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知らぬが仏

2022の年末から絵を描き出した。
描き慣れてきたら、プラス、アイディアが出てきたら漫画を書きたいと思っている。

しかし、まあ、十数年ぶりに上手くなりたいという思いの元から、真正面からむきあって描き出すと自分がいかに描けないかということにぶち当たる。

昔はただ、ただ、描くのが楽しかった。下手くそでも出来上がった絵をみて、ある種の満足感を得ていた。

しかしながら、今、人に面白く思ってもらいたと思って描き出すと、形が出来たところで全然満足いかない。

プロの絵を見て、SNSの絵師達の絵をみて、その仕上がり具合、発想力はもちろんのこと、線一本の引き方ですら敵わないことに苦笑している。

だからこそ、人気の作品の凄みを尚更に楽しむ事もできるようになった気がする。非常に勉強になる。

知らぬが仏とはよく言ったものだ。

何も知らず、ただ絵を描いたときはさほど悩むこともなく、心は平穏である。ある意味、仏の心だ。

しかし、これは言い換えればこれは、現状に満足し、何も考えていない状態。

自分の不足を知れば、不足を補おうと欲が出る。欲が出れば心乱れる。

実際、仏様も悟りを開かれるまでは世の中の真理を追い求めていらっしゃったと聞いた。


まだまだ至らぬ私は、仏になるには早すぎる。知らぬが仏と目を背けずに、様々なものに目を向けて、自分の欲と付き合って行こうと思う。

とにかく今は絵が上手くなりたい。

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