マスコミの人、ミニコミの人
ミニコミ人間
この note にも何度か書いているように、僕は大学卒業後、大阪の放送局に就職しました。そして、就職して何年か経った頃、突然「しまった!」と思ったのです。
どういう「しまった!」かと言うと、「しまった! 僕はマスコミの人じゃなくてミニコミの人だった!」という「しまった!」でした。
哀しいかな、僕の発想とか表現はどうも大衆には受けないのです。遅まきながらそのことにやっと気づいたのでした。
でも、決して誰にも受けないわけではありません。ごく一部の、ほんの一握りのコアなファンはしっかりできるのです。
ただ、多くの人には受けない。それはどんなコンテンツでもどんなメディアでも同じです。人生を通じてずっとそうです(笑) 僕はそういうミニコミ的な人間だったのです。
例えば僕が twitter で「MBS毎日放送の未公認・非公式アカウント」としてやってきた「ほなね爺」
のフォロワー数は、ピーク時でも 4,000弱でした。
それは個人のアカウントでは、当時としてはそこそこ多かったのかもしれませんが、しかし、会社名を看板に掲げてやっているキャラとしては圧倒的な少なさでした(ま、会社名を掲げながら「未公認・非公式」と逃げている中途半端なキャラでしたがw)。
でも、そこにもやっぱりしょっちゅう楽しげに絡んでくれるフォロワーさんが一定数いましたし、それは twitter版の前身であったメールマガジン版や携帯サイト版の「ほなね君」のときも同じで、ありがたいことに、その頃から熱心なファンは少ないながらいてくださったのです。
どんなコンテンツでもどんなメディアでも
僕が個人でやってきたホームページ(2018年閉鎖)やブログでも同じで、このブログは、ブログというものが全盛期だった頃でも月間ページビューが 10,000ぐらいしかありませんでしたが、それでも多分全ての記事を読んでくれていてしょっちゅうコメントなども書いてくれる人が何人かいたのも事実です(そして、入れ代わり立ち代わりではありますが、今もそういう人たちに支えられています)。
あくまで知人との閉じた空間である facebook は全く参考になりませんが、ここ note でも、そのフォロワー数やスキの数を見ていただければ判るように、やっぱり僕は大勢には受けないのです。いろんなお題企画があるたびに一応応募してみるのですがほとんど選ばれることはありませんし、もちろん「今週のおすすめnote 5選」などには掠りもしません。
それは大衆に受けるとか受けないとかいう問題じゃなくて、単にお前の文章が下手なだけじゃないの?と言われると返す言葉もありません。
でも、不思議なことに、僕としては渾身の作品で我ながらよく書けたと思った記事は閲覧数も伸びないしスキもほとんど付かないくせに、なんか間に合せで書いたような、独創的な発想もなければフックもオチもろくになくて、「これで良いのかな?」と思った文章のほうが注目を集めたりすることも少なくないのです。
ことほど左様に僕の感覚は皆さんの感覚とずれているんですね、きっと。
ニヒルなお子さん
でも、それでもすみっこのほうに、僭越ながら僕のコアなファンと言わせていただいても良いのではないかと思う方がポツポツといらっしゃるんですよね。
ここ ↓ にも書きました通り僕は、
日本人社会特有の同調圧力が大嫌いで、考えてみればその傾向はすでに小学生時代からありました。クラスの友だちが何かで盛り上がってどこかで群がっていても、ひとり超然として少し距離を置いて見ているような少年でした。
そのせいでしょうか、僕が小学校6年(いや、中1だったかも)のときに、保護者面談から帰ってきた母の様子が何だかおかしいなと思ったら、母が「先生に『ニヒルなお子さんをお持ちですね』と言われた」と言って、少しショックを受けているようだったのを憶えています。
まあ、自らクラスメートに溶け込もうとしなかったのはちょっとまずかったかも、と今では思っていますが、でも、そのころからずっと「他人と違うためにはどうすれば良いか」ということをひたすら考え続けて生きてきたのは確かで、その信念は今もって全く揺るぎません。
恐れられる感想
実は若かったころ、営業マン時代には、僕の番組評は社内(と言うか部内)で結構恐れられていました。いや、辛口の批評をするというのではありません。僕が褒めた番組は悉くコケるからです(笑)
例えば新番組の初回収録に僕が立ち会ってきたりすると、当然部に戻った際に「どうやった?」と訊かれるわけです。そこで僕が「めっちゃ面白かったです」などと答えようものなら皆が頭を抱えたものです。
そういう特性を知ってか知らずか、会社はテレビ制作志望の僕に最後まで番組を作るセクションには行かせてくれませんでした。いや、多分それが理由ではないな。あの当時の人事部は決してそんなまともな判断ができる組織でなかったことだけは確かですから(笑)
いずれにしても幼少期に夢見た漫画家にも、少年時代に憧れていたシンガー・ソングライターにも、大学時代に目指した小説家にもなれず、念願の番組作りもできなかったわけですから、あとはもう文章を書くぐらいしか残ってないんですよね、僕には。
さて、これからは
幸か不幸か大衆を意識しなければならないテレビ局の仕事はもうリタイアしてしまって、今ではそんなことを考える必要が全くなくなりました。
まあ、やっぱり大勢に受けるものなら受けたいですが(笑)、でも、これからは、少なくともごく少数のコアなファンの方を喜ばせるような文章が書けたらいいなと思っています。
僕自身はどうしても少数志向で、「分かる人にしか分からない」ような文章を読むのが大好きです(もちろん自分が「分かる人」であった場合のみですがw)。そうとは一切書いていないけれど実は何かを踏まえていたり、うっかり気づかずに通り過ぎてしまいそうなところが実は何かのパロディになっていたり、そういう解りにくい仕掛けが大好きです。
でも、そんな小洒落たことでなくていいんです。「この人ちょっと面白いな。他の文章も読んでみようか」と思ってくれるような人が少しでもいてくれたら嬉しいなと、そのぐらいの感じで書いています。
最後まで読んでくださってありがとうございます。あなたは多分僕と同じように、大衆からはちょっと外れた、ちょっと変わった方なんだろうなと僕は思いますが(笑)