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私の開業まで

さて2記事目です。

前回の記事にも記載しましたが、私は11年目の薬剤師です。

そんな私の開業までの軌跡を書こうと思います。


開業意欲

私は父が経営者ではあるものの、ことあるごとに

「社長はつらいぞ。人生やり直せるなら二度と社長にはならない。」

と言われながら育ってきました。

家業を継ぐことは若干頭の片隅にありながら、父のあまり家業を継がせたくないという思いもあり、全く異なる道に走りました。

正直父のいう通り、現状しんどい思いはしているものの、独立したこと自体には後悔はありません。

そんな私ですが、社会人4年目までは全く独立を考えていませんでした。

よくいる会社に不満だらけのサラリーマン。

自分の人件費程度、あるいは自分の時間を使って、必死こいていろんな事業所にアプローチしたり、日々の業務に取り組んだり。

当時2社目でしたが、1社目と異なり、超ホワイト。

残業代も出るし、給料もいいし。

ただめちゃくちゃ暇。

お客様、患者様数に対して、従業員が多すぎた。

なお、来客が少なすぎて、自分が外出(営業)に行こうにも、

「あなたがいないと店が回らない。」

と足止めを食らう。

そんなわけないのですが、当時の上司も私の意向はくんでくれながらも人財を失うわけにもいかず、なかなかGoは出してもらえず。

結果、営業後の外回り。

営業時間暇だったので、営業後にとってきた仕事で営業時間中薬局内でできる仕事をこなしていきました。

結果、当時在宅医療0の薬局に在宅の仕事を作り、施設在宅も引っ張ることに成功。

自分のいた地域では初の最高クラスの昇給。

評価は抜群でした。

ただ、若さもあり、現状に満足できず、もやもやする日々。

そんな中、営業のために参加していた講演会で出会った経営者さんに

「あなたは独立したいんじゃないの?うちで一緒に経営しようよ!」

と誘われたことが人生のターニングポイントでした。
薬剤師6年目。30歳を迎えた時期でした。


ヘッドハンティング

一番最初に勤めた会社と比べると2社目で一気に年収は伸びましたが、現状に不満があり、誘ってくださった経営者さんから更にいい給与も提示され、移ることに。

おいでよと言われて2週間内には辞意を上司に伝え、その1か月後には退社。

評価こそしていただいていたので、今となっては申し訳ない気持ちもありますが、いい経験となりました。

ヘッドハンティング先で自身の無力さも痛感しました。
また、誘っていただいた経営者が2店舗目をM&Aしたので、新規薬局の立ち上げも経験しました。その際の人間関係の酸いも甘いも経験しました。

当初共同経営の話がありましたが、だんだん自分の城を持ちたい意欲が出てきました。
勤務しながら、経営塾に通ったり、M&Aを斡旋している業者にアプローチしたりの日々。それが8~9年目32~33歳の間でした。

とても経験にはなりましたが、もう少し他社も経験してみたいという欲求もあり、転職することに。

M&Aした2店舗目は最終私に譲渡、売却を考えていたようですが、60代後半の先生であること、自身の開業して地域貢献したいという地域ではなかったこともあり、見送る形に。

その後は独立に向けて奔走しながら、契約社員として4か月、満了でパート薬剤師、掛け持ちにてもう一社。ダブルワークの1つの企業からパート→正社員申し出から正社員にと激動の1年間。

M&Aの会社から2~3度案件をいただきましたが、どれも今一つ。
薬局経営者に打ってほしいと直談判に行き、断られたり。
独立志望であることをことあるごとに伝えて回るなど。

突飛なことはできていなかったかもしれませんが、地道に動いていた自負だけはあります。

箸休め(私の開業条件)

少しずれますが、あくまで薬局開業の私の中の条件を書きます。

門前薬局

私も薬剤師なりたての頃は、学生時代の勉強の影響もあり、面薬局(門前に病院がない形態の薬局)にあこがれていた時もありました。

第一に人口的な問題があります。
都会ならまだ薬局近辺の人口がある程度いれば、家付近で薬をもらった方がという考えの方の数を一定数稼ぐことができます。田舎になれば体感にはなりますが、都会より門前依存が強く、かつ人口も少ないため、なかなか面受けだけ(在宅特化型や物販に力がある場合を除く)では難しいと思います。

よって稼ぎのベースができやすい門前薬局であるのが第一条件でした。

出店地域

独立が第一目標というわけではなく、生まれ育った地域に恩返しがしたいというのが第一目標だったので、これならどうにかなるという条件が絶妙なラインの場合は断っていました。

今後の人口増加率の見込める居住地域のほうが経営は容易になるかと思います。

まとめ

大きくは上記2点だけに絞りました。
経験の中で、どうしてもおいしい条件の開業案件なんかは個人に降ってくるものではありません。

チェーン薬局の開業部署なんかに身を置いているのも今考えれば大きかったのかもとは思います。

開業案件

結局も大きくもがいたのは1年だけでした。

以前勤めていた会社の経営者さんのつてで、私が生まれ育った地域ドンピシャの開業案件を紹介いただけたのです。

M&Aではなく、新規クリニックの門前薬局。かつ医療モールであと数か所のクリニックが誘致可能。

商業地で地域の中では最も地価が高く、居住されている方は少ない地域。
開業条件として
・開業まで紹介者の法人に就職
・開業時までに自身以外にもう一人薬剤師を雇用すること
・事業計画書を紹介者にも見せること
etc

身バレ対策でこれ以上は避けますがetcの内容にやや厳しいものもありましたが二つ返事。

パート→正社員に変わってすぐではありましたが、受けることにしました。

そこから1年間、上記条件通り、紹介者さんの法人で薬剤師業務を行いながら、開業準備。

途中初期の話と異なる条件提示がいくつかあり、なかなか苦労する一面もありましたが間取りや動線を考えたり、入れる機材や家具選び、開業までの行政手続き等、楽しんで行うことができました。

自身が動く準備自体に苦はなかったです。

結果、開業1か月前まで仕事をしながら開業準備。

内覧会なんかは希望に満ち溢れていました。

ここから苦悩の連続が訪れるとも知らずに…。

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