劇場版「ウマ娘プリティーダービー新時代の扉」感想
劇場版「ウマ娘プリティーダービー新時代の扉」はご覧になられたでしょうか?
時系列・作品的にも前作にあたるWEB公開アニメ「ウマ娘プリティーダービーROAD TO THE TOP」
通称RTTTの劇場再編集版のエンドロール後に予告公開がされており、この作品は絶対映画館で観なきゃダメだ!という使命感に駆られ、これまでに計4回程観にいきました。(内1回は4DMX)
素晴らしかった。
目頭が熱くなるほど「笑って泣けて感動して熱くなれる」そんな作品だった。
トップガンマーヴェリックでお馴染み、世界秩序守るスーパーヒーロー、トムクルーズも劇場体験に特化した映画こそ至高のエンターテイメントであると公言してるとかしてないとか。
個人的な各評価点
【ストーリー】★★★★★
【演出・作画】★★★★★
【音楽・声優】★★★★★
【王道熱血スポ根度】★★★★★★★★★★
【プリティー要素】★★
【愛】★★★★★
★は5段階評価にて採点
総合評価得点:120点(120点中)※忖度あり
元々競馬自体は嗜んでいる身であり、ウマ娘はアプリから入ったのだが、まさかここまでのポテンシャルがあるコンテンツとは思わなかった。
とにかく見所が多すぎる作品ではあるが、私的に特に感情を揺さぶられたアグネスタキオンをメインに感想を述べていきたい。
何よりもアグネスタキオンを演じる上坂すみれ(通称すみぺ)さんの演技力に圧倒されてしまった。
自らの目的の為なら他者を実験対象としてしか見れない、冷徹さと少しお節介な面もありつつも、ウマ娘の本能と衝動である「走りたい」「勝ちたい」という欲求に抗えずにいるキャラクターの感情を見事に表現していた。(すみぺすげぇ!!すげぇよ!!!)
劇中序盤の見せ所である、皐月賞で魅せた圧巻の走りは必見。
「極限の走り」を見事に映像化しており、音、光、演出、臨場感を体感できる。
(飛行機雲の演出考えた人、天才すぎる)
⚠️ここからは少しネタバレです⚠️
劇中は展開も早く、かつ分かりやすいのでテンポが非常に良かった。
そして序盤の皐月賞以降、物語は大きく動き出す。
レースへの休止宣言をしたタキオンは物悲しさを醸し出しつつも、どうする事も出来ない感情を押し殺し自らの殻に閉じこもってしまう。
だが無情にも時間は流れていく。
迎えた東京優駿は最有力のタキオン不在の中、ジャングルポケット(以下ポッケ)がダンツフレームとの激戦を制し、ついに掴んだ「最強の称号」がポッケに返って深い闇を落としてしまう。
しかし一生に一度の栄光を手にした事は事実。
フジキセキやナベトレーナーの夢を叶え、喜びに憂う瞬間であるにも関わらず、違和感を感じるポッケの叫びを演じた声優の藤本さんの演技力もお見事である。
(ジャパンカップ後の叫びとの対比がまた良いんだコレ)
ポッケだけでなく、タキオンも自分が走らない事への違和感を日々感じてしまい、1人苦悩するシーンは観ていて苦しくなる。
そして迷走するポッケにフジキセキが走りで「限界なんて無い」事を証明する為の並走シーンも良かった…
フジキセキが教えてくれた、走る事の意味をポッケはタキオンに証明するジャパンカップ。
かつて自分がみせた「極限の走り」を、今まさに越えようとするポッケにタキオンは寂しさすら感じていたのではないだろうか。
最後はポッケの走りに呼応するように走り出すタキオン。
アニメ一期から表現している「走りたい」「勝ちたい」というウマ娘の欲求は、作品を通してのコンセプトなのだろう。
そのブレなさがシリーズを視聴している人には深掘りとして見る事も出来るし、初見の人にはウマ娘という作品の根幹に触れる事ができる。
人はそう簡単に自分を変える事は出来ない。
だが少しずつでも変わっていく事は出来るし、どんなに苦しい状況に置かれても、夢をみることは出来る。
限界を自分で決めるか、無限の可能性に挑戦するか、全ては自分次第で世界は変わっていく。
タキオンは絶対的な走りでポッケに絶望を与えたが、最後にはポッケが走りでタキオンに希望を示す。
この対比に感動してしまった。
史実とは異なるifの展開として、主要メンバーの4人がラストに走り出す瞬間、本当に良かったと思えるほどに救いがあった。
そしてプリティー要素のライブも良かった。
走り続けていく前向きな歌に、この物語の全てが詰まっていた。
(ライブ最高だった。うまぴょい伝説最高だった。うん最&高だねこりゃ)
この映画を是非劇場のスクリーンと音響で体感して欲しい。
改めて伝えるが、全てに置いて高クオリティに仕上がり、今年1番の映画に出会えたと私は感じている。
note通して可愛らしいキャラクター映画だけではでない事が伝われば幸いだ。