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20210417 会社がなくなる(昔の日記)

2017年4月、タクシードライバーになろうとして上京した当時の僕の頭に、ぼんやりと描いていた未来予想図があった。その中で大きなウェイトを占めていたのが他でもない、2020東京オリンピックだった。入社4年目、都内の道もなんとなく覚えてきて、徐々に脂が乗ってきた良い頃合いで大きな稼ぎ時がやってくる。

ところが現実は残酷だ。コロナが流行り予定が狂った。こんなことになるとは誰も思わなかったであろう。

五輪が延期され、自分のドライバー4年目はとうにすぎ、5年目を超えたある日、朝会社にいくと管理者からのお達しで社員が集められ、社長からのお言葉があった。

「かねてから経営が辛かった。タクシー事業を他社に譲渡する。みんなは譲渡された側の会社で働いてもらおうと考えている。この会社としては7月末で廃業、倒産」

脂の乗った頃に訪れたのは、オリンピックを待たずに会社の消滅という衝撃的な事態であった。

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