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『自分を愛する力/乙武洋匡』書評ではなく、読書感想文
困難な状況であればあるほど、救うのは自分だと感じた。つまりは自己肯定感、本の題名にもなっている『自分を愛する力』だ。
それを育むのに必要なことは二つ。
そのままの自分を受け入れられることと、愛されること。
自己肯定感があると、愛されることも、愛を伝えることも、自己主張も素直に出来るようになる。
自己肯定感は自己愛ではあるが、健全な自己愛であって、自分が望むことは叶えたいだけの欲望を剥き出しにするのとは違う。
健全な自己愛を持つ者は、自分を大切にするのと同じように相手も大切にすることができる。自分だけを大切にして相手からもっともっとと受け取ることばかり要求する気持ちは愛情ではなく欲望だ。
言葉で誰かに何かを伝えると言うことは、伝えたい人に愛情を持って接しないとできないことなのかもしれない。奪おうとする人へは何も伝えられない。
自分の意見は正しいから、お前は間違っていると自分だけが大切で、他人の考えを大切に出来ないのは成熟していない成長過程の自己愛か歪んだ自己愛だ。
幼少期から素敵な両親に育てられて自己肯定感を得られるに越したことはないが、そうではなくても、友達や恋人、読書や小さな成功を積み重ねで自分で気がつくこともあると思う。
難しい問題があって向き合わなくてはならない時、本質を捉えようとすること、おおらかな気持ち自分を見失わないようにすること、自分で考えて行動することが大切だ。
また、完璧を求め過ぎず、失敗を恐れない。失敗を恐れずチャレンジするとは、無謀に考えなしにやることとは違う。想定でこるトラブルの回避方法など自分で考えてイメージしておく。
コミュニケーションは、相手の自尊心と想いを大切にして、変に小細工しないで感謝の心とポジティブな言葉を使って行いたい。自己愛が邪魔をしそう。
教師と父親としての立場で、今度は、自己肯定感を育てる側としての立場も書いていた。劣っているのではなく違っているのが個性。唯一無二の存在を受け入れて愛していることを伝えるには褒めて伝える。言葉にして伝えないと伝わらない。完璧を求めない失敗を恐れない。自分で考え発信する力をつける。期待とプレッシャーは違う。
父親として出来ることでは、子供たちに対してのことばかり書かれていたが、教育者として子供を育てることが中心に考えていることは理解できるが、大人であっても、奥さんにも同じように、そのまま受け入れていること、日々愛していること伝え続けていると書いて欲しかった。一度言ったからわかっているだろうということはない。
教育者の側にいる乙武さん自身だって日々の受け入れられている感じや愛されている実感が得たかったのではないだろうか。
失敗したりすると自信や信頼は揺らいでしまう。ネガティブな時、自分だけでなく他人にも言葉や態度を誤ってしまうことがある。恐怖のあまり、攻撃されそうだと誤認して先制攻撃してしまうこともある。自分の機嫌は自分で取らなくてはならない。
自分以外の人と接する際は、愛情を持ってプラスの意味の言葉を使って伝えるように気をつけていきたい。その姿勢が自然にできて、不完全であっても前を向いて行動を起こせる人になりたい。