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演劇のような、演劇でないような

先日、今までに2回陰湿集団で公演をさせてもらったリノベーションミュージアム冷泉荘で、劇作家の岸井大輔さんと、冷泉荘入居者の山内さんのトークイベントに参加してきた。

2人の対談を観客が聞く、というスタイルではなく、テーブルを囲んで缶ビールを飲みながら、という、ラフな感じ。

岸井さんが用意してきたテーマに加え、参加者からの質問(僕がした質問から「演技のうまい・へた問題」)にも触れてトークを展開していった。

岸井さんは人文地理学にも精通されていて、小保方さんがいかに名女優か、という話から、先ほどのうまい・へた問題、そしていい演劇の条件、法華経や、三蔵法師のエピソードまで、幅広いような狭いようなテーマで、全てに演劇的な観点で触れていく。

特に小保方さんの話。僕が生物系の専攻であったのもあって、「キラキラ系(とこの場では呼んでいた)」の科学者に対する違和感には同意しつつ、大学で、周りにそういう感じの人が多いなあとも思ったり。科学者は己の探究心を満たすことを目的として、物理法則、あるいは化学現象、あるいは生命現象を解き明かしていく人たちだ。が、現在日本では(あるところの話によると、もはや日本だけではないらしい)、科学者として生きるためにはプレゼンテーションをして、自分の研究がいかに人類の幸福に貢献するものかを示して、金を得なければならない。このプレゼンテーションに特化した「科学者」が現れ始め、その先駆者、理研までも騙してしまったのが小保方さんだったのではないか。(と、断定は控えておく)

※文章を書くのが下手で、曖昧になってしまっているが、ここに書いたことは全て、その日話を聞いて自分の頭に今残っていることとしておく。丸っきり話に出ていたことではないし、脳内で改変が起きている。

以前、スタニスラフスキー・システムを取り入れた韓国人演技コーチ(東京でも活動中)のワークショップを受けた。そこでは、身体にものすごい負荷をかけることで、「ゼロの自分」をそこにいた全員が体感し、その後のワークでは自由に身体を動かすことができた。演劇的にいい体験をしたと思っているが、これがもし宗教団体で、教祖が「私のパワーを与えました」と言えば、皆信じてしまうのだろう。

岸井さんの「宗教団体は劇団」という言葉がしっくりきた。

儀式は演劇だ。
神様という役を身体に憑依させ、演じることで仲間を救う。

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