夏の悪いヤツ・その3 寒邪
こんにちは!
北海道の中医薬膳師、みやこです。
日々のちょっとした不調を整える薬膳や薬膳の小ネタなどを紹介しています。
第16回、夏の悪いヤツ、最後を飾るのは「寒邪」です。
蒸し暑い夏に寒さの邪気?と思うかもしれませんが、意外と身近に潜んでいます。
しかも湿邪同様、寒邪は外から内から襲ってきます。
寒邪は空気が冷たく寒い冬に旺盛な邪気ではあるのですが、現代の夏には冷房という機器があります。
冷たい風、吹いてきますよね。
これ寒邪です。
特に雨に濡れたり、汗をかいたりしたあと風に当たると寒邪は身体に侵入しやすいのです。
暑い中に外を歩いて汗をかき冷房の効いた室内に入る、一瞬ヒヤッと涼しく気持ちがよいですが、実は寒邪に襲われている最中ともいえます。
また、元々の体質や加齢、慢性病、過労によりエネルギーが不足すると、身体を温めることができず冷えが生じます。
この冷えが体内で生まれる寒邪です。
さらに、アイスクリームやかき氷、キンキンに冷えたビールなどの冷たいもの、摂りますよね。
これも冷えを生む原因となります。
冷えが生じて寒邪となる一方、寒邪は身体を温め保護しているエネルギーを傷つけるので身体が冷えてしまいます。
悪循環ですね。
そして悪寒や発熱、足腰の冷え、下痢などの症状を引き起こします。
寒邪には、身体を固くして気血の流れを滞らせるという特徴もあります。
これにより頭やお腹、関節や足腰に鋭い痛みの症状が出てきます。
さらに、寒邪は身体を縮こまりやすくさせます。
筋肉や関節などが痙攣を起こしやすくなり、足の痙攣、気管支炎、心脳血管疾患の症状が現れます。
寒邪対策は「温める」がポイントです。
外から入ってくる寒邪は、表面にいるうちに追い払います。
生姜やネギ、大葉、パクチー、茗荷などの薬味は、体表にいる邪気を発散させ、気血の巡りを改善して身体を温めます。
冷房の効いたオフィスでのランチには、温かい麺類に薬味をたっぷりなんてよいかもしれません。
内から生じる寒邪には、ニラやピーマン、唐辛子、山椒、胡椒、黒砂糖、シナモンやクローブなどのスパイス類がオススメです。
身体を芯から温め体内の寒邪を散らすはたらきがあります。
冷たいものを摂らないなどの対策も必要ですが、身体を温めるエネルギーを作れるようになることも重要です。
お米や芋類、胡桃、栗、きのこ類、鶏肉、羊肉、鹿肉、海老などの食材を使います。
ただし、夏や熱をもちやすいタイプの方は身体を温め過ぎると熱を生むことにもなり、別の不調の原因となってしまいます。
やはり「中庸」、何事もほどほどにバランスよく、です。
さてここまで、夏の悪者である「暑邪、湿邪、寒邪」について紹介しました。
それぞれの邪気対策にオススメの食材もあげてきました。
次はそれらを「薬膳としてどう食べるか」についてお伝えします。
ぜひご覧くださいね。
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