言葉が世界をつくる~言葉の抽象度をあげること~
「自分の光を忘れない、みんなを巻き込み激流を流れる小石」のやっくんです。
「言葉の抽象度をあげる」という言葉を知ったのは、3年前だったかな。
ファシリテーターの勉強をする中でもらった言葉。
僕は、教育や地域づくりでファシリテーターとして仕事をする中で対話を通して言葉を使って仕事をしてきました。
言葉は、人それぞれの経験が詰まっている生き物。
「言葉の抽象度」が高めるのが僕の仕事。
今回は、よく説明するけど伝わりづらい概念を言葉にしてみるチャレンジです。
とても重要な「抽象度」という概念
「抽象度」という言葉、もしかしたら
「聞いたことあるよ。」
という人もいるかもしれません。
抽象度という言葉は元々は分析哲学用語で、
「情報量の大小の度合い」を表す言葉です。
これを聞くと「なんだ、専門用語か。難しいそう。」
と思うかもしれませんが、生きる上ですごく大切な考え方。
この言葉を使えるようになるだけで
・IQが上がる
・問題解決がしやすくなる
・人の気持ちを考えやすくなる
という効果が得られるようになると言われています。
(図解)抽象度とは何か?
正直僕も最初聞いた時には理解ができませんでした。
意味を正しく理解していただくために図で説明します。
具体例として「犬、猫、魚」の3つの言葉を考えてみます。
「犬、猫、魚」は例えば
「チワワ、ブルドック、トイプードル・・・」
「シャム、。ベンガル、ペルシャ・・・」
「メダカ、金魚、グッピー・・・」
などが思い浮かびます。
これらの概念を抽象度順に表すと下図のようになります。
「犬、猫、魚」は同じ抽象度ですが、具体的な種類の名前(下位概念)になると抽象度が低くなります。
反対に、
「ペット」は「犬、猫、魚」を包括する上位概念なので、抽象度が高くなります。
つまり、
■抽象度が上がる→ 包括する概念が多くなる→ 抽象的なので情報量が少ない
■抽象度が下がる→ 包括する概念が減る→ 具体的なので情報量が多い
ということになります。
例えばこんな言葉があります↓
「高い視点で考える」「俯瞰する」「視野を広く」
感覚的な言葉ですが、
これを
「抽象度を高くする」
「抽象度を上げる」
と言うことで、かなり明確な意味を持たせることが出来ます。
なぜなら、抽象度とは情報量の多さを表す度合のことなので、
「抽象度を上げる」と言えば、
見える情報量を減らし、包括できる概念を増やす
という意味になります。
言葉が世界をつくる、自分をつくる
ドイツの哲学者のマルティン・ハイデガーは「言葉は存在の家である」という言葉を残しています。
言葉とはその人そのものやその人の世界を写すもの
だと感じています。
その上で言葉の抽象度を上げることはものすごく大事です。
だからこそ、前回紹介した本のレビューでも書いた通り、
『人々はお互いの言葉のやり取り(対話/ダイアログ)の中で『意味』を作っていく。
『意味』とは話し手と聞き手の相互作用の結果であり、
「意味・価値」は「個人の中」から生まれるのではなく、
人々の相互的なコミュニケーションの結果から生まれる』
だからこそ、体験を通して情報を体に満たし、対話で意味を作っていく。
言葉の抽象度を上げることが重要です。
全体性やSDGs、エコシステムという俯瞰して全体を見渡せる言葉がビジネスでも使われるようになったのも、抽象度を上げて世界を作っていく必要があるからなんでしょう。