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アスリートが誹謗中傷の存在を告白 五輪反対派はさらに攻撃、日本は「被害者が被害を告白できない国」へ

 アスリートに対する誹謗中傷が問題になっている。中傷意見の存在を告白するアスリートが増える中、五輪反対派は告白そのものを否定し、被害を告白できる社会から日本を遠ざけようとしている。中にはセクハラ被害の当事者が声を上げる「MeToo」運動に賛同していた人もおり、日本のリベラル勢力の人権軽視という課題が鮮明となった。

五輪反対派による中傷

 五輪の開催に反対する人によるアスリート攻撃は日本国内でも問題となった。競泳の池江選手に対し、ダイレクトメッセージで批判の声が送られていたという卑劣な攻撃が明らかになった事は記憶に新しい。

 さらに、五輪開催を求めていた体操競技の内村選手に対して「死ね」と書き込んだものも多く見られた。

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 アスリートに罪は無い。アスリートにも生活がかかっており、活動の舞台が無ければ、それこそ「死活問題」だ。意見があるならまずは責任ある主催者に言うべきである。しかし、自身の要求が通らないからと言って、アスリートに行動を要求し、それがかなわない選手を中傷するというのはとても正気の沙汰とは思えない。

 体操競技の村上選手も中傷コメントを目にした一人だ。競技後、「コロナになってアスリートが発言するのはすごく難しい。もう消去しましたけど、そういう嫌なコメントを見てしまって…。すごく残念でした」「そういう人を見返したいと思って、この1年頑張ってきた。そういう人たちに思い知ったかと思ってもらいたいです」と語った。

中国から中傷コメント

 今大会では、判定をめぐって中国からの批判コメントが相次いだ。体操競技で金メダルを取った橋本選手に「日本の恥」などと複数の書き込みがなされた。

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 橋本選手への中傷は、跳馬で大きなミスがあったのに高得点だった、というのが理由だが、同様に片足を外すミスがあった中国の肖選手と同じ点数だった。

 体操で金メダルを獲得した卓球混合ダブルスの水谷・伊藤選手への中傷コメントも相次いだ。決勝で中国選手を下したことが発端だ。水谷選手はTwitterで「とある国から、「○ね、くたばれ、消えろ」とかめっちゃDMくるんだけど免疫ありすぎる俺の心には1ミリもダメージない」とツイートした(現在は削除されている)。

 水球でも、中国語を使うアカウントから過激なコメントが目立った。中国選手を日本選手が溺れさせようとしている場面がSNSで拡散された。

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 実際は、中国選手が日本選手を妨害するために、日本選手の下に潜り込んだ場面である。水球は「対中の格闘技」とも呼ばれ、過激に見える場面は数多くあり、そのうちの一つに過ぎない。

中傷告白をも抑圧

 そして今回の中傷告白で目立ったのが、その告白そのものを否定するコメントも多く書き込まれていた事だ。

 ジャーナリストの清水潔氏は、村上選手のコメントに対して「これはちょっと」「言い過ぎ」などと批判。

 水谷選手については、中傷コメントは「とある国から」だとツイートしており、これに「差別を強化する」という的外れな批判意見が書き込まれた。

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 キャリアコンサルタントの境野今日子氏は、中傷意見をアスリートが告白する流れに「人権後進国が世界に露呈している」と書き込んだ。

※現在はプロフィール写真と名前が変わっている

 境野氏は「申し訳ないけどメダルの速報とか不愉快でしかない。そんなことどうでもいいわ。」というツイートをリツイート(拡散)しており、五輪やアスリートに対する敵意を隠していない。

 ところで境野氏は、セクハラの存在を被害者が告白する「MeToo」運動に賛同し、次のように話していたことがある。

当事者が声をあげて伝える内容には、会社をよくするヒントがたくさん詰まっている。テレビで見てきたような“声を上げる人”が、職場や学校など現実世界に現れた時、周囲が声を拾えば、どれだけの気付きがあり、どれだけの改善が見られることだろう。

 ダブルスタンダードすら見られる「アスリートの被害告白反対運動」には強い問題意識を持ってしまう。日本は中傷被害を告白できない人権後進国となってしまうのだろうか。


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