電車とホームの間に落ちるような女も這いつくばって生きている
はじめまして。
社会人8年目のアラサー女です。
これが初めてのnoteとなります。
人生も中盤に差し掛かってきたので、日々の出来事や思いを書き綴りたくて始めました。
さっそくタイトル回収をすると、
世の中には毎日がハプニングの連続で
死ぬこと以外かすり傷
ならぬ
生きてるだけで致命傷、
普通に生活しているだけで電車とホームの隙間に落ちるような女がいます。
この出来事は私の人生を形容している事柄の1つだと言えるので、最初に書くことにします。
遡ること十数年前の学生時代。
その日は学校が休みで、友人と原宿で待ち合わせをしていました。
電車でうたた寝しながら、微かに聞こえるアナウンス。「———原宿。原宿に到着です。」
ハッと目が覚める。急いで立ち上がり、開いたドアに向かう。そしていつも通り電車から降りてホームに足を着く、——はずだった。
次の瞬間、
視界がものすごいスピードで切り替わる。
寝ぼけていて何が起こったのかわからない。
電車の発車メロディが鳴ってふと我に返り、
自分がホームから足を踏み外したことに気付く。
幸いにも、私はスリムではない。
スリムではないので、踏み外して勢いよく落ちたものの、ホームの下には着地せずおしりで突っかかったのだ。
よかった、スリムじゃなくて。スリムだったら、すり抜けて両足ごと落ちていたかもしれない。
十数年前の原宿駅にはホームドアなんてなくて、電車とホームの間も物凄く離れていた。
決してスリムじゃなくても、踏み外して落ちるには充分すぎるくらいの幅があった。
そのとき目の前に飛び込んできたのは、ホームで電車を待っていたおばちゃん集団4人〜6人。
奇跡だ。今思えば、ここで人生の運を使い果たしたのかもしれない。
すぐさま私の異変に気付いてくれて、手を引っ張って引き抜いてもらった。
まるで絵本の「おおきなかぶ」みたいに。
うんとこしょ、どっこいしょ。
ありがとう、頼もしいおばちゃんたち…
「それでもかぶは、抜けません。」とはならず、
こうして私は一命を取り留めた。
電車を止めて人様に多大なる迷惑をかける事態にもならずに済んだ。
別れ際にそれぞれおばちゃんが声をかけてくれたが、全員声が大きくて何ひとつ聞き取れなかった。
私はおばちゃんたちに何度も頭を下げてお礼を伝え、手を振って見送った。
落ちたのも助けてもらったのも、
電車が到着してから発車するまでの一瞬の出来事だった。
駅ホームへの転落事故はこうして起こるのだろうか…?
どのような原因が多いのか調べてみた。
多い順に並べてみる。
そっか。
寝ぼけて落ちたという項目はないんだ。
……発車して下半身が持っていかれるのが先か、ホームに登り切るのが先か。生きるか死ぬか——。
そんな究極の状況だったので気づかなかったが、じわじわと下半身が痛み出す。
10代のピチピチガールだった当時の私の服装は、短パンに20ダニールほどの薄手の黒タイツだった。
タイツは伝染し、足はアザだらけ。薄いタイツの上からも充分わかるくらい大量のアザ。
1番大きなアザは、おしりが突っかかったときに強打した腰骨と太ももだった。
見るからに痛々しくて、ちゃんと痛い。
足を引きずりながらなんとか友達と合流し、事情を説明したら「yamaちゃんらしいね」と心配しながらも笑ってくれて、気持ちが楽になったことは覚えている。その後のことはあまり記憶にない。
今振り返ってもよく生きていたなと思う。
幼少期からお転婆で怖いもの知らず。高さのある遊具からよく落下していたものの、骨折や大怪我をしたことは一度もなかったらしい。極端に骨太なのか、不死身なのか。
こんな女が社会に放出されるなんて、全く恐ろしい世の中だ。
普通の人が普通にできることができない。
要領よく器用に生きて行くことは難しい。
現在進行形で人生がハードモードなのも納得できる。失敗を活かそうと思って生きていてもまた新たなハプニングが起こるので、何が起こっても自分だけは自分の全てを受け入れて生きて行くと決めているのだ。
受け入れざるを…得ないのだ。
そんな私から言えることは、
ホームドアが付いていても油断しないで。
寝ぼけたまま電車を降りる時は足元に注意して。
生きていたら辛いことも多々あるかと思いますが、電車とホームの間に落ちるような女も這いつくばって生きているので、安心してください。
踏み外して電車とホームの隙間に落ちる可能性は誰にだって、…あまり無いと思います。
本当にすみませんでした。
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