映画プロデューサーからフィルムメイカーへの道
アウトドアの分野を中心にコンテンツプロデューサーの仕事を10年くらいしてきているわけだけれど、昨年終わりころに自分の肩書きとしてプロデューサーと名乗るを発作的にやめた。
(理由は長くなりそうなので、別途また記そうと思う>>>別記事で書きました。https://note.com/yama3nova3/n/n3fd211611cc4)
同時に今回、長年YAMANOVAで製作進行中のドキュメンタリー映画プロジェクトのチームメイトだった映像作家の野澤邦男氏がチームから離れることになりました。
ほんと、すごいタイミングなのだけれど、SNSでプロデューサー名乗るのやめましたという投稿のちょっと後に野澤くんと映画の打ち合わせをする機会があり、薄々そうじゃないかなと感じていたのだけど、彼はこう切り出した。
「この映画のプロジェクトから降りたいと思うんです。ほんと途中で投げ出すようで申し訳ないのですが。。。
理由は、阿部ちゃんの本質を自分はドキュメンタリー映画として描けないのではないかと思い始めたからと、同時並行ですすめている自分の劇映画のプロジェクトが佳境にはいり、集中して阿部ちゃんを追いかけられないからです。そしてそんな状態で自分の冒険に本気の阿部ちゃんの映画を作り続けるのはいけないと思っているんです。」
上記は野澤くんの言った言葉そのままじゃあないけれど、概ねこういう内容のことを彼は打ち合わせの冒頭におだやかに語った。
それを受けてぼくは、それでいいと瞬間に思った。
引き止める理由がない。
この映画をつくるのは君しかいないよ!待ってよ待って、考え直してよ、とは思わなかった。
彼はきっといい映画を作ってくれるだろうし、そう思ってこのプロジェクトに参画してもらった。
だからといって、彼のその考えをぼくは止める気にならなかった。
本来劇映画で賞取りを目指していて映像作家として世界に羽ばたこうとしている彼の本気の夢を応援したかったし、ドキュメンタリー映画プロジェクトと並行することで足枷になるのならそれはやめるべきだと思った。
もちろん、このプロジェクトに参画するときにドキュメンタリーにも彼は本気だったけれど、その前から彼が夢見ていた自身の劇映画のことはぼくもよく聞いていたので、そちらを優先したい気持ちに違和感はなかった。
それに、阿部ちゃんの本質を描く自信がなくなってしまったと作家自ら宣言したことを尊重したいと思った。
そして、僕自身がプロデューサーと名乗るのをやめたこととリンクするから。
この映画についてぼくの中でもプロデューサーという枠を取っ払って、もっと手応えをもって自ら創りたいという想いを持ち始めてたのだ。
(と改めて気づいた。)
ということで、これからは、プロデューサー、監督、編集、撮影など枠をとっぱらって自らフィルムメイカーとして阿部ちゃんのドキュメンタリー映画を創っていく。
もちろんすべて一人でやろうというわけではない。
でも自ら手応えをもってメイカーになるということ。
みずから監督、撮影、編集するのは、もう20年ぶりくらいだし、そこを突き詰めてこなかったから、正直なところ半分素人でもある。
いろんな人の手を借りないと良いものは作れない。
でもある種D.I.Y.なスピリッツで、渾身の作品にしていきたいと思う。
協力したい人ももちろんウエルカムだ。
そしてそして、この冒険家の生き様を描くヒューマンドキュメンタリーのプロジェクトは、1つの映画を創るというゴールに止まらず、一人の人間の生き様を自分のフィルターを通したアーカイブアートとして記録プロジェクトにすると決意したことをここに静かに発表する。
その魁として、撮影素材を丸ごと、ほぼ生のまま公開していきます。
・映画ができる過程の共有
・映画になると多くの撮影素材がお蔵入りになる。その貴重な記録の共有
・記録自体が表現である
・新しい映画作りへの挑戦
という観点で、”蔵出し生ドキュメンタリー”としてYAMANOVAのnoteで有料の定期購読マガジンとしてまもなく公開しようと思う。
公開する蔵出し素材は、映画で使うかわからない素材、NGカット、手ブレやピンボケ、音声などの失敗カットも含まれる。
なるべくすべての素材を見せていきたいとおもう。
半分素人なぼくが撮影した機材になれない失敗カットもお楽しみください。
そしてフィルムメイカーになる過程も見てもらえたらと勝手ながら思う。
何より阿部雅龍氏の普段見せない、見れない素顔や私生活も垣間見てほしいと思う。強く優しくかっこよく、だけじゃない冒険家の生き様を。
この蔵出し企画からすでに新たな仲間が新加入。
ヤマノバコーヒーのサポートもしてくれている小林由希氏。
本業はもちつつ、映像編集をこれからどしどしやってきたいとのことでジョインしてくれた。
(素材そのままの蔵出しといっても多少整えたり、カットしたり、クレジットなどの編集は発生する)
まずは、フィルムメイカー宣言と映画チーム編成の変更の発表まで。
YAMANOVAのnoteはこちら。
https://note.com/yamanova_mag/
YAMANOVA主宰/ヤマノバコーヒー代表
山本喜昭