マイナンバーカードのメリットは

 マイナンバーカードの申請率が人口の7割に達したという。マイナンバーは行政手続きを効率化するものであり、その恩恵を国民にも分け与えるのがマイナンバーカードだ。様々な手続きをマイナンバーカードに集約する事で長期的にはコスト削減の効果もあるだろうから、国が発行を推奨するのは当然だろう。しかし、頑なに申請を拒否する人も多い。そこで、マイナンバーカードのメリットが何かを簡単に整理する。

メリット① 手持ちの書類を減らせる

 マイナンバーカードは顔写真も添付されており、身分証明書・本人確認書類として使用可能だ。したがって、運転免許証の代わりになる。今後、運転免許証との一体化も予定されているので、運転免許証は不要になる。

 また、運転免許証を返納した人の場合、住基カードが無い今では顔写真付きの身分証明書が無くなるため、運転経歴証明書を有料で発行する人もいたが、これもマイナンバーカードがあれば不要となるだろう。

 加えて、マイナンバーカードは健康保険証としても利用可能となっていく。投薬情報もマイナンバーカードを利用して医療機関の間で共有可能となるので、おくすり手帳は不要となっていくだろう。この投薬情報はスマホでも閲覧可能だ。

 以上の点から、運転免許証(または運転経歴証明書)・健康保険証・おくすり手帳を1つのカードに集約できるようになり、財布が少し軽くなる

 ちなみに、健康保険証は2年ごとに更新されるが、マイナンバーカードにすれば10年ごとの更新になる。

メリット② 情報管理が楽

 運転免許証・健康保険証・おくすり手帳を1つに集約する事で、マイナンバーカード1枚だけを管理すればよくなる。情報を集約する事にはセキュリティ面で不安を抱える人も多いだろうが、管理対象は簡素なほうが管理しやすい。

 また、オンラインサービス「マイナポータル」などを使うことで、パソコンやスマホで医療関係の情報(健康保険証情報、お薬情報)やお金関係の情報(年金、医療費、所得税)などを閲覧できるようになる。投薬情報はスマホアプリ「お薬手帳プラス」との連携も可能だ。

 紛失時の窓口も1つで分かりやすい。紛失時は以下のダイヤルに連絡だ。

デジタル庁マイナンバー総合ダイヤル
0120-95-0178
(フリーダイヤル)
050-3818-1250(IP電話・有料)
【受付時間】紛失には24時間365日対応

https://www.digital.go.jp/policies/mynumber_contact/

メリット③ 行政手続きが楽になる

 マイナンバーカードを取得する事で、行政手続きがオンラインやコンビニで行えるようになる。

 行政による給付金を受け取る際、マイナンバーカードを使って公金受取口座を登録しておけば、給付金申請のたびに口座情報を記載したり、通帳の写しを用意したりする必要がなくなる。

 マイナポータルを使えば、年金関係の手続き(学生の納付猶予など)や確定申告の手続きがオンラインで行えるようになる。

 マイナンバーカードを使えば、コンビニで各種証明書を発行できるようになる。毎日6:30~23:00に発行可能なので、役所が閉まっている時でも急いで発行しに行ける。普段の利便性に加え、緊急時の事を考えたリスクマネジメントの一環となるだろう。対象になるのは以下の書類だ。

・住民票の写し
・住民票記載事項証明書
・印鑑登録証明書
・各種税証明書
・戸籍証明書(全部事項証明書、個人事項証明書)
・戸籍の附票の写し
・新型コロナウイルス感染症予防接種証明書

https://www.lg-waps.go.jp/01-00.html

 なお、盗まれたカードでこれらの書類が不正に取得される不安があるだろうが、発行の際は暗証番号が必要だし、これらの書類だけでは免許の偽造などは行えない(別の身分証明書で本人確認されるため)。役所の窓口であろうと口頭での本人確認を悪用するなどして不正に取得されるリスクはある。

 マイナポータルやコンビニ発行はマイナンバーカードのICチップを読み取ることで行えるが、ICチップ自体に戸籍情報や診療情報が記録されるわけではない。また、セキュリティの国際評価基準 Common Criteria(ISO/IEC 15408)の認証を取得している。

https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/fb0b3edb-47c6-4eed-abeb-f161194a703f/20211116_policies_posts_mynumber_security_08.pdf

メリット④ 有効な診療を受けられる

 紙の健康保険証の代わりにマイナンバーカードを用いて受診すれば、他の医療機関の診療情報や、特定検診のデータが共有される。これによって病院でより適切な診察を受けられるようになる可能性がある。

 また、医療機関にとっても利益がある。マイナンバーカードを読み取ることで、病院側が手入力の手間を省いたり、保険診療を行える資格の確認を確実に行えるので過誤請求・レセプト返戻などを防げる。このような医療側の効率化は遠回しに我々にもメリットとなるだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?