「ホントにいたこんな熟女」2020年秋№7(おごられるのに弱い女)
「枕営業とは無縁ですね。主婦層が主なお客さんなので(笑い)」
と悪戯っぽく語る彼女は、現在は保険の外交員をして15年目を迎える主婦である。
女優の満島ひかりにも似た凛とした知的なムードを持ちながら、どこか男の我が儘を受け入れる、ダメンズにもてそうな歪んだ母性も感じさせる。そんな彼女の口から語られるこれまでの半生は、自身曰く悔恨の時代だったという。
郷里の愛媛からアーティストの世界に憧れを抱き、都内の短大に進学するとすぐアングラ舞踏にはまり、自らも白塗りのダンサーとして舞台に立つ彼女。
この短大時代には初体験よりも前に同級生からレズの洗礼も受けることになる。ちなみに初体験はそのレズ体験のすぐ後に、バイト先の先輩で済ましている。
やがて短大卒業と同時に舞踏は辞め、就職もせずにフリーターをしながら今度は劇団の養成所から劇団員となりTVの再現ドラマに出演したりするも、退団し今度はアングラバンドに参加。こちらも白塗りでコーラスを担当しヨーロッパ公演にも参加するなど、精力的に表現活動を行った。またこの時期はLSDや合法ドラックを使いトランスパーティーにも度々参加するなど、男っ気は無いがサイケな時代を送っていたという。
「私って男にもはまらなかったし、色んな遊びにもはまらなかった。全部1回切りで終わっていました」
そんなハマら無い彼女が23歳の時に初めてハマる男が登場する。それはSEXが3度の飯よりも好きなマッチョなAV男優志望の大学生。さっそく同棲すると毎晩のように求められSEXの良さを初めて知る彼女。やがて彼は本当にAV男優になると、撮影で試したい体位やテクをまずは彼女で試してから、出演するAVで披露するようになり、実際に自分が出演した作品を彼女に見せながら、演技や技の相談を彼女にするようになっていったという。しかしそんな生活に耐えられなくなり2年で別れる彼女。
「当時はホントに好きだったから、やめてって言ったら、うるさいことを言わない同業の女の方が良いってAV嬢とできて出て行きました。いまではけっこう有名な男優になっています」
そしてAV男優の彼にふられるとそのタイミングで女友達の元彼に求婚され、付き合って2ヶ月で授かり婚する彼女。本人が25歳で旦那が35歳のひとまわりも違う年の差婚だった。やがて旦那の両親と同居する結婚生活が始まるがそれほど長くは続かなかったという。
「5年ぐらいから旦那の仕事がうまくいかなってきて、段々暴力も振るうようになって」
それ以来、旦那のDVから避難し独りで別居。自立のため保険外交員の仕事も始め、昨年ようやく離婚が成立したというわけである。
「実はこの間、離婚の開放感もあってか久しぶりにしちゃいました。20年間一応真面目に不倫もしないで生きてきたからもう良いかっと思って」
あるLGBTのパーティーで泥酔しての帰りに、電車の中で60歳がらみのサラリーマンにナンパされたという。
「おごられるのに弱いんです。1杯だけっていわれたけど、カラオケBOXに行って迫られてそのまま・・・」
こうしてようやく女を取り戻した? 彼女。こんどこそダメンズでない良縁を祈るばかりである。