋さんとは、厳しいネゴシエーションの末に9:1にこぎつ
  けたわけで、ドラレコを見せていたら間違いなく当て逃げになる案件だ
  ということ。

  今回、事故があり今後人身事故等になった場合は、車の所有者が管理責 
  任者として損害賠償を求められることもある、という文書を報告書とし 
  て代理店に書いてもらう案。これはもはや社会的責任の問題なので、保   
  険会社からも注意喚起してもらおうと。

1案は、「お金がかかる。」と母によってあっさり却下された。別荘地の中を弟1号と一緒に運転して判断すればええやん?というのが母の意見。
弟1号曰く、おそらく第三者の客観的意見でないと母は受け入れないだろうから、公的機関に判断を委ねる必要がある。
母には妙にお金をケチるところがあるので、この案は一蹴されて終了。

2案を受けて、出来上がってきたのがこの書類である。

の所有者は弟1号なので、このまま母をに乗せて事故が発生した場合、乗せた弟1号も責任を問われることになる、という論法である。
子供が不利益を被るのは母も望まないだろうから、それなりに説得力はあるかも?と淡い期待を抱く。

叔母にも意見を聞いてみるが、時間がかかるのではないか?という返答。

なるほど、根比べなのね?
母をよく知る叔母の言葉は千金の重みがある。

が、あに図らんや、社会的責任という言葉に母は反応したのである。「それならそうと言ってくれればいいのに。」

いやいや、言ってたから!
聞く耳持たなかったのは母だから!

と言いたいのをグッと我慢して「そうだね。」と同調できたのは、初任者研修講習の賜物かもしれない。

そして、母の論点は3案の「謝ってほしい」というところへ移っていく。

え?
そこ?
そこなん?

弟1号にそう伝えると

謝って済むならいくらでも謝るし、土下座でもなんでもする。
でも車は返さない。

という返信があり、誰よりも母思いの弟1号謝罪したのだが、それでもまだ母は納得しておらず、今度は「今更、謝られても」「もうちょっと上手いやり方があったやろ。」とかブツブツ言ってるという、ね。

そんな中でも姪は、随分とサポートしてくれて、朝市に付き合ったりランチに連れ出したりと本当によくやってくれている。

その姪は言った。

「こうなったから逆におばあちゃんに会う機会も増えたし、子供達も喜んでるし、私は嬉しい。神さまが与えて下さった機会かも?」と。

なんていい子なんでしょう。

ということで、車願望がいくらか下火になりつつある中、歯の被せ物が取れたというので日帰りで東京の歯医者さんへ行くことになった。
ならば、ついでに銀行関係の手続きを済ませようという話になり、母と兄弟3人で東京をうろつくことに。

ところが、その東京で、母は車道を平気で渡ろうとするわ、横断歩道で青が点滅しているにもかかわらず走り出しちゃうわと、なんだか危なっかしい。弟2号曰く、数十年前の身体記憶で行動しているんだろうな?と。

脳内のスキマに数十年分の記憶が滑り落ちてしまったのかもしれないなぁ・・・と思うと、なんだかやるせなくなった。
IPS細胞をそのスキマに詰め込むとかなんとか出来ぬものか?

そんな私の気持ちも知らず母は嬉しそうである。自分と子供たち3人で歩いているそのこと自体が。
東京の歯医者さんにも「うちの子ですねん。」と言ってニコニコしている。
他人から見ればただの老婆とおじさんおばさんだと思うけどね?

つまり、母にとっての家族は、自分と子ども達なのだ。昭和ヒトケタのアナログ人の価値観っていうか?

とはいえ、中央道往復の車中は実り多かった。ふだん、リアルで弟1号と会話することはあまりない中、今後の事などもじっくり話し会えたので。(母の耳が遠いため言いたい放題だった。)

車中会議の結論としては、古いOSベースなんだけど、全く上書きされないかというとそうでもなく、中にはアップデートされていくものもあるという混在状態なんだろうね?と。

で、混在状態のまま、日々の生活は続いていくのであった。

続く










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