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マジシャン・オブ・ブラックカオス
都会の駅前である奇術師が興行していた。
「パパ、すごいよあれー。」と腕白そうな子供が父親の手をひき、奇術師によってくる。
「見てくださいよー、ほら。このマッチ箱の中に丸いコインがありますね?これを閉じて開くとー……コインがなくなっちゃった!」
無邪気な子供はその光景をみて驚いている。
そこに、父親が小声で子供にいう。
「ハハッあれはね、二重底になってるんだよ。あの道具さえあればパパでもできるさ。」
「では、やってもらいましょう。」
聞こえていた。奇術師は箱を差し出し、観衆に宣言する。
「私の奇術を彼が再現してくれるそうです。さぁ、皆様ご注目!」
箱を渡された俺は、戸惑いながら渡された箱を確かめる。
すると、二重底になっていた。
(なんだ、やっぱり二重底じゃないか。)
そう思いながら、俺は観衆の注目集める中こういう。
「見てくださいよ、この箱の中に丸いコインが……」
なかった、代わりに。
箱の中には、丸い。
俺のメが。
【to be continued……】