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先日、ウチの番組を見ていたらテロップに「シラップ」と書いてあって驚きました。 「シロップ」じゃないのでしょうか? 少なくとも僕らは子供の頃からシロップと言い習わし、聞き慣れてきました。 誰かが「英語の発音はシロップではなくてシラップだよ」などと言い始めたのでしょうか? 確かに綴りは syrup なので、シロップよりはシラップのほうが近いのかもしれません。 そういうことは時々起きます。 例えばアメリカ合衆国第40代大統領のロナルド・レーガン(Ronald Reagan)
ジェが言えない日本人って、昔はジェって言えなかったんですよね。 え、何それ?って言われるかもしれませんが、でも、そうなんですよ。かつて長年“ことばのWeb”を運営していたおかげで気がつきました。 何かと言えば、つまり、ジェが言えないから jelly がゼリーになっちゃたんですよね。 ジェが発音できないから、ゼネラル・モーターズとかゼネラル・フーヅとかゼネラル石油とかいう名前の会社があったわけです。ウチのおばあちゃんなんかゼントルマンって発音してましたから。 ジェが言え
最近よく思うのは、外来語が英語由来のものばかりになってきたなということです。 昔は医学用語ならドイツ語、哲学ならドイツ語かフランス語、ファッションや芸術ならフランス語、社会主義関連ならロシア語などと、結構いろんな国の言葉を分けて使っていた印象があります。 もっと遡ると、江戸時代に入ってきた言葉はオランダ語かポルトガル語に限られていたわけで、それから歴史を追うごとに、いろんな国から、いろんな国が得意とするいろんな分野の言葉が入ってきたのです。 そして、そういう風に棲み分け
「クレーン」と聞いたら何を思い浮かべますか? よく建築中のビルの上に乗っかってる、重いものを吊るして引き上げるアレですよね? ──訳語で言うと「起重機」。それ、英語で書けます? はい、英語の綴りは crane です。では、逆に crane を辞書で引いてみてください。 そう、「鶴」なんですよね。あの機械はその形が首の長い鶴に似ていることから crane と呼ばれるようになったのです。 では、何故私たちはクレーンと言われて鶴ではなく起重機を思い出すのでしょう? それは、
学術上の専門用語でも、あるいは洋画の邦題や外国曲のタイトルでもそうなんですが、近年英語をカタカナに置き換えただけで訳そうとしない傾向が著しいと思いませんか? 昔はいちいち漢字やカナを使って、それに見合う日本語を作ろうとしたものです。何故なんでしょう? 多分「英語のままでは一般庶民に解るまい」という意識が働いたのだと思います。その英語の概念を日本に輸入しようとした人たちに、「これは俺たちにしか解らない」というエリート意識があったのかもしれません。 彼らは一段高いところから