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やくのしま⑮

タカサゴユリ(高砂百合)
いつの間にか、やってきて梅雨時期に大きく成長。夏の直射日光を派手に受けて花をさかせたのはタカサゴユリです。屋久島では「蔓植物」と「球根植物」(こんな分類があるかどうか知りませんが)は最強です。

てっきり「毒の草」だと思っていたのは、どうやら誤解でした。但し、ネコには毒とか。スズランやヒガンバナ(ユリ科)の植物は、アルカロイド系の毒を含み、誤って食べると、呼吸器系統、自律神経系に作用し、とっても危険で生死にかかわる状態を招くとされますが農薬をつかっていないようなユリは食べられます。

球根を「ユリネ(百合根)」として食べます。正直、店で見た記憶がないのですが、一般的なのでしょうか。但し、食用以外のユリネは味が、あまりよろしくないようで、とても不評です。苦味がなかなか取れず、苦労します。

調べると、花(つぼみ)も食べれるようです。こちらも何度もあく抜きが必要です。「美しい花」として食べられたいいのですが、エディブルフラワー(食べられる花)は大体、ドライフラワーにしたり、煮込んだりして、その美しさが褪せてしまいます。ユリの花は 陰干してお茶にすることが多く、美肌やデトックス効果があります。 生の花弁は、卵と合わせて卵焼きにしたり、肉類と煮込んだりして調理します。

ユリの香りは、副交感神経に作用し新陳代謝を高めてくれるといわれています。またホルモンの分泌を促したり、肥満予防にも良い、ということなので、花をひとつ摘んでみました。夜中にしっかりと咲いていました。確かにいい香りです。エッセンシャルオイルとかできそうです。

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ユリネは百合の中でも、オニユリやヤマユリ、スカシユリなど苦みの少ない種が用いられ、江戸時代中期以降に野菜として栽培が始まりました。ユリネの栄養価は高く、じゃがいもの2倍のタンパク質が含まれており、カリウムや鉄、リンなどを含み、強壮効果もあります。 グルコマンナンと呼ばれる食物繊維が豊富で、コレステロールの上昇を抑え、便秘や整腸に効果があります。 その昔は薬用として食され、滋養強壮、利尿作用、鎮咳作用、鎮静作用、去痰作用、産後の回復食消炎作用、抗ヒスタミン作用、解熱作用などの薬理効果がある食物として親しまれたそうです。
漢方の世界では、ビャクゴウ(百合)と読み、りん片葉を主に蒸して乾燥させます。潤肺、止咳、安神などの効能があり、咳嗽(せき)や不安による動悸などに用いられます。

ユリはギリシャ神話や聖書にもよく登場します。
イヴは禁断の木の実を食べてしまい楽園を追放されることになるのですが、この時にイヴの流した涙が地面に零れ落ちてユリになったと言われています。屋久島の涙は毎日降ります。

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