11/09 CA「夫婦別姓についての是非」


記事

夫婦別姓を認めない民法の規定により法律上の婚姻が出来ず精神的苦痛を負ったとして事実婚の計7人が国に賠償を求めたが最高裁は原告側の上告を退けたという。賠償を認めない結論は最高裁判事5人の全員一致であったが、うち2人は夫婦別姓を認めないことを「違憲」とした。民法750条で夫婦同棲を定めており、戸籍法74条第1号に婚姻届の手続きが記されている。その二つが壁となり、社会的に夫婦を承認することが難しくなっている。民法750条→夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の姓を称する。戸籍法74条第1号→戸籍に関する事務は、この法律に別段の定めがあるものを除き、市町村長がこれを管掌する。また今世界中を見ても夫婦同姓を法律で義務付けている国は日本だけである。海外は夫婦別姓を公認し始めている事実があること、さらに離婚後も結婚事の苗字を名乗り続けることができる柔軟な対応がなされているのに夫婦別姓は未だ認められていない。
ちなみに日本の夫婦同姓の現状は、夫の姓にしている家庭が96%にも登っているということだ。

そこで今回のテーマについて私は夫婦別姓について賛成の立場で立論するので、皆さんは反対の立場で立論をお願いします。

議論

質問

Q選択制夫婦別姓も含むか?
A含んで議論を行う。

Qわざわざ別姓にすべきではないのでは?
A事実婚だと税金の控除などが受けられない状況だから、社会的だけでなく法的に認めてもらいたいから必要。

Q夫婦同氏制だと受けられるから別姓に必要ないのではないか?
A公的な手続きを二重にしないといけないから手間が省ける。

Q利便性をとるのか別姓をとるのか
A今回は議論を含めない。

Q法務省のデータによると半数以上は同姓維持でいいとなっているし必要ではないのでは?
A制度の手続きの支障などが本質ではない。夫婦同姓の人たちは当事者ではないからわからない部分もある。

Q少数派と多数派の両方を聞くべきでは?
A差別的な考えがある

Q異なる価値観の人がいる中でどのように納得させるのか
A制度は廃止されているけど、その影響で夫の姓の家庭が多数。そこが問題。

Qいじめが起きるのではないか?
A経験上不都合なことはおきてないから大丈夫。

Q人種的な問題があるから同姓の方がいいのでは?

意見・論点

1.公的な手続が不要になる
→結婚する際に免許証や保険証などの公的なものから、銀行口座やクレジットカードなどあらゆるものの変更手続きが必要であるが、その手間が省ける

2.プライバシーが保護される
→結婚や離婚といった大きな決断を周りに報告しなくて良くなる

Q夫婦別姓にしたとしても保護されないのでは?例:SNSなど
A公に発表しなくてよくなる。現状、結婚したら姓が変わり報告が必要。

Q企業に結婚したことを報告することで福利厚生(給料など)が変わることがあるのに知られたくないという理由だけで結婚を報告しない人は少ないのでは?

3.仕事への支障が減る
→取引先や会社内での混乱、結婚によるマタニティハラスメントなどを防げる

Q民法上別姓にしてもしなくても、現状、支障がでないようにできる。(結婚前の名字使える)
A支障が出てる人もいる。

予想される反論・再反論

1.事実婚扱いになる
→日本から古く伝わる「家制度」「イエ制度」が障害になっている。
 女性の社会進出を推し進めるなら「イエ制度」は廃止するように動けばいいのではないか

Q家族を敵とみなしているのではないか?
A昔は別姓もあったが認められなくなり、イエ制度が障害となっている。

Qそもそも、名字を廃止すべきではないか
Aそれをすると公的な手続きの際に支障が出る。

2.子供が産まれる際に支障が出るのではないか
→事実婚では基本的に母親の姓を名乗ることを主としている。海外では夫婦それぞれの姓をつなげたものを子供の姓にしている国もある。日本用に落とし込んで新しく制度として構えると思う。

Q相続において子どもの名字の取り合いがおきるのではないか。
Aそこは選択的夫婦別姓を選べばいい。そもそもそこで喧嘩するなら結婚は必要ない。夫婦間の問題。

3.相続権や税金の控除など公的な権利が認められない
→公的な権利を持てるように制度を変更する動きに向かっていくタイミングである
戦略的に事実婚をする人が出てくるのではないか
→今でも「玉の輿に乗る」という言葉があるように戦略的に婚姻を結んで良い思いをしている男女はいるので、そこはどんな制度を作っても抜け道はできる。

4.家族の一体感が薄れるのではないか
→夫婦同姓の今でも離婚する人は離婚するし、事実婚でも一生一緒にいる人はいる。夫婦別姓で薄れるぐらいなら辞めておくべき

参考文献・URL

  1. 朝日新聞「夫婦同姓訴訟、最高裁判事5人中2人は「違憲」と指摘 賠償は認めず」(2022年3月23日)https://www.asahi.com/articles/ASQ3R5JBHQ3RUTIL03C.html

  2. コメチャンネル「夫婦別姓とは?メリットやデメリットを中心に現状の課題を解説」(2023年7月13日)https://www.komei.or.jp/komechan/diversity/diversity202306/#%E9%81%B8%E6%8A%9E%E7%9A%84%E5%A4%AB%E5%A9%A6%E5%88%A5%E5%A7%93

  3. 大阪相続遺言センター「夫婦別姓、世界の国では?日本の場合は相続に注意が必要」(2023年7月21日)https://www.pip-souzoku.com/blog/2015/02/post-1629.html

【先生からのコメント】

私(先生自身)も通称を使用している。権利上の問題として学者において不都合はあるが、仕事上支障がないことも多い。しかし、その点で議論するのはナンセンス。本質的な話としては夫婦別姓にするか否かが問題ではなくて現状の社会を鑑みたときに(主に)女性が同性にしなければいけないことが女性差別の代表的なものであって、その差別という問題を解消するうえで選択的夫婦別姓は必然的であるため議論の余地がない。







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