1日で辞めた過酷なバイトの話。
ライン工場を辞めて次の派遣先を決めるに当たって、かなり条件の良いバイトをみつけた。釣りかもしれないしな?と先にその仕事がある事も電話で確認した上で、登録説明会へ行く事にした。
駅からも近い綺麗なオフィスだったが、会場に入ると淀んだ空気を感じた。派遣の登録会は初めてだったが、参加者を見た時に失敗したかも?と思いつつ、説明会が始まる。
登録の仕方など一通りの説明ビデオ鑑賞の後に社員の説明があったが、この社員にもうさんくささを感じた。
顔つき、喋り方、所作が詐欺師っぽいのである。最後の最後に「日雇い派遣禁止の例外」の話をされる。この時点で開始から1時間半は経過していただろう。
例外になるのが①60歳以上②雇用保険の適用を受けない学生③生業収入500万以上④世帯主収入500万以上と聞いて仕事が出来ないと分かり帰る女性2人組。
一番最初にこの説明をしないところが不親切である。時間の無駄だ。
ここで仕事をする事ができるのは例外に当たる人か、がっちり働く人のみだ。
個別面談では電話で問い合わせた仕事をしたい事を伝えると、まさかでその仕事がないと言われた。
アパレルのタグ付けだったが、海外からの飛行機の便がコロナの影響で飛ばないから今は商品がないのだと言う。次飛行機が飛んだ時に連絡しますと言われたが、その連絡は1度もなかった。
正真正銘の釣り案件である。確認したのに意味なし。ないなら説明会に来なかったのに。
個別面談まで2時間も費やしたので、別の仕事をやることに決めた。それが最悪の地獄になるとはその時は思いもせずに…。
仕事はスーパーに卸す食品の搬送と仕分け作業だった。社員の説明では最初の1時間くらいは牛乳やヨーグルトの入ったカゴ車を運んで、後はもやしなど軽い野菜を仕分けるだけで、女性は重たいカゴ車を運ぶ事をそんなにしないと聞いていた。
実際はその重たいカゴ車を運ぶ作業がメインであった。スタートから休憩までの3時間ぶっとうし。
30分で腰にきて、泣きそうになりながら、ベテランおばちゃん達がもやしの仕分けをしているのを横目で見る。
いつあちら側に呼んでくれるの?と期待するも、その時はこなかった。
この食品倉庫に入る前から嫌な予感はしていた。入口にはガラの悪そうな方々。男女共にタバコを吸っている。予感という物は当たるよね~と、思い返せばそれは説明会の会場から察知していた。
これからは自分の予感をもっと受け止める!!
休憩後も力仕事が続くのであった…。ライン工場のバイトで腰の調子が悪くなったのだが、ここでの重労働は体感的にも精神的にもその3倍はきつい物だった。
二度とやりたくない地獄の重労働は22時から5時でやっと終わりを迎えた。
この派遣会社では二度と仕事をしたくなっかたので、次の日に振り込み手続きと共に社員に仕事内容があまりに酷かった事を伝えた。
棒読みで「そうですか」みたいな反応で、仕事紹介の時の寄り添ってくれる感じは1㎜もなかった。あれは演技だったのかな。ブラック企業かな。綺麗さっぱり辞める事ができた。
唯一良かった事は手続き後に翌日払いだった事だ。
初めて登録した派遣会社は説明会もなくすぐに仕事を紹介してくれたが、この派遣会社以来、時間の無駄になる可能性もあるので説明会がある会社の求人は選ばないと決めた。